ダウランドの
〈流れよ、わが涙〉と似ている
伊福部昭の曲は何だったか
確認するために
手元のCDをあさってみた
という話題の続きです。
今回、上記の理由で棚をあさり
発掘した2枚のCDについては
前回の記事で書いた通りですが
もう1枚、変わったCDを見つけてて
それがこちらの2枚組です。
(Altus Music: ALT-298/9、2014.8.21)
リリース月日は
タワーレコード・オンラインに
拠りました。
録音は
2014年1月28、30、31日に
府中の森芸術会館の
ウィーンホールで行われました。
メインの演奏はもちろん
ピアノの高良仁美
[たから ひとみ]ですけど
他にバレエ音楽《盆踊り》の
第4曲と第8曲に加わる和太鼓を
河野玲子と板橋亨子が
担当しています。
ちなみにジャケ写
(ライナー小冊子の表紙)は
若い頃の伊福部昭で
高良仁美ではありません
念のため。
こちらのCDを買ったのは
《SF交響ファンタジー》第1番の
ピアノ・ソロでの演奏が
収録されていたから
だと思います。
編曲は石丸基司で
リストがベートーヴェンの交響曲を
ピアノ独奏用に編曲した例もあり
決して奇を衒ったものではない
と買うとき思ったかどうか
記憶にありませんけど。( ̄▽ ̄)
まあ単純に
こういう変わったのが
好きなんでしょうね。
それに
ピアノ曲は
もともと嫌いではなく
むしろ好きな方ですし。
今回引っ張り出して
収録曲を確認してみたら
〈聖なる泉〉のピアノ・ソロ版も
収録されていたのには
びっくりでした。
片山杜秀の解説によれば
ハープ独奏用の譜面を
そのままピアノで弾いたもの
だそうです。
本盤にはその他に
《ピアノ組曲(日本組曲)》
《日本狂詩曲》の伊福部自身による
ピアノ独奏用の編曲版
アレクサンドル・チェニプレンとの共作
バレエ音楽《盆踊り》
そして映画の劇伴曲で
ピアノ・ソロのものが4曲
収録されています。
《盆踊り》は
音楽学者・高久暁が所有している
ウィーンで印刷された出版譜を元に
演奏されたものだそうで
本盤が初録音になると思いますけど
本盤の後に演奏を収録したCDが
出ているかどうかは知りません。
1935年(昭和10年)に
チェニプレン賞コンクールで
第1席を獲得する
《日本狂詩曲》の
第2曲(第2楽章?)
〈祭〉のフレーズには
のちのゴジラ映画のフレーズを
思わせるところがあります。
1938年にウィーンで初演され
同年に刊行されたバレエ音楽
《盆踊り》にも
そういうところがあります。
その意味では
ゴジラ映画を通して
伊福部音楽を知った人にこそ
聴いてほしい
といえそうな気がします。