あなたの身体に触れていいのは、あなたが選んだものだけ~「クローゼット」感想~ | oliveのドラマ帳~風に吹かれて~

oliveのドラマ帳~風に吹かれて~

朝ドラ「スカーレット」から、連続ドラマの感想を、
ひと味加えて、自分味に料理します。
ゆるりとご試食くださいませ♪

小学生男子の登竜門だったのか?

思春期突入予備軍の登竜門だったのか?

 

昭和時代。

あたしが小学生の時代には、

フツーにスカートめくりが流行?していた。

 

性への目覚めの第一歩。

好きな子の気を引きたい。

 

男の子たちも思いがあったのだろう。

 

当時は意外とフツーに寛容されていたスカートめくりだが、

本気で嫌がっていた女の子はいた。

 

友達もその一人で、

あたしは、本気で「やめてあげて!」

男の子に向かって声を発した。

 

だが、その声に対し返ってきた言葉は、

「お前もされたいんだろう」

 

その言葉に鈍器で殴られたような衝撃を受けたのだった。

思ってもみなかった・・・その言葉に。

 

ここ数日、山口達也メンバー(←なぜ?メンバーと報道される)が、

強制わいせつ容疑で書類送検されたと世間を騒がせていますよね。

 

あたしは、彼の女性を見る目が、

スカートめくり時代から変わっていないんじゃないかと思ったのだ。

 

例えるなら、痴漢にあった女性に、

そんな短いスカートを履いて露出している方が悪いと本気で

思っている人は同罪だと思うように・・・

 

そんな中で読んだ一冊。

 

千早茜 「クローゼット」

 

クローゼット クローゼット
1,512円
Amazon

 

秘密と傷みに縛られ、男性が苦手なまま大人になった洋服補修士の女。要領よく演技するのが得意。だけどほんとうに好きな事から逃げてばかりいるフリーターの男。洋服を愛している。それだけがふたりの共通点のはずだった。18世紀から現代まで、1万点以上の洋服が眠る美術館で、出会うまでは―。誰にも覗かれたくない場所。

(bookデーターベースより)

 

 

 

過去の出来事から男性が苦手な女性と、

女性の洋服が好きな男子が、それぞれのトラウマを

超えようとする物語なのだが、とにかく冒頭から美しい。

 

洋服の補修士という繊細さな手仕事の美しさ。

アンティークレースの美しい描写にうっとりする。

 

美しければ美しいほど胸が痛くなる。

誇り、願い、守りたいもの。

 

男性が苦手な女性を、ただ助けたくて身体に触れてしまった男に、

彼女の友達が・・・

男には触られる恐怖なんてわかんないんでしょうね。(本文より)

 

そして男性へのトラウマを持つ彼女には、

あなたの身体に触れていいのは、あなたが選んだものだけ。

(本文より)

 

そうなんだよ。

誰が決めるのではない。

自分で選ぶのだ。

君が勝手に決めてはいけないのだよ。

 

マイノリティの生きづらさを描きつつ、強さも描いている。

 

「僕は女性になりたいわけじゃなくて、自由が欲しいんです。

着られる洋服の選択がもっとあったらいいなって。」(本文より)

 

「わたしはまだ生きます。大好きな仕事もあります。

でも、まわりに気遣われているうちは人生に勝っていない。

過去とにとらわれている。わたし、ちゃんと勝ちたいんです。

もう憐れまたくなんてない。あの人よりずっとずっと長く生きて、

仕事をして、あんなことなかったことにして笑っていたいんです」

(本文より)

 

嫌よ嫌よも好きなうちではない、

憐れむのでもない、

そんな目でいたい。

 

目は一緒でしょ、男も女もさ」(本文より)

 

 

にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

ランキングに参加中です。

応援クリックいただければ嬉しいです。