アンドレアス・シュタイアーのCD
『ファンダンゴ』の最後に
シュタイアーとショルンスハイムとによって
チェンバロ用に編曲された
ルイジ・ボッケリーニの五重奏曲に基づく
ファンダンゴが収められていることは
先にご案内の通りです。
その五重奏曲は
もともと弦楽五重奏用に書かれたもので
のちにギターと弦楽のための五重奏曲として
アレンジされたのでした。
ところで手許には
シュタイアーのCDを聴く前に
ファンダンゴへの興味から購入した
イタリアのヴァイオリニスト
ファビオ・ビオンディ率いる古楽アンサンブル
エウローパ・ガランテの
『ボッケリーニ:ギター五重奏曲集 他』
というCDがあります。
(ワーナーミュージック・ジャパン
WPCS-13031、2015.1.28)
タイトルに「他」と付いてるのは
7曲あるギター五重奏曲の内
ニ長調 G.448「ファンダンゴ」と
ハ長調 G.453「マドリード帰営のラッパ」の
2曲を収録している他に
弦楽四重奏曲 ト短調 作品26の6を
収めているからです。
録音は2002年で
原盤はエラートから
2003年にリリースされましたが
日本でリリースされるのは
本盤が最初だったようです。
もっとも自分の場合
最近、池袋のディスクユニオンで
見つけたんですけど。(^^ゞ
シュタイアーとショルンスハイムの演奏では
カスタネットが印象的でしたけど
本盤でもカスタネット奏者が
演奏に加わっており
ギタリストはジャンジャコモ・ピナルディ、
カスタネット奏者は Mauro Occhoniero です。
(マウロ・オッコニエーロと読むのかな?)
ただ、ライナーには
Giangiacomo Pinardi guitar
with Mauro Occhoniero castanets (11)
と表記されていて
カスタネット奏者はトラック11の
ギター五重奏曲 ハ長調 G.453 の第4楽章
「マドリードの帰営ラッパ」にのみ
参加しているような印象を受けます。
だから最初、ファンダンゴでは
カスタネットが鳴らないのかと思っていたら
ちゃんと鳴ってました。( ̄▽ ̄)
それだけでなく
最初はタンバリンも鳴ってます。
(というか、タンバリンに付いている
小さいシンバルの音ですから
いわゆるヘッドレスタンバリンかも)
そのタンバリンは誰が演奏しているのか
ライナーからは分からないのですが
普通に考えてパーカッショニストでしょう。
ライナーに演奏者の名前がないため
もしかしたら
シュタイアーが解説でいっていたように
チェロ奏者が持ち替えて鳴らしているので
ファンダンゴのトラック表示が
ないのかもしれない
とか
自分の耳では
カスタネットが鳴るとき
チェロが鳴ってるかどうか判断がつきかねるし
仮にチェロが鳴っていないとしても
チェリストが休止しているだけにすぎず
楽器を持ち替えたと一概にはいえない
とか考えたりしていたんですけど……
最後のトラック11で
「マドリードの帰営ラッパ」を聴いて
カスタネットが鳴らず、びっくり!
というオチがつきます。
単なる誤植か〜い! ヾ(。`Д´。)ノ彡☆
ちなみに
この記事を書くにあたり
自宅の棚をあさっていたところ
むかし買っておいた
『ボッケリーニ:ギター五重奏曲全集』
Boccherini: Guitar Quintets (complete)
(蘭 Brilliant Classics: 92892、2005?)
というのが出てきまして
これにはびっくり。
すっかり忘れてました。(^^ゞ
演奏はラ・マニフィカ・コムニタ
という古楽アンサンブルで
ゲスト・ギタリストは
エロス・ロセッリという人です。
久しぶりに聴いてみたら
こちらのファンダンゴでは
かすかにタンバリンの音らしきものが
聞こえるような聞こえないような……
少なくともカスタネットの音は
聞こえませんでした。
その代わりなのかどうか
ギターの胴(だと思います)を
叩く音がします。
これは異色なのかどうか
ギターの演奏慣習上からして
オーセンティックなのかもしれないし
ちょっと分かりかねます。
(ライナーには書いてないっぽいw)
初稿譜にはカスタネット演奏の指示がある
というシュタイアーの弁を信じるなら
別の楽譜に拠ったか
初稿譜の指示を無視したかの
いずれかなので
オーセンティックな演奏でない
ということにもなりかねず。
ただ、演奏自体に説得力があるので
ギターの胴を叩くというのも
これはこれで、ありのような気が
してはいますけれど。