恐竜時代のワニの多様性についての記事。


「恐竜時代のワニの多様性について」


「アルマジロ+ワニ!?な古代生物」


前回、恐竜が闊歩した時代のワニの祖先たちは

多種多様だったことを述べたが、

またまた、

アフリカのサハラ砂漠、白亜紀(1億年前)の地層から

個性的な古代ワニの化石がわんさか発掘され報告されている!


ナショナルジオグラフィック 2009年11月20日

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=26511165&expand


シカゴ大学 古生物学者ポール・セレノ率いる調査チームが

2000年からサハラ砂漠の過酷な発掘調査を行っていたという!


実に6種類もの古代ワニが報告され、4種は新属新種だという!

そのひとつがコイツだ!


カプロスクス  学名(Kaprosuchus saharicus
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口を閉じると上下のアゴにはみ出てしまうほどの長大な牙が

生えており、その顔つきはイノシシを彷彿とさせる!

そんなことからボアクロック(イノシシワニ)と呼ばれているわけだが、

この巨大な牙は大型の獲物向きと思われ、

恐竜をも餌食にしたかもしれないという強力な捕食者だ!


他にも

平らで幅広い吻部をしていた平べったいワニ

パンケーキクロック (Laganosuchus thaumastos) は

その平らな体を生かして、川底に同化するかのように潜み、

獲物を待ち伏せしていたといわれている。

あと

アヒルのような口をしていた
ダッククロック (Anatosuchus minor) なんてのも。



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今回の発掘で報告された種以外で

白亜紀(1億年前)のアフリカには

全長12mという最大級の巨大ワニ、サルコスクス

ヒゲクジラのようにろ過食性だったといわれる

ストマトスクス など個性派ぞろいの古代ワニがてんこ盛りだ!


同時代には

アフリカだけでなく、南アメリカでも

個性派なワニが生息していた!
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ワニにオオカミやネコ科動物のような犬歯があるという、

獣のように陸上を疾走するバウルスクス

強烈なのが、明瞭な甲羅をもつアルマジロスクス


現在のワニはクロコダイル、アリゲーター、ガビアルの3グループのみのワニが

存在するが、恐竜時代のワニの多様性とは、まったく比べ物にならない。


しかし、

恐竜時代の個性派ワニたちが目立って化石が発掘される場所は

アフリカ大陸、南アメリカ大陸と限定的だ。


1億年前

南半球でアフリカ、南アメリカ、オーストラリア、南極などがひとつになった大陸、

ゴンドワナ大陸が東西に分裂し、

西ゴンドワナ大陸東ゴンドワナ大陸に分かれた頃だ。


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その西ゴンドワナ大陸が現在のアフリカ大陸と南アメリカ大陸にあたる。

つまり

この西ゴンドワナ大陸がワニの多種多様に繁栄した舞台だったのだ。


まさにこの大陸はワニの王国だったにちがいなく、

今後、アフリカと南アメリカにはまだ見ぬ古代ワニの化石が

発掘されるかもしれない。