昨日で冬季講習の

新宿校のタームが終了しました。

 

新宿校のタームでは

第2講、第3講の採点会議が

夕方から始まり

それからすぐに採点

という流れだったので

帰るのはいつも22時過ぎ。

 

第1講(日曜日)のみ

お昼からの会議だったので

採点を終えてから

新宿のディスクユニオンに立ち寄り

そこで見つけた

ちょっと変わったCDが

今回ご案内のディスクです。

 

パウロ6世記念館主催コンサート・ライブ盤

(伊 fonè: 90 F 03 CD、1990)

 

教皇パウロ6世(1897~1978)の

帰天(没後)10周年を迎え

パウロ6世記念館主催

記念コンサートにおける

ライブ録音で、未開封でした。

 

ジャケット裏を確認してみると

どうやら合唱が加わっているらしく

珍しいと思って購入した次第。

 

 

会場はブレシア旧大聖堂

ドゥオーモ・ヴェッキオ)で

1988年9月26日に開催。

 

器楽演奏は

アゴスティーノ・オリツィオ指揮

ブレシア・ベルガモ国際フェスティヴァル

室内管弦楽団。

 

ブレシア・ベルガモ

国際フェスティヴァル室内管弦楽団は

イタリアのロンバルディア州で

4~6月に開催される

ブレシア出身のピアニスト

ミケランジェリにちなんだ

国際ピアノ・フェスティヴァルにおいて

ソリストと共演する公式の楽団ですが

主として18世紀の室内楽を

専門としているそうです。

 

ソリストは

クリスティーナ・ラーキ(ソプラノ)と

ユリア・ハマリ(コントラルト)、

合唱はリーノ・チミネッリ指揮

ルカ・マレンツィオ室内女声合唱団。

 

 

合唱パートは

例によって第8曲と

第12曲の最後についている

アーメンのみでした。

 

つまり

マゼール盤と同じなわけで

バッハ編曲版も含めるなら

ファソリス盤とも同じ

ということになります。

 

 

聴く前は

ソリストも器楽の指揮者も

聞き覚えがなく

モダン楽器による演奏っぽいので

古楽ファンの自分にとって

マゼール盤に匹敵するくらい

聴きづらい演奏だろう

と思っていました。

 

ところが聴いてみると

古楽の演奏に近いテンポで

普通に愉しめました。

 

これは嬉しい期待はずれ。

 

1988年ともなれば

古楽演奏も浸透していますから

その成果を無視した

オペラティックな演奏は

さすがにできず

淘汰されていることを

強く感じさせる演奏です。

 

 

コントラルトのハマリは

カール・リヒターや

ヘルムート・リリングが指揮する

バッハのカンタータ録音に

参加していたようで

検索してみると

日本にもファンがいるようです。

 

リヒターやリリングの録音に

参加しているということで

親近感と信頼感が

ちょっと増しました。

 

ソプラノのラーキの方も

アーノンクールのモーツァルトや

シギスヴァルト・クイケン指揮の

ハイドンのオラトリオに参加している他

やはりリリングのカンタータ録音に

参加しているようです。

 

そうと知ってみれば

古楽寄りの演奏になるのも

当然であったかと

思われてきますから

現金なものですね。

 

 

ライブ録音なので

観客の出すノイズは

どうしても取りきれませんし

旧大聖堂というロケーションもあって

残響音に違和感も覚えますが

それらに目をつぶれば

なかなか良い録音なのではないか

と思います。

 

イヤホンで聴いた時は

ノイズや音の響きが

気になりましたけど

PCのスピーカーで聴いてみたら

さほど気になりませんでした。

 

 

ところで

帰宅してから

ジャケ裏を見ていると

曲名の記載が

以下のようになっていることに

気がつきました。

 

《Stabat Marter》per soprano, contralto,

 coro ad libitum, archi e organo

 

coro ad libitum(任意で合唱)

という言葉は

オリジナル出版譜にある記載なのか

その異版にある記載なのか

それとも現代の校訂譜にだけあるのか

すっっっごく気になりますけど

ライナーを舐めるように見てみても

どこにも書いてないようなのが残念。

 

 

なお、カップリングとして

ヴィヴァルディの

弦楽のためのシンフォニア ロ短調

〈聖なる墓にて〉RV169 が

収録されています。

(これもライブ演奏)

 

以前ご案内の

カークビーとテイラー

バッハ編曲版を歌う盤に

収録されていた

同じ副題を持ち

同じく2楽章構成の

弦楽のための協奏曲 変ホ長調

RV130 とは別曲になります。

念のため。