これは昨日のことです。

 

注文した本の代金を振り込むため

お金を下ろしてから

ディスカウント・スーパーOKの

裏に出る道を上っていくと

鼠黐[ネズミモチ]の木を

見かけました。

 

鼠黐の木

(2024年5月17日撮影。以下同じ)

 

これはタイミングがいい。

 

というのも

鼠黐の花は

プリペットの花に

よく似ているだけでなく

英名を Japanese privet

というからです。

 

学名も

Ligustrum japonicum と

種小名に

「日本の」と入ってます。

 

もっとも

庭木図鑑 植木ぺディアによれば

台湾にも分布しているそうですが。

 

 

和名の由来は

秋にできる果実が

鼠の糞に似ていることと

葉っぱや木全体の雰囲気が

餅の木(黐の木)に

似ていることからだそうです。

 

和名の別名は

葉っぱが椿の葉にも

似ているからなのか

玉椿、寺椿、藪椿など。

 

寺椿[テラツバキ]は

寺社に植えられていることが

多いことに由来するとして

玉椿[タマツバキ]はなぜでしょうね。

 

葉っぱがテカっているからかしらん。

 

とか思っていたところ

山田隆彦監修の『樹木図鑑』

(池田書店、2021)を繙いてみると

「ツバキに似て厚く光沢があることから」

と書いてありました。(^^)v

 

藪椿[ヤブツバキ]は

一般的な椿の

別名でもありますので

ちょっとまぎらわしいですね。

 

 

木の下の方は

まだ蕾が多かったですけど

 

鼠黐の蕾

 

上の方は開花しているものが多かったですね。

 

鼠黐の花

 

鼠黐の花期は5〜6月で

筒状花の先端が四裂して

くるりとカールするのが特徴。

 

鼠黐の花(アップ)

 

アップして気づきましたが

右上の方に蟻が写り込んでいるようです。

 

 

ところで

これと似た中国原産の種に

唐鼠黐[トウネズミモチ]

というのがあるらしく

葉っぱや果実は

日本産より大きいのだとか。

(花期はひと月くらい遅い)

 

唐鼠黐の葉っぱは

日本産の鼠黐よりも薄く

側脈(葉脈の中央脈から

枝のように分かれる脈)が

透けて見えるので

それによって区別できるそうです。

 

今回のは側脈が見えないので

日本産の鼠黐で間違いないでしょう。

 

鼠黐の葉

 

樹皮も撮っておきました。

 

鼠黐の樹皮

 

皮目[ひもく]と呼ばれる粒々とは

上の写真の白い粒々でしょうか。

 

学研キッズネットの説明によれば

「これを通して空気が出入りし、

呼吸に役立っている」らしく。

 

木が若い時

茎の表皮に気孔があって

それが長じて皮目になるそうで

皮目の部分は組織が粗雑だから

それが樹皮の模様になる

とか説明されると

なるほどなあ

と妙に腑に落ちますね。

 

 

名前の由来になった果実は

まだ見たことがないので

秋になったら確認するよう

注意しておきたいと思います。

 

それが楕円形なら

国産の鼠黐で

間違いないわけです。