そういえば少し前に

(もちろん新刊で出た時ですけど)

イギリス美術を特集した

雑誌『芸術新潮』を

買っていたのを思い出して

引っ張り出してみたところ

バーン=ジョーンズの《黄金の階段》が

表紙だったので苦笑した次第。

 

『芸術新潮』2021年3月号

(新潮社、2021年3月25日発行

 72巻3号、通巻855号)

 

これで見て

記憶してたわけですね。

 

こちらは

本棚の中の頭蓋骨:藤原編集室通信

というサイトの

「注目の近刊・新刊」

というページで紹介されていて

つい興味を引かれてしまい

買ったのでした。

 

前回の記事でも書いたように

ナイオ・マーシュ『恐怖の風景画』で

ジョン・コンスタブル

(高橋の本ではカンスタブル)が

扱われていることもあって

ずっと気になっていたというのも

購入の動機のひとつなんですけどね。

 

 

特集タイトルは

「[決定版]

 唯美と奇想の王国

 英国絵画史」


第1部が

「エリザベス朝から

ヴィクトリア朝まで」

第2部は

「20世紀から現代まで」という

2部構成になっています。

 

第1部の内容と

高橋裕子『イギリス美術』の内容が

ほぼ重なっているので

同書で紹介された絵画は

ほぼカバーされていて

モノクロメインだった不満も

ほぼ解消されることになりました。

 

「ほぼ」という言葉を

多用しましたけど

エドウィン・ランシアの

《老羊飼いの喪主》は

さすがに載ってませんでね(苦笑)

 

 

第2部で取り上げられている

20世紀に入ってからの作品は

バンクシーぐらいしか知らず

あまり関心もなく

それもあって買ったまま

ほっぽりだしといたのかと

思うんですけど。

 

いやあ、買っといてよかった。

 

 

さっと読んだ印象では

第1部の解説が

今ひとつ物足りない気も

しないではありませんけど

高橋の本に出てこなかった

ジョン・ウォーターハウスに

惹かれるものがありました。

 

これはちょっと

画集なり参考書なりが

欲しくなりまして

さっそく Amazon で検索し

購入することに。(^^;ゞ

 

 

バンクシー以外は

興味が惹かれない第2部ですが

読み進めるうちに

『イギリス美術』にも載っていた

リチャード・ハミルトンのコラージュ

《一体何が今日の家庭をこれほど変え、

魅力あるものにしているのか?》

が載っていたのにはびっくり。

 

それにしても

第二次世界大戦後の

イギリス美術の二大巨塔が

フランシス・ベーコンと

ルシアン・フロイドという

冗談のような名前のなのは

戦後のイギリス美術の方向を

暗示しているかのようですね。

 

50年代半ばあたりまでは

まあ、ついていけなくもないですが

80年代以降の

ポップアート以外の何ものでもない

というような作品群になると

もはやよく分からないというか

分からなくもないけれど

旧来の美術という概念から

思えば遠くへ来たもんだ

という感じかしらん。( ̄▽ ̄)

 

そういえば

金沢21世紀美術館蔵の

写真作品が掲載されていて

それにもぴっくりぽんでした。

 

 

それにしても

大判(B5判)の雑誌

特にこの手の

コーティングした薄い紙の雑誌は

油断するとすぐに傷みそうで

扱いにくくて、苦手です。

 

寝っ転がりながら読めないし(苦笑)

 

美術を扱うなら

これくらい大きくないと

ダメなんでしょうけど

やっぱり新書か

せめて普通の雑誌サイズ(A5判)の

単行本か雑誌で

気軽に読みたいものです。

 

あと、サイズが大きいと

しまいにくいのも

困るんだよなあ(しみじみ)