自宅出産 | ドゥーラのりこ

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オーストラリア在住のお産サポーター(ドゥーラ)、ヒプノバーシング™講師、マッサージセラピストです。
妊娠、お産、育児、健康、環境、ホームスクーリングに関しての色々な情報や考えをシェアしています。

こんばんは、セラピスト&ドゥーラのエイミーズのりこです。


シドニーは、すっかり寒くなりましたね。

あまりにも寒かったので、今日の水泳はお休みしました!(私の体は今、低温期であるからか、更に寒く感じます。)


今日は、自宅出産のお話をちょこっとしたいと思います。



私は、「自宅出産」(英語ではHome Birth)で生まれました。
その時の産婆さんは、私の叔母...

うちの旦那も自宅出産。


昔は自宅出産が当たり前だったのですよね~。
日本なんて、1950年頃までは、ほぼ100%が自宅出産でしたから...


現在では...

オーストアリアでは、1~2%の妊婦さんが、自宅出産を選択します。

イギリスでは約3%

オランダではなんと、30%以上の妊婦さんが自宅出産を選択しています。

日本では1%未満ですが、自宅出産を選択される方はいます。


ちなみに、イギリスやオランダでは、自宅出産が国民保険で全額補助されるそうです。(国としては、自宅出産のほうが、病院出産よりも、安上がりですしね。)

オーストラリアでは、一般的には全額は補助されませんが、保険で1500ドル程度は戻ってきますし、残りは、Tax deductibleです。

ただ、病院によっては、病院が行っている自宅出産システムもあるので、この場合は全額補助されます。

オーストラリアは比較的、自宅出産が出来やすい環境だと思いますね。(今後どうなるか分かりませんが...)


どうして自宅出産を選択するのか?


「健康な妊娠で、異常もないから。」

「完全にリラックス出来る自宅で産みたいから。」

「一人だけの助産師さんに診てもらいたいから。」

「不必要な医療介入を避けたいから。」

「アットホームな雰囲気で赤ちゃんを迎えたいから。」


等など、理由はたくさんありますが、「絶対に病院で産みたい!」という妊婦さんがいれば、「絶対に家で産みたい!」という妊婦さんもいる、ということで、各自の選択が尊重される社会であればいいのですが...

やはり、

「自宅出産は無責任だ!」

「何かが起こったらどうするの?」

「絶対に危ない!」

等と、批判する方が多いように感じます。


実際、自宅出産で緊急事態になった発生率と、病院出産で緊急事態になった発生率って、後者のほうが圧倒的に高いってご存知ですか?

そして、無責任どころか、自宅出産を選択する方々は、じっくりと時間をかけて、助産婦さん(いわゆる産婆さんですね)を選択したり、出産に向けての「宿題&準備」をたくさん行っていたりして、妊娠&出産に関する知識がかなり豊富です。

「何がなんだか分かんないけど、全て病院にまかせます!」

なんていう考えは、一切ありません。

「自分達の赤ちゃんは、自分達の責任。」

というような姿勢の方々がほとんどです。

そして、雇われた助産婦さんは、それをサポートするだけ。


自宅出産専門の助産婦さん達は、経験がものすごい方ばかりです。

もちろん、過去には病院の助産婦として働いていた方が多いのですが、

「病院での仕事がもう我慢出来なかった。」

「女性の力が最大限に生かされていない環境がイヤになった。」

とおっしゃる助産師さんが非常に多いです。

ベテラン助産婦さんがほとんどなので、逆子の出産やVBAC(帝王切開経験者の出産)の助産経験も豊富な方々が多いです。

病院では、逆子はもちろん帝王切開ですし、既に帝王切開経験者の場合は、再度帝王切開が普通ですね。



「緊急事態になったらどうするの???」


よくある質問ですね。


自宅出産専門の助産婦さんは、ある程度の緊急事態に対応出来る器具は持っています。

それ以上の緊急事態になりそうな場合、早目に病院へ移動する判断が出来るところも、プロです。

そのような場合は、もちろん一緒に病院へ行ってくれますし、病院でもず~っと一緒にいてくれます。


自宅出産して何が良かった?

という質問に対して、


「助産師さんと深い信頼関係が築けて安心した。」

「リラックスした環境で落ち着いて出産出来た。」


等、「安心」、「リラックス」という言葉がよく出て来ます。


自分達だけの助産婦さんを雇った場合、診察は全て、助産婦さんが自宅へ来てくれます。
産後の診察も全て、自宅訪問。
赤ちゃんを連れて移動しなくていいので、お母さんはラクですね。

親密な信頼関係が築けるのはもちろん、良き友人関係や友情も生まれるようです。

そして、何年経っても、助産婦さんが時々、自宅を訪問することもあります。(それ以降の出産にも、すっと同じ助産婦さんを雇う方が多いです。)



私のお友達や知り合いでは、自宅出産をされた方が多いのですが、皆さん、それぞれ、素敵なストーリをお持ちです。


「家に、大きなお風呂がないから無理だわ...」

と思っている方、

格安でレンタル出来る出産用プールがあるのですよ☆ 
リビングルームでお風呂に入りながら、なんていうことも可能です。


「家が汚くなりそう...掃除が大変そう...」

ドゥーラはもちろん、パートナーさんやその他の家族のメンバーにやらせればいいのです。
自宅出産専門の助産婦さんがちゃんといろいろな指示をしますので、汚くなることはほとんどないです。(お風呂を使えば、いいことですし...)


「助産師さんを雇うお金がない...」

先ほども書きましたが、病院によっては、自宅出産システムがある所もありますので、その場合は出費ゼロ!

個人で雇ったとしても、大体5000ドル程度です。

そのうち、1500ドル程度はMedicareで戻ってきますし、残りの額は、Tax Deductableです。
しかも、産後はChild Benefitの5000ドルの補助金もあるので、何とかなりそうかと思いますが...(今後なくなる、と言われていたChild Benefitはまだ存在しているのでしょうか?)
プライベート保険をお持ちの方は、カバーされることもあります。


「でも、やっぱり病院のほうが安心!」

と思われる方は、それはそれでいいと思います。


産婦さんが「一番安心」出来る所で生むのが一番ですものね。

それが、病院だろうが、バースセンター(助産院)だろうが、自宅だろうが...



ただ、自宅出産を選択される方々は、家族のメンバーや、回りの人達に、その選択を告げないことが多いですね。

やはり、批判されるからなんですよね。


出産する場所は、個人の選択だと思います。


かなりの調査&考慮をしての決断なので、その決断が尊重されるような環境になっていってもらいたいものです。


病院で赤ちゃんが亡くなった場合(表に出ないだけで、結構な件数があるのですよ)、ニュースにも何にもならないのに、自宅出産で赤ちゃんが亡くなった場合(本当にまれですが)、もの凄いニュースになるのは、私は許せませんね。酷過ぎる!

これでは、「自宅出産は危険!」という誤ったメッセージが流れるだけです。

病院で亡くなっている赤ちゃんの件数も堂々と表にするべきではないのでしょうか?(これをしてしまうと、病院で出産する方が減ってしまうと思いますが...)


ちなみに、オーストラリアでの自宅出産件数は、2010年は1345件でした。
毎年50%以上の率で増加しているようですよ。


興味のある方は、ここのオーストラリア自宅出産協会をご覧下さい。自宅出産専門の助産婦さんも探せます。


私も時々、(まれですが)、自宅出産をお手伝いすることがありますが、産婦さんの自信&リラックスのレベルがすごいですね。

お産は、やはり、「自信」&「リラックス」がとても大事です!


ドゥーラは、産婦さんがこの自信&リラックスを保てるよう、陰ながらお手伝いします。

病院でも、バースセンターでも、自宅でも、どこでも参ります!

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