(東宝 TDV22016D、2012.1.27)
発売元はフジテレビ・東宝、
販売元が東宝です。
規格番号は
販売元に由来する者と思われ
最後にあるDはデラックスの略でしょう。
というのも本盤は
キャラクターデザインを担当したひとり
Pako による書下しイラストの外箱と
オーディオドラマが入ったCD付きの
初回限定盤だからです。
第1巻には
第1話「舞踏会の殺人」と
第2話「無情のうた」を収録。
奇しくも
『明治開化 新十郎探偵帖』
第一回および第二回と
同じ原作の並びなのでした。
今回、『新十郎探偵帖』の
「死神人力車」を観て
同じ原作の『UN-GO』版も
観直したくなり
引っぱり出してきた次第です。
久しぶりに観直しましたが
変わらぬ傑作ぶりに
感動してしまいました。
「無情のうた」を観た当時の感想に
なぜ「ブルー・ライト・ヨコハマ」なんだろう
と書いていますけど
かつて日本の音楽が禁止されていた
軍事政権下の某国で
よく知られていた楽曲だという
(アニメの中でも言及されている)ことが
事実であると後に教えられて
なるほどと膝を打ったものです。
いろいろと事情があって
自ら歌うことを禁じられたヒロインが
唯一、口ずさんでいられた曲であり
後に新十郎の画策で
瞬く間に拡散されるという展開に
何がしかの含意がこめられている
と思わせるわけです。
そして『安吾捕物帖』の
巷談的性格が受け継がれている
ということでもあり
ますます感心させられた次第。
ちなみに劇中でヒロインが歌う
「ブルー・ライト・ヨコハマ」の
アカペラ・フルコーラス ver. が
特典CDに収録されています。
歌うのは
『スター☆トゥインクル プリキュア』
キュアソレイユ役の
安野希世乃。
『UN-GO』には
こうした仕掛けが
たくさん施されていて
社会批評的な視点も
充実しているアニメでした。
それに比べると
「死神人力車」の社会批判力は
ヌルいと思ってしまうのですが
今後の展開に期待したい
と思います。
ちなみに
第1話「舞踏会の殺人」も
観直してみましたけど
伏線の張り方がすごい。
でもそれだけではなくて
意外な動機という点でも
工夫されています。
また、新十郎は第1話から
安吾「堕落論」の一節を弾いており
こういうところはむしろ
『新十郎探偵帖』に
影響を及ぼしているのでは
とか思ったりしますけど
どうでしょう。
アニメ『UN-GO』は
このあと R.A.I. という
人工知性のキャラクターが出てきて
これがまた実に萌えるキャラでした。
海勝梨江とともに
二大萌えキャラとして作品を彩り
毎回、観るのが楽しみだったものです。
少年体の因果の
次回予告のナレーションも面白いし
(演じるのは豊崎愛生)
公式サイト限定のショートアニメ
「因果日記」も面白かった。
「因果日記」はもちろん
特典映像として
DVDに収められています。
それにしても今回
『UN-GO』を観直してみて
DVDリリース当時
頑張って買い続けて良かったと
しみじみと思ったことでした。
今はdアニメストアや
フジテレビオンデマンドなどで
観られるようですけど
やっぱり円盤で手許に置きたい。
自分がそう思う
数少ないアニメのひとつです。
