合歓木を目にした場所から
つま先下がりの道を行って
鉄道沿いの道を歩いていると
線路横の柵の脇に咲いている
黄色い花が目にとまりました。
ハナノナで調べてみたら
「カラスノゴマ」と出ましたが
帰宅して『草花・雑草図鑑』を
ひもといてみると
花の雰囲気は似てますけど
葉っぱの形状がまったく違う。
そこで検索窓に
「カラスノゴマ 似た花」
というワードを入れて
いろいろと調べてみたんですけど
なかなか、これといったものが
ヒットしません。
結局のところ
「おさんぽ花ずかん」の
黄色い花の写真を眺めていて
「くさのおう」と
似ていることに気づき
さらに「松江の花図鑑」で確認し
確定できた次第です。
葉っぱの形や実の形、
蕾に毛があることが
ポイントになりました。
「松江の花図鑑」は
草花の構造が分かるような
写真が豊富なので
こういうとき頼りになります。
「松江の花図鑑」の個体は
雌蕊がクランクのように
曲がっているのが特徴で
今回見つけたものと
そこだけが違いますが
おそらく間違いありますまい。
茎や葉を切ると
黄色い汁が出るそうですから
折ったり切ったりしてみれば
一目瞭然なんですが
Wikipedia によれば
炎症を起こすことが多いそうなので
痛し痒しといったところ。
上に書いた通り
黄色い汁が出ることから
「草の黄[おう]」
という別名がついた
とも言われているそうです。
「瘡[くさ]の王」というのは
丹毒(皮膚感染症の一種)を
治す力があることから名付けられた
という説があるそうで
Wikipedia によれば
普通に「草の王」と書かれる場合
薬草の王様というニュアンスらしい。
『草花・雑草図鑑』には
尾崎紅葉が胃癌の痛み止めとして
使用していたという逸話が
紹介されていました。
Wikipedia によれば
毒性がかなり強いようですので
珍しい花だと思っておいて
敬して遠ざけておくのが
無難かもしれません。
そんな凄いのが
道端に普通に生えているのも
どうかと思いますけど
探偵小説・推理小説、
ミステリの観点からは
使いではありそうですね。
「瘡の王」というネーミング、
その漢字表記からして
禍々[まがまが]しさは
なかなかのものだと思います。



