ヴィヴァルディの

《主が家を建てるのでなければ》

の話題が続きましたので

最近見つけたディスクを

ご紹介しておきます。

 

ベルガンサ『ヴィヴァルディ:ニシ・ドミヌス』

(西 Discos Ensayo: ENY-CD-9718、1997)

 

独唱は

今年の5月13日に亡くなった

メゾソプラノの

テレサ・ベルガンサ。

 

器楽演奏は

アントーニ・ロス=マルバ指揮

イギリス室内管弦楽団。

 

ロンドンの

アビー・ロード・スタジオで

1974年に録音されました。

 

こちらは

いつかの採点の帰りに

新宿のディスクユニオンで

見つけたのだと思います。

 

 

収録曲は

《主が家を建てるのでなければ》RV 608

モテット《不屈の者たちよ、戦え》RV 628

(別邦題《汝ら不屈に戦うべし》)

モテット《遥かなる不幸、恐怖の影》RV 629

(別邦題《闇の恐怖の長い苦しみ》)

の3曲。

 

《不屈の者たちよ、戦え》は

「不完全」とされている資料も

あったかと思います。

 

弦楽パートが一部

欠けているのかしらん。

 

それゆえなのかどうか

分かりませんけど

キングズ・コンソートや

ネグリの全集には未収録で

録音もあまりないものと

思っていました。

 

あまりないと書いたのは

1970年か71年録音のジャーヌ・ベルビエ盤

2001年録音のローラ・ポルヴァレッリ盤

2007年録音の鹿島恵子盤と

三つほど手許にあって

あとの二つから分かる通り

最近ようやく録音され始めた

という印象があったからです。

 

ですから70年代に

ベルガンサが録っているとは

思いもよりませんでした。

 

しかも録音場所が

あの有名な

アビー・ロード・スタジオ

 

 

原盤はもちろんLP盤で

中古レコード専門店

RECORD SOUND のサイトに

LP盤のジャケ写

アップされています。

 

大人の事情(肖像権とか

写真の権利関係とか)が

あるのかもしれませんけど

元のジャケ写を

活かして欲しかったなあ。

 

 

ベルガンサによる

バロックものとしては

ペルゴレージ《スターバト・マーテル》より

段突にいいと思いました。

 

ペルゴレージの録音は

1972年と近いので

ベルガンサの演奏が

どうこうというより

指揮者の解釈や

器楽編成の規模、

録音が優れているかどうか

等々に由来する

印象の違いでしょうけど。

 

 

LPの日本流通盤が出たのかどうか

分かりませんけど

もし出ていたら

皆川達夫も

『ルネサンス・バロック名曲名盤100』で

言及していましたかね。

 

CDの邦盤は

直輸入盤に日本語のライナー付きの

いわゆる日本流通盤が

ANFコーポレイションから

以前、出ていたようで

ヤフオクに出品されておりました。

 

曲名はそれぞれ

《主家を建てたもうにあらざれば》

《不撓[ふとう]の勇士たち、戦え》

《久しき悪、恐怖の幻影》

と訳されています。

 

日本語解説は

原盤ライナーの解説を

訳したものなのかどうかは不詳。

 

原盤の執筆者は

手もとにあるものと

違うようなので

訳されているのだとしたら

何が書かれているのか

気になるところです。

 

それを知りたくて

もし中古ショップの店頭で

安いのを見かけたら

買っちゃうかも。(^^;