『ゲインズブール・トリビュート '95』

(日本コロムビア COCA-12435、1995.4.1)

 

前回アップした番組

『ときめき夢サウンド』の

フレンチ・ポップス特集で

司会のデイブ・スペクターが

セルジュ・ゲンズブールが「亡くなって

5年も経ちますけども」

と話してました。

 

亡くなって5年だから

放送は1996年ごろだろう

という見当をつけて

検索して調べてみたところ

放送日が1996年12月8日だと

分かったわけですが

それはともかく。

 

「若い音楽ファンの間に

ちょっとしたブームになっている」のが

セルジュ・ゲンズブールで

「改めて彼の個性が注目されています」

とデイブが言い

それを受けて

「ファンが多いですよね」と

いしだあゆみが言うという

やりとりも見られます。

 

そういう言葉を裏書きするようなCDが

今回紹介する1枚なわけです。

 

 

タスキ(オビ)の裏面側には

ゲンズブールの作品をリスペクトする

日本のアーティスト10人が

「自らの意図に基づいて選んだ女性を

 歌手として

 プロデュース・ワークを行なった」

トリビュートCDだと書かれています。

 

タスキに

「ゲンズブールに捧げる俺の女達」

という副題が付いているのは

そういう意図を

踏まえたものでしょう。

 

そうした、いわば

ちょいワルおやじっぽいイメージも

ゲンズブールが醸し出すもの

なんでしょうけど

20年以上経った今では

ちょっと引いてしまうかも(苦笑)

 

 

このCDを Amazon で買ったとき

収録曲のほとんどは知らない曲でしたが

それでも購入したのは

サエキけんぞうプロデュースで

細川ふみえが

「夢見るシャンソン人形」を

歌っているからでした。

 

グラビア・アイドルだと思っていた

細川ふみえですけど

何枚かCD(レコード?)も

出しているようですね。

 

そちらは聴いたことがないのですが

サエキけんぞうプロデュースだけあって

いわゆるロリータ・ボイスが

独特の雰囲気を醸し出しています。

 

歌詞が岩谷時子によるものではなく

サエキけんぞうが書き下ろしており

ゲンズブールの原詞に

近い内容になっているのも

聴きどころのひとつ。

 

 

編曲は窪田晴男で

イントロでは

ドラムをバックに

インド音楽で使われる

ドローンのような音がして

途中から

ゲーム音楽に出てくるような

電子音がリズムをとっていきます。

 

ジューシィ・フルーツの

「夢見るシェルター人形」(1982)以降

ロック・テイストのアレンジによるカバーも

多く見られるようになってきますけど

その中でも成功している部類の

1曲かもしれません。

 

 

それにしても

途中で入る女声コーラスの歌詞は

「ギャランドゥ」

なんでしょうかね。

 

そう聴こえるんですけど。f^_^;

 

 

ちなみに本盤には

サエキけんぞう以外にも

辻仁成、小西康陽、あがた森魚

ムッシュかまやつ(かまやつひろし)らが

プロデューサーとして参加。

 

歌い手の方は

細川ふみえ以外に

カヒミ・カリイ、南果歩、夏木マリ、

EPO、NAHO(森山奈歩)らが

参加しています。

 

 

ムッシュかまやつが

プロデュースしている

NAHO(森山奈歩)は

森山良子の娘で

伯父さんが実の従姪を

プロデュースするというのも

異色といえば異色。

 

ちなみに歌わせているのは

ブリジット・バルドーが創唱した

「ハーレイ・ダヴィッドソン」。

 

訳詞は NAHO 自身です。

 

 

通して聴いてみて

個人的に、いいなあと思ったのは

「夢見るシャンソン人形」は別として

南果歩が歌う「プレヴェールに捧ぐ」と

当時はまだ新人女優だった石堂夏央が歌う

「ノワイエ(溺れるあなた)」

だったりします。

 

「プレヴェールに捧ぐ」の歌詞を

南果歩自身が訳しているのも

ポイント高し、という感じで。(^_^)

 

 

ペタしてね

 

 

●修正(翌日1:30頃の)

 

CDのタイトル表記を

「ゲインズブール」と

間違えていましたので

修正しました。