少し前に

ディスカウント・スーパー

OKに行く道沿いで

桑の実を見かけたという話を

アップしました。

 

(杏の実がメインの記事ですがスクロールすると出てきます)

 

ところが

先日、X(旧Twitter)の

タイムラインに流れてきた

以下のポストを見て

 

 

自分が見かけたのは

桑の実ではなく

姫楮[ヒメコウゾ]ではないか

と気づかされた次第です。

 

桑の実

(2025年6月1日撮影)

 

そう思って見直すと

葉っぱの形が桑の木とは違い

深裂して3裂ないし5裂に

なっていません。

 

庭木図鑑 植木ぺディアによれば

時折、山桑の木の葉のように

3ないし5裂に深裂する葉も

あるようですけど

今回の葉の場合

深裂していない葉が

ほとんどですしね。

 

 

姫楮の実は6〜7月ごろに熟し

「甘味があって食用となるが

 果実には細かなトゲトゲがあり

 食感はあまり良くない」

と庭木図鑑 植木ぺディアに

書かれています。

 

また「コウゾの結実は稀だが、

本種は結実しやすい」のだとか。

 

その点でも今回のは

姫楮だろうと判断されますね。

 

姫楮の実(枝付き)

(2025年6月16日撮影)

 

手元にある

林将之監修・写真

ネイチャー・プロ編集室編著

『葉っぱで見わけ 五感で楽しむ

樹木図鑑』(ナツメ社、2014)には

「果実はねばついて、

 口当たりは今ひとつだが、

 甘くておいしい」

と書いてありました。

 

ねばつくのが特徴なら

実を取ってきて食べてみれば

分かるだろうと思って

本日、採点済みの答案を

郵便局まで届けに行った帰り

一粒、もいできた次第。(^^ゞ

 

持って帰る際も

手のひらにまとわりついて

ねばついている感じがしたので

もう、食べるまでもなく

姫楮で間違いない

と思いました。

 

姫楮の実

 

食べると確かに甘く

それも、しつこい感じではなくて

人工甘味料に慣れた舌には

優しい感じの甘さですね。

 

ちょっとジャリジャリして

確かに食感は良くなかった。( ̄▽ ̄)

 

 

実をいえば

以前、梔子[くちなし]

記事の時にも書いた通り

おそらくは自治体によって

伐採されたんですけど

 

桑の木

(2025年6月1日撮影)

 

それでも

歩道にはみ出している部分だけが

伐採されただけで

歩道に被らない奥の方にはまだ

木自体が残っていたのでした。

 

歩道脇の姫楮

(2025年6月16日撮影)

 

山田隆彦監修の『樹木図鑑』

(池田書店、2021)に

葉柄[ようへい]に毛がある点が

山桑と見分けるポイントだと

書かれていたことでもあり

葉っぱが残っていれば確認できるか

と思ってたんですけれど。

 

ところが

葉柄の毛というのは

かなり微妙なものというか

そもそも毛が確認できるほど

長い葉柄があまり見られない。

 

それでも葉っぱの形は

確認できたので

それでよしとするか

と思って眺めていたら

歩道に張り出していなかった枝に

実がなっているのを見つけて

これ幸いとばかりに

「収穫」してきたのでした。(^^ゞ

 

ちなみに

下の写真が樹皮です。

 

姫楮の樹皮

(2025年6月16日撮影)

 

和名の別名に

小構樹[しょうこうじゅ]

というものがあるようです。

 

由来は調べがつきませんでしたが

構樹は楮が転訛したのかなあ

とか想像するばかり。


 

英名は和名そのままに

Hime-kouzo という他

和紙の原料に使われるからでしょう

Paper mulberry とも

いわれるようです。

 

mulberry は

手元の辞書に

「クワの実」という訳語が

載っていますので

紙の原料になる桑の木の実

というニュアンスですかね。

 

 

学名は

庭木図鑑 植木ぺディアに

Broussonetia kazinoki

とありますけど

Wikipedia を見てみると

Broussonetia monoica Hance

と今ではなっているようです。

 

属名の Broussonetia は

こちらの記事によれば

 

 

フランスの医師で博物学者の

P・M・A・ブルソネに

由来するのだとか。

 

種小名 monoica は

やはり同じ記事によれば

「雌雄同株の」

という意味だそうです。

 

雄花と雌花が

同じ株に咲くことに

由来するものですね。

 

Hance は命名者を意味し

ヘンリー・フレッチャー・ハンス

というイギリス人のようですけど

この御仁、香港で外交官を務める傍ら

植物採集に勤しんでたようで

そういうアマチュアリズムは

イギリスらしいという感じ。

 

 

それにしても

姫楮の木だと分かったからといって

それが道端の崖っぷちに

生えている理由は

相変わらずよく分かりません。

 

別のところに生えている

木の実を食べた鳥の糞が

たまたま落ちて

それに種が残ってたからなのか

と想像するばかり。

 

庭木図鑑 植木ぺディアには

「荒れ地でも勝手に育ち、

 花が咲いて、実もできる。」

「切っても切っても

 勝手に生えてくるような木」

と書かれていますから

一度生えるとしぶといみたいです。

 

だったら

次に機会に恵まれれば

独特の形状の花を

見ることができるかも。

 

それがちょっと楽しみです。