前回の記事でふれた

クリストファー・ホグウッド指揮

エンシェント室内管弦楽団の演奏による

エマ・カークビーが歌う

バッハの結婚カンタータを

収めているのは

こちらのディスクです。

 

カークビー、ホグウッド《J・S・バッハ:結婚カンタータ、他》

(ユニバーサル ミュージック

 POCL-1906、1999.11.1)

 

原盤レーベルはデッカ。

 

録音は

BWV202と210が1996年7月で

その他のアリアが

1997年2月になります。

 

 

カンタータ 第202番

《消え去れ、悲しみの影》BWV202 は

結婚カンタータといえばこれ

というくらい録音も多く

カークビーも

これが2度目の録音となります。

 

だから、というわけでは

ないでしょうけど

手慣れた感じで

危なげがないですね。

 

個人的な好みとしては

冒頭のアリアが

もう少し速くても良かったかな

と思いますけど。

 

 

もうひとつの結婚カンタータである

カンタータ 第210番

《ああ、愛らしい日、待ち望んだ時》

BWV210 の方は

第202番に比べれば録音が少なく

その意味では貴重な録音です。

 

ただし

前回の記事にも書いた通り

特に最初のアリアが

カークビーにしては

妙な節回しの歌い方で

最初に聴いたとき

違和感ありまくりでした。

 

妙な感じがするのは

第2曲目のアリアだけなんですが。

 

二つの結婚カンタータとも

テンポが軽快な

終曲のアリアの出来が良くて

BWV210にしても

そこまで聴き進むと

いいなあと思えるんですけどね。

 

 

本盤を買ったのは

BWV210が目当てではなく

カークビーが歌う

カンタータ 第82番《私は満ち足りている》

BWV82からのアリアが

収められているからでした。

 

BWV82のソプラノ・バージョンは

《アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳》に

第2曲目のレチタティーヴォと

第3曲目のアリアが収められていて

本盤ではそちらが

歌われているというわけです。

 

全曲ではないけれど

何はともあれ

カークビーの歌いっぷりを

知りたくて

購入したのでした。

 

これを聴いていると

カークビーが歌う

全曲録音が聴きたくなりますが

検索してみたら

あることが分かったので

即行で購入したのは

いうまでもありません。(^^ゞ

 

 

《音楽帳》からは他に

バッハ作曲ではないことが分かっている

〈あなたが私のそばにおられるのなら〉BWV508 と

〈わが魂よ、思い起こしなさい〉BWV509 の

2曲のアリアが収められています。

 

BWV82からのも含めた

それら3曲のアリアは

ホグウッドのチェンバー・オルガンと

おそらくはエンシェント室内管弦楽団の

チェロ奏者の伴奏のみで

演奏されています。

 

他の《音楽帳》の録音盤だと

チェンバロ伴奏のみ

というものが多く

《音楽帳》には

バッハ家で歌われたものが

書き込まれていると考えるなら

それが妥当かと思います。

 

その意味では

オルガンとチェロによる伴奏版

というのは珍しいかもしれませんし

BWV82からのアリアの場合

これが実にいい感じなのでした。

 

これを聴くだけでも

贖う価値がある

……といいきるのは

コスパ的にはどうかと思われて

ためらわれますけれども。( ̄▽ ̄)