以前、梅ノ木苔について

取り上げてから

地衣類の簡単な参考書を

見繕って購入しましたが

そのうちの1冊がこちら。

 

大村嘉人[よしひと]

『街なかの地衣類ハンドブック』

 

『街なかの地衣類ハンドブック』

(文一総合出版、2016.10.10/

 2020.4.30. 初版第3刷)

 

奥付には

「2017年6月25日 初版第2刷発行」

と併記されていて

ちょっとしたロングセラー

という感じですね。

 

1冊の部数がどれくらいか

分かりませんけど

本文オールカラー80ページ

1冊1400円なので

かなり少ないかもしれません。

 

上の本は Amazon で

新刊を購入しましたけど

古本で購入したのが下掲の

柏谷博之『地衣類のふしぎ』です。

 

『地衣類のふしぎ』

(ソフトバンク クリエイティブ

 サイエンス・アイ新書、2009.10.24)

 

カバーにある

「コケでないコケとはどういうこと?

 道端で見かけるあの“植物”の正体とは?」

は奥付にもあるので

自分ルールでは惹句ではなく

副題と見なさざるをえません。

 

国会図書館の検索目録上

副題扱いになってますが

こういう惹句みたいな副題は

新聞の番組欄における

2時間ドラマの副題のようで

いかがなものかと

個人的には思います。

 

それはともかく

『地衣類のふしぎ』の方は

『街なかの地衣類ハンドブック』に

参考書としてあげられていて

検索してみると

ハンディな新書だと分かり

購入した次第です。

 

地衣類の生態や

専門用語を知るのに

コンパクトで便利な1冊でした。

 

 

『地衣類のふしぎ』を

ちょうど読んでいたおかげで

セブン-イレブンに向かう途中の

街路樹(百合の木)上に

固着していたものが何なのか

分かりました。

 

葉状地衣類・裸子器(レカノラ型)

 

葉状地衣類で

縁が葉っぱのような

形をしてますから

梅ノ木苔の仲間だと

思いますけど

ところどころに

黒い皿のような部分があります。

 

昭和の特撮ヲタクとしては

バンデル星人の頭や手足を

連想しちゃいますな(笑)

 

これは地衣類の胞子を作る

子器[しき]と呼ばれる器官で

こういう盤状になるものを

裸子器[らしき]といいます。

 

黒い子器盤の周囲が

葉状部分の地衣体と

同じ色ですので

共生藻を含む

レカノラ型という

……ということは

『街なかの地衣類ハンドブック』に

拠りますけど。(^^ゞ

 

形態名をすぐに知りたい時は

冒頭にイラストで

簡単にまとめられている

『街なか』の方が便利ですね。

 

レカノラ型

という名称の由来は

書いてありませんけど。( ̄▽ ̄)

 

 

ところで

『街なか』の

姉妹編にあたる本があって

それがこちら。

 

柏谷博之・大村嘉人・文 光喜

『里山の地衣類ハンドブック』

 

『里山の地衣類ハンドブック』

(文一総合出版、2020.6.20)

 

こちらは古本で購入したので

どれくらい版を重ねているのかは

分かりません。

 

『里山』の方は

今後、まず見かけないだろう

お目にかからないだろうという固体が

たくさん載ってますけど

図鑑好きな人間であるのに加え

シリーズものと知れば

揃えずにはいられない性ですので

買ってしまいました。(^^ゞ

 

 

地衣類の固体を同定するには

目で見るだけでは難しく

地衣成分を調べて

細部をよく見る必要が

あるそうです。

 

地衣成分は

学校の理科室にあるような器具で

簡単に調べられるそうですけど

そんな器具が用意できず

実験室にも縁のない

アマチュアにとって

無理なのは明らか。

(少なくとも自分には無理w)

 

上で

百合の木に固着していた種を

葉状地衣類とだけ書いて

固有名を書かなかったのは

そのためでもあります。

 

 

今回の3冊は

大体の見当をつけるくらいの

役にしか立たないと思いますが

身近なところで観察できる

不思議に気づかされると

ちょっとした外出でも

楽しくなるものでして。

 

あとは

以前ご案内の

『漱石の白百合、三島の松』のように

地衣類と文学というような

テーマの読み物があると

完璧なんですけどね。

 

地衣類と美術

なんてテーマもいいなあ。

 

どこかから出てないかしらん。