『ママとあそぼう! ピンポンパン ソング・コレクション 石毛恭子イヤーズ』

(日本コロムビア COCX-40951、2019.9.18)

 

おとといディスクユニオンに寄った後

タワーレコード新宿店に回って

買ってきたものです。

 

石毛恭子イヤーズの他に

酒井ゆきえイヤーズ(1975〜1978)と

大野かおり/井上佳子イヤーズ(1979〜1981)も

同時発売されていますが

以前にも書いた通り

ピンポンパンのおねえさんといえば

自分にとっては石毛恭子なので

何をおいてもこれは買ねば

という想い、ほだしがたく

増税前の駆けこみ購入となったわけでした。

 

 

本盤には

番組内で歌われた曲で

シングル・レコード化されたものを中心に

29曲収録されています。

 

これまでにも

子どもの歌のベスト盤で

CD化されたものはありますし

かつてCD化されているのに

今回はセレクトされなかったものもありますが

石毛恭子イヤーズの曲を

ここまで1枚にまとめて聴けるのは

実にありがたい。

 

 

前にも書いた通り

自分が子ども時代の

田舎での放送時間帯からして

夏休みなどの長期休暇のときに

視聴していただけに過ぎないので

全曲、覚えているわけではありませんが

それでも「これ聴き覚えがある!」

という曲が、ちらほら。

 

主題歌にあたる「ピンポンパンのうた」と

全部で3バージョンある「ピンポンパン体操」の他に

今でも歌える「ジャストンピン」などは

よく覚えているうちの1曲ですが

「パジャママンのうた」なんて

今回、聴いて懐かしく思い出しました。

 

 

その「パジャママンのうた」と

後半の「シャンプーマン」や

「走れ! パンツマン」などを聴き比べれば

ヒーローもの特撮ソングの

アレンジの変遷が

反映されている感じがされて

たいへん興味深かったり。

 

「パジャママンのうた」では

ティンパニの使われ方が

宮内国郎「ウルトラマンの歌」みたいですし

ガメクリマンというキャラ名が出てくる

「ピンクの貯金箱」のAメロや

「シャンプーマン」になると

メロディーラインやテンポなど

宮内国郎の交響曲っぽい感じから

70年代ヒーロー・ソングっぽいサウンドに

なっているように思うのですね。

 

「シャンプーマン」なんて

『ライオン丸』か『ミラーマン』か

というようなメロディーラインを

聴き取れるような気がします。

 

調べてみたところ

『快傑ライオン丸』の主題歌は

作曲が小林亜星だし

『風雲ライオン丸』の主題歌になると

作詞が中村しのぶ、作曲が筒井広志という

いずれもピンポンパンにも関わった人々によって

作られていたのでした。

 

もっとも

「シャンプーマン」と「ピンクの貯金箱」の

作・編曲は服部克久なんでけど

やっぱり同時代性というやつでしょうか。

 

 

「さすらいのチビッ子」も

それこそ『風雲ライオン丸』テイストというか

(リズムビート部分が特にそう)

あるいはウエスタン・テイストの

70年代アイドル歌謡路線なんですが

こちらの作・編曲は森田公一です。

 

やはり森田公一作曲の

「走れ! パンツマン」では

リズムビート部分で

エレキギターが鳴り響いていますし

初期のテイストと

森田公一が手がけた最後の3曲は

(あと1曲は「チャチャチャのカッポレ」)

明らかにノリが違う感じなのが興味深い。

 

 

石毛恭子イヤーズで

特に聴き直したかったのは

何といっても「レイン・ドロップス」。

 

映画『明日に向って撃て!』(1969)の主題歌

(それとも挿入歌かな?)

「雨にぬれても」のカバーであり

この世代の子どもたちの

バート・バカラック初体験としても

言及されることが多く

ご存知の方もいらっしゃると思います。

 

これは本当に

メロディーから歌詞から

たいへんよく覚えている1曲。

 

 

ところが覚えていたのとは

歌詞や譜割りが違っていてびっくり。

 

「ピン ポンポパンポピン」を

「ピン ピンポパンポ ピン」

と覚えていたのは、まあともかく

「針千本 のみます/約束します」の部分、

「針千本のみっます、やくっそくっしまーす」

と覚えていたのに

「針千本飲みーます、やくーそくします」

と歌われていました。

 

「やくーそくします」は

譜割りとして不自然だと思うけどなあ。

 

 

ところで「レイン・ドロップス」以外にも

洋楽カバーが3曲歌われていて

これにはびっくり。

 

そのうちの1曲

「キャンディ・マン」は

流れた途端に

「ああ、こういうのもあった」と

思い出しましたが

今回、聴くまで

すっかり忘れてました。

 

原曲は1972年に

サミー・デイヴィス・ジュニアが歌って

ヒットしたものだそうです。

 

 

残りの2曲は

映画『心を繋ぐ6ペンス』(1967)の挿入歌

「日曜日に雨はいらない」と

同じく映画『チキ・チキ・バン・バン』(1968)から

「すてきなトゥルーリー」です。

 

原題は If The Rain's Got to Fall といい

『心を繋ぐ6ペンス』のサントラ盤では

「どうせ降るなら他の日に」

という邦題になっていますが

それを「日曜日に雨はいらない」と

変えているんですけど

これはこれで、なかなか良いセンスかと。

 

「すてきなトゥルーリー」の方は

サントラ盤だと

「オルゴールの人形 -すてきなトゥルーリー-」

と副題の方のタイトルになってますけど

原題は Truly Scrumptious なので

これはむしろピンポンパン版が

原題通りといえそうです。

 

「すてきなトゥルーリー」の方は

小原乃梨子との台詞のやりとりもあり

放送ではマペットとの会話だったんでしょうけど

どんな感じだったんでしょうね。

 

この2曲は

再発になる「レイン・ドロップス」と

「キャンディ・マン」とのカップリングで

4曲入りのコンパクト盤に

収められたようです。

 

そういえば

本盤のライナーには

収録レコードのジャケットが

モノクロで掲載されているんですけど

『レイン・ドロップス』の初発盤だと

ジャケット写真が石毛恭子でない

というのも不思議な感じ。

 

 

ところでライナーには

60年代歌謡曲の復刻版CDなどで

よく名前を見かける

鈴木啓之の解説と

作曲家の服部克久への

インタビューが掲載されています。

 

このライナーの内容は

酒井ゆきえイヤーズと

大野かおり/井上佳子イヤーズにも

流用されているようで

ちょっと残念。

 

そうでなければすぐさま3枚とも

買ったところなんですが。

 

 

ただ、こうやって自分なりに

考察めいたことを書いてみると

他の時代はどうだったのか

どう変化していったのかが

気になってきました。

 

なにより

他の時代にも

洋楽カバーはあるのかないのかが

いちばん気になるところです。

 

石毛恭子が歌っていたものを

酒井ゆきえ以降のおねえさんも

歌っていたようではありますが

上掲の4曲以外にもあったのかどうか

というのが気になるのでした。

 

上にもご案内の通り

一般に通用しているものとは

違うタイトルを当てている場合もあり

こればっかりは買って確認するしかない。

 

うーん、増税まであと少しですが

これは駆けこみ購入対象でしょうか。

 

 

ちなみに

4代目おねえさんの大野かおりが

マージョリー・ノエルの「そよ風にのって」

カバーしていることは

以前、調べて分かっているんですけど

残念ながら今回のCDには未収録。

 

かつては

YouTube にアップされているものを

聴くことができましたが

今ではアカウントが停止されているだけに

なおさら残念なのでした。

 
 
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