(EML Classics: 50999 6 79073 2 8、
2012.2.6)
リリース月日は
タワーレコード・オンラインに
拠りました。
Amazon で検索している時
新宿のディスクユニオンから
出品されているのを見つけたので
塾の会議で出かける時機を待って
直接店頭で購入したものです。
結婚カンタータ BWV202 と
イタリア語カンタータ BWV209 が
収録されているのを知って
買おうかと思ったんですけど
店舗に行ってみたら
BMGビクター盤があったことは
以前の記事で書いた通り。
だからといって
ボックスの方を買わずに済ますと
あとで絶対、欲しくなるのは
これまでの経験から
分かりきっています。( ̄▽ ̄)
ですから
価格も手頃でしたし
えいやっという感じで
両方とも買ったのですけど
両方とも買って正解でした。
というのも
ボックスの方に
収録されていたのは
ネヴィル・マリナー指揮
アカデミー・セント・マーティン・イン・フィールズ
日本での通称アカデミー室内管弦楽団による
演奏だったからです。
録音は1972年6月3日、5〜7日に
ロンドンのキングスウェー・ホールで
行なわれました。
アカデミー室内管弦楽団は
基本的に指揮者なしの弦楽合奏団で
コレギウム・アウレウム合奏団と
似ていますし
チェンバロ奏者として
クリストファー・ホグウッドが
加わっていますけど
古楽器演奏の団体ではありません。
それでも
バロック音楽の復権に
貢献してきたこともあって
往年のバロック音楽ファンには
よく知られた存在で
イギリスの
モダン楽器の管弦楽団らしい
安定した演奏を聴かせます。
ただし
アメリングの歌唱は
BWV202と209に限っていえば
コレギウム・アウレウム盤に
やや劣るという印象です。
個人的な趣味の問題なので
説明するのが難しいんですけど
コレギウム・アウレウム盤が
語るような歌い方だったのに対し
アカデミー室内管弦楽団になると
歌うように歌っているとでも
いいましょうか。
うまく歌おうとしているというか
ややロマン派風の流儀に近い
という印象を受けるのですね。
BWV209の最初の
ダ・カーポ・アリアは
中間部の歌いっぷりが
ちょっと良かったとはいえ。
BWV202の最終曲のガヴォットは
アカデミー室内管弦楽団の演奏だと
ヘンデルのように聴こえる
というあたりも
個人的には気になります。
もっと軽快なリズムであってほしい。
BWV209の最後の曲のテンポは
軽快で、これは結構でした。
CD1には以上の2曲の他に
1960年代後半から
70年代始めにかけて
アメリングが参加した
バッハの合唱宗教曲から
ソプラノ独唱をアリアのみを
ピックアップしたものが
6曲収録されています。
詳細は
タワーレコード・オンラインの
商品ページに譲りますが
こういう抜粋には統一感がなく
演奏の質を云々するより前に
個人的に好みではないのでした。
本ボックスにはあと1枚
オール・バッハ・プログラムが
含まれています。
そちらは、上掲の写真にあるように
「ソプラノ、オーボエ、通奏低音のための
カンタータ・アリア集」
というタイトルでもあり
あまり期待してなかったんですが
これは意外と拾いものでした。
録音は1983年7月
オランダ、ユトレヒトの
ピテルス教会 Pieterskerk で行なわれ
翌年、オランダのEMIから
LPレコードで
リリースされたようです。
オランダのオーボエ奏者
ハン・デ・フリースが
オーボエ
オーボエ・ダ・カッチャ
オーボエ・ダモーレ
と3種類のオーボエを
曲によって持ち替えて
演奏しています。
その他に加わるのは
チェロのリヒテ・ファン・デル・メールと
オルガンのアルベルト・デ・クレルクのみ。
この小編成で
歌い継がれていくスタイルが
実にいいですね。
詳細な曲名は、例によって
タワーレコード・オンラインの
商品ページに譲りますが
曲はバラバラなはずなのに
聴いていても
バラバラな感じがしないのが凄い。
こんな優秀盤が
これまでCD化もされもせず
埋もれていたのだとしたら
ちょっと驚きです。
もう、これを聴けただけでも
買った価値はある
といってもいいくらいなのでした。
上掲の写真は
32ページあるライナーの写真と
CD1とCD2の紙ジャケ表紙。
全部同じというのが
ちょっと面白みに欠けますし
全部のジャケ写を並べるのは
省略します。
多くの一般的なクラシック・ファンなら
シューベルト歌曲集(CD3&4)とか
モーツァルト歌曲集(CD4)
フォーレ(CD5)および
ドビュッシー、プーランク(CD6)の
フランス歌曲集が聴けることに
価値を見出すのかもしれませんが
自分はバロック・ファンなので
それらを聴くのはとりあえず
お勉強という感じになりそうなのは
致し方ないですね。(^^ゞ
ドビュッシーについては
聴き比べる楽しみが
あるとはいえ。
8枚目のディスクでは
リュートの佐藤豊彦が加わって
伴奏を務める曲も収められていますから
そちらを聴くのは楽しみかも。