ジョン・ゾーン『スピレーン』

(ワーナーミュージック・ジャパン WQCP-1083、2011.6.8)

 

原盤は1987年にリリースされました。

 

Ayuo(高橋鮎生)と太田裕美の

コラボレーション・アルバム

『Red Moon』をリリースしたレーベル

TZADIK RECORDS 代表

ジョン・ゾーンのアルバムです。

 

太田裕美の

アイドル歌手以外の活動を

いろいろと検索して調べているうちに

ジョン・ゾーンの本盤に

太田裕美が参加している

と書いているブログを見つけて

さっそく購入した1枚です。

 

確か、ネットを検索して

新宿のタワーレコードに在庫があると知り

買いに走ったのではなかったかしらん。

 

 

太田裕美が参加しているというだけで

ほとんど不見転で買ったようなものですが

唯一、タイトルのスピレーンだけは

自分が海外ミステリ・ファンだけに

元ネタを知っておりました。

 

それだけに

海外ミステリ絡みだから

買っとくべきだろう

なんて理屈をつけたものでした。

 

 

その表題曲「スピレーン」は

まあ、映画の場面場面を

パッチワークしたような1曲で

BGMのような曲です。

 

マイク・ハマーと思しき男の

台詞も挿入されており

ラジオ・ドラマの名場面集

という趣きもあり。

 

25分ほどの尺を通しで聴けば

ハードボイルドな雰囲気を楽しめる

というわけですね。

 

併録の Two-Lane Highway も

似たような感じですが

こちらはまだ

曲としてまとまりがあるかも。

 

 

3曲目の Forbidden Fruit

邦題「狂った果実」が

太田裕美の参加作品。

 

石原裕次郎の映画

『狂った果実』のスチールに

インスパイアを受けて

作ったそうです。

 

演奏は

現代音楽の方面では超有名な

クロノス・クァルテット。

 

それに

ターンテーブルによる即興演奏の

先駆的なパフォーマーだとかいう

クリスチャン・マークレーの演奏が重なり

太田裕美の朗読が加わります。

 

全体的な印象としては

70年代のフリー・ジャズっぽい感じ

(あくまでもイメージ)ですけど

かなり不協和音な1曲になっていますので

聴くにはそれなりの心構えが必要です。

 

 

ライナーによれば

ジョン・ゾーン的に太田裕美の声は

「この世で最愛の声」だそうですが

それをここまで不協和音な音楽の中で

使うなんて。

 

愛の形もさまざまです。

 

 

ちなみに

ライナーノートに1ヵ所

間違いがありましたので

指摘しておきます。

 

おそらく読んだ誰もが

気づいたのではないかと思いますけど。

 

6ページで

『ブレードランナー』の原作者が

ウィリアム・バロウズになっていますけど

正しくは、もちろん

フィリップ・K・ディックです。

 
 
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