フランス・ギャルは
1963年にフィリップスから
『恋のお返し』Ne sois pas si bête で
デビューしました。
1967年まで
フィリップスから
レコードを出した後は
いくつかのレーベルを転々とします。
それと同時に
人気も低迷するのですが
(といわれているのですけど)
1974年になって
アトランティックから
イエ・イエ時代の同志であり
のちに夫となる
ミッシェル・ベルジェの
プロデュースとサポートを得た楽曲を
リリースして以降、復活し
(といわれているのですけど)
後期の活動を開始します。
日本では
「夢みるシャンソン人形」を始めとする
フィリップス時代の歌が
一般的にも
よく知られていますけど
それ以降は洋楽通
中でもフレンチ・ポップス通にしか
知られない存在となったようです。
そんな脱アイドル時代の
劈頭を飾るのが
今回、紹介する
『愛の告白』です。
(仏 Atlantic: 10 478、1974)
アトランティック・レコードは
ワーナー・ミュージック・グループの
子会社にあたります。
すなわち本盤から
フランス・ギャルの
ワーナー時代が
始まるわけです。
などと
偉そうに書いてきましたけど
こちらは、つい先日
『ベイビー・ポップ』のEP盤を
見つけたのと同じ
町田のディスクユニオンで
見つけたばかりです。
最初、新春特価セールの
HIP-HOP の箱に入っていたので
気づかなかったんですけど
レジに並んでいる時
他のお客さんが
手に取っているのが目に入り
驚いて見守っていたら
お客さんが元に戻したのを見て
すかさずゲットしたのでした。
なんで HIP-HOP の箱に
入れておくかなあと思いつつ
手にとった方が
フランス・ギャルに関心のない方で
ラッキーでした。
とかいいながら、自分
後期のフランス・ギャルには
実をいえば
あまり関心はありません
というか、ありませんでした。
関心を持ち始めたのが
アイドルとしての
フランス・ギャルに対して
だったからなのですけど
中古で見つけてスルーしたら
後で後悔するのは目に見えてます。
ここで見つけたのが百年目、
後期の楽曲スタイルについて
何の知識もありませんでしたので
若干、不安に思いつつも
新春セール中でもありましたし
購入した次第です。
収録曲は以下の通り。
【Face 1】
La Déclaration d'amour 愛の告白
【Face 2】
Si l'on pouvait vraiment parler
ジャケはコンパクト盤同様
スリーブ・タイプのものですが
下の写真でも分かる通り
曲名が違っているだけで
両面とも同じスチールです。
例によって歌詞カードの類いは
封入されていません。
作詞・作曲は
ミッシェル・ベルジェですが
ジャケのどこにも書かれておらず
レコードのレーベル面の曲名の下に
Michelberger と小さくあるだけです。
これじゃ分からないだろうと
思うんですけど
向こうの人は気にしないのか知らん。
作詞作曲者や歌詞自体は
今でこそネットで検索すれば
すぐ分かるんですけれども。
本盤を聴いてみての
個人的な印象としては
オリヴィア・ニュートン・ジョンが歌う
メロウ・テイストの楽曲に
近いかなあという感じ。
アイドル・ソングというより
昔ラジオでよく耳にした
いわゆる洋楽、それも
バラード・テイストのそれを
彷彿させるものがあります。
このシングル
日本盤は未発売です。
A面の楽曲は
1976年にリリースされた
アルバム『フランス・ギャル』に
収録されており
こちらは邦盤も出ています。
だから上記したように
邦題がありますし
歌詞も訳されていますけど
B面の楽曲は収録されておらず
したがって邦題がなく
歌詞の訳もないようです。
B面曲のタイトルを
翻訳サイトなどで直訳すると
「私たちが本当に話すことができた場合」
などと出てきますが
もう少し口語的にすれば
「(お互い)素直に話せていたら」あるいは
「(お互い)ちゃんと話せていたら」
といったところでしょうか。
英訳すると
If we could really talk
となるようで
こちらの方が分かりやすいかも。
『Avec France Gall ギャル祭り』
というファンのブログでは
「もしお話できるなら」
とも訳されています。
このB面曲は
ミッシェル・ベルジェの弾く
ピアノの旋律が
とても綺麗。
百聞は一見(一聴)にしかず、
ベルジェのピアノ伴奏で歌う映像も
残されていますので
下に貼っておきましょう。
ショート・バージョンですが
雰囲気は伝わるのではないかと。
A面曲のテレビ映像もありました。
こちらはピアノが控えめ。
エレギとパーカス
女性コーラスが加わることで
ロック・テイストが
少し加わっている感じですかね。
ラストに語りが入るのも印象的。
引き続いてアップされる
モノクロの動画の方が
ギターやコーラスの音がより鮮明だし
ラストの語りもクリアなので
曲の特徴をよく知りたい方には
おすすめです。
本盤のB面曲は
ワーナー時代の録音を集成した
Évidemment(2004)という
最少で2枚組から
最大で14枚組まで
いずれかの組みで購入が可能な
セット・アルバムで
初めてCD化されたようです。
どうしてもCDで聴きたい
という方は
上記セットのどれかを購入する
という手がありましょう。
また、今では
上に貼り付けたとおり
YouTube などで
簡単に聴くことができます。
いずれにせよ
レコード盤で聴く必要は
あまりないといえばいえますが
でもまあ
見つけちゃったんだから
しょうがないじゃないですか。(^^ゞ