(TZADIK RECORDS: TZ-7246、2004)
高橋鮎生と太田裕美との
コラボレーション・アルバムです。
TZADIK は
サックス奏者のジョン・ゾーンが
1995年に設立したレーベルですけど
上の写真でも分かる通り
海外のCDにしては珍しく
タスキ(オビ)が付いています。
結婚、出産後の太田裕美は
いわゆるアイドル活動や歌謡曲から
外れた仕事もしていたりします。
先に紹介した
沢井一恵の『目と目』(1987)における
沢井とのセッションからして
その傾向はあったわけですけど
その際、知り合ったと思しい
高橋鮎生との仕事のひとつが
今回の盤です。
「A Printing of You and I
(E No Naka No Sugata)」は
『浮生六記』に基づいていますので
『目と目』に収録されていた3曲
「八つのころに」「結婚の夜に」
「四十のときに」との
姉妹曲ということになりますかね。
タイトルは上記のように
すべて英語表記ないし
日本語のローマ字表記で
ライナーに載っている歌詞も
すべて英語表記ですが
太田裕美がヴォーカルをとる曲は
日本語で歌われてます。
その中には
「竹田の子守唄」や
「庭の千草」もあるので
ワールドとかトラッドの棚に
置かれるような1枚。
……かな、と
思っていたんですけど
Wikipedia の
高橋鮎生の項目には
サイケデリック・ロックや
プログレッシブ・ロックの影響を受けた
と書かれていますので
ジャンル的にはロックなんでしょうか。
そういわれてみれば
ギターの音なんか
ロックっぽく聴こえますけど。
iTunes でトラック名を取得すると
ジャンルは Jazz と表示されるのは
ジョン・ゾーンのレーベルから
出ているからでしょう。
Wikipedia の
ジョン・ゾーンの項目には
「ジャンルを特定するのは困難」
と書いてあるんですけれども(苦笑)
太田裕美はヴォーカルだけではなく
曲によっては
朗読で加わっています。
もちろん日本語での朗読。
この盤は
太田裕美のフィーチャー度が非常に高く
上掲のジャケ裏のデザインからも
そのことがうかがえるかと思います。
楽曲は、やや前衛的(?)
ではありますけど
『目と目』に比べれば
太田裕美ファンだという人に
おススメしやすい感じ。
というか
太田裕美ファンなら
当然、持っているかも
しれませんけど。
この記事を書くために
久しぶりに聴き直しましたが
太田裕美のヴォーカルを堪能できるので
素直におススメできる1枚ですね。