最近ようやく

ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ

(1710~1736。享年26歳)の

《スターバト・マーテル》(1736)が

耳に馴染んできました。

 

自分がよく参照する皆川達夫の

『ルネサンス・バロック名曲名盤100』には

《スターバト・マーテル》の推薦盤が

モダン楽器による演奏しか

あげられていません。

 

どうせ聴くなら古楽演奏で

と思っていたところ

ヴィヴァルディの

《グローリア》RV589 と

カップングになっている

アーノンクール盤を見つけて

これなら信頼できるかと思い

聴いたことがあるんですけど

今ひとつ乗れませんでした。

(なぜでしょうね、謎です)

 

それ以来、食わず嫌いになって

古楽演奏のお気に入り盤に

なかなか出会えなかったんですが

最近、何かのきっかけで聴き始め

何枚か聴いて、ようやく

抵抗感がなくなってきたのでした。

 

 

昨日も昨日とて

スーパーヒーロータイムを観た後

どうも身体が気だるく感じられたので

少し横になった時に

YouTube でクラシックでもと思い

見つけたのがこちら。

 

 

演奏は歌唱が

ソプラノ Dominique Labelle

メゾ・ソプラノ Meg Bragle で

これは基本的にモダンも同じです。

(合唱版もあるので「基本的に」)

 

器楽伴奏は

サンフランシスコを拠点とする

古楽アンサンブルの

ヴォイセズ・オブ・ミュージック

Voices of Music です。

 

今回の編成は

ヴァイオリン4

(Elizabeth Blumenstock

 Maxine Nemerovski

 Katherine Kyme

 Sara Usher)

ヴィオラ1(Lisa Grodin)

通奏低音楽器が各1で

(チェロ William Skeen

 ヴィオローネ Farley Pearce

 アーチリュート David Tayler

 オルガン Hanneke van Proosdij)

総勢9人と、実に少ない。

 

Voices of Music は

リュートを弾いているテイラーと

オルガンを弾いているプロースダイが

率いているグループのようですけど

指揮しているという感じがしないあたり

いかにも小編成のバロック演奏らしい

という感じがします。

 

 

小編成ではありますが

迫力ある音を出していて

びっくり。

 

会場の音響が

いいのかもしれませんし

録音がいいのかもしれません。

 

演奏は

メリハリが効いて

テンポが良い。

 

ソプラノの歌唱が

ちょっとオペラチックで

表現過多な気もしますけど

全体的にサクサク

カラッとしていて

こういう演奏は好きです。

 

メゾ・ソプラノが歌唱中

ソプラノが

ペットボトルの水を

飲んでいるのが、なんだか

ポップスのコンサートみたいで

面白かったり。( ̄▽ ̄)

 

宗教曲に悲愴感や

叙情性を求める人には

向かなかもと思いつつ

やっぱりお薦めなのでした。

 

 

ちなみに

「スターバト・マーテル」は

あえて日本語で書くと

「悲しみの聖母」

となります。

 

原題は

イエスが架けられた

十字架のもとに立ち

悲しみに沈むマリアを歌った詩の

第1行目 Stabat mater dolorosa

ふまえたものです。

 

冒頭句中の dolorosa が

「悲しみ」という意味なので

正確には「聖母は立ちぬ」

あるいは「聖母は佇みぬ」

という訳になるはずですけど

Wikipedia にもある通り

「悲しみの聖母」

と訳すのが通例になっています。