♪都会では 自殺する若者が増えている
今朝来た新聞の片隅に書いていた
だけども問題は今日の雨傘がない行かなくちゃ
君に逢いに行かなくちゃ君の町に行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ
冷たい雨が心に浸みる
君の事以外は考えられなくなる
それはいい事だろ♪
(傘がない 井上陽水)
本書を読み、井上陽水の「傘がない」が浮かんだのです。
聴いた後に、読了語に、
なんじゃこりゃぁあーーー!!!(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!
独自の物語の意味をフカク、フカク解釈したくなるのです。
第164回芥川龍之介賞受賞作 2021年 本屋大賞ノミネート作逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を""解釈""することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。デビュー作『かか』が第33回三島賞受賞。21歳、圧巻の第二作。
芥川賞受賞おめでとうございます♪
本当のところはよくわからないのに、主人公の心の叫びに圧倒され、
いつまでもいつまでも痛みの残香が纏わりつき、本の世界観から抜け出せず泣きそうになる一冊でした。
社会で起きている重要なこと、些細なこと、そんなことはどうでもよくて、一番大切なのは、君に逢いに行かなきゃ、推しに逢いに行かなきゃ、推しをまるごと解釈し、推しの見る世界を見たいから。
推しのない人生なんて余生なのに、推し(傘)がない。
推しが人になってしまうの?
推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。
冒頭の一文から物語の世界に引き込まれる。
推しに関するブログでは雄弁に語るので、
SNS界隈ではしっかり者とされているあかりだが、現実世界はままならない。
学校でも、家庭でも、バイトでも空回りして上手く生きることができない。
最低限の生活ができなく嘆いているあかりを支えてくれているのは、推しのアイドルの存在。
推しはあかりを、かろうじて二足歩行させてくれる背骨だから。
背骨だった推しが大切なものを壊そうとしている。
それはすなわちあかりが背骨をうしなってしまうことに。
その先にあるものは・・・
生まれたときから今までずっと、自分の肉が重たくてうっとうしかった。
いま、肉の戦慄きにしたがって、あたしはあたしを壊そうと思った。
ゴクゴクと簡単に吸引できる作品ではないけれど、ジワジワと吸引すると五臓六腑に沁み渡る世界を体験してみませんか?
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