前回、シルヴィ・バルタンの
『アイドルを探せ』を紹介したので
ちょうどいい機会ですから
同じく映画のサントラ盤として
リリースされた1枚を
取り上げておくことにします。
(ビクターレコード SS-1544、1965.6)
『アイドルを探せ』
映画ジャケ盤と一緒に
富士レコード社の
サントラ盤のコーナーで
見つけたものです。
映画『ジョニーはどこに』は
フランスでは『アイドルを探せ』の1年前
1963年の10月に公開されましたが
日本での公開は1965年。
『アイドルを探せ』人気に
あやかっての公開なのは
明らかですね。
アメリカやカナダでは
(フランスでも?)
DVD化されていますが
日本ではソフト化自体
されていないようで
残念ながら
映像を観ることは叶いません。
それはともかくレコードですが
ジャケットは珍しい3ツ折り仕様で
表側の2面を使って
ピンナップに仕立てています。
こういうピンナップ仕様は
国内盤のレコードにも
よくあったみたいですね。
ジャケ表側・折込みの1面は
楽曲解説と歌詞カードですが
歌詞の日本語訳は載っておりませんし
c/w の「本当の友達」については
フランス語の歌詞すら
載っておりません。
ジャケ裏側(内側)では
3面分をまるまる使った
映画の紹介と解説が載っていて
ほとんど映画のパンフか
プレスシートかと見紛うばかり。
上にも書いた通り
『ジョニーはどこに』という映画は
日本でソフト化されていないため
映画に関する情報が少なく
それだけに
かなり貴重です。
それだけでなく
シルヴィ・バルタンと
ジョニー・アリディとの
なれそめや交際の経緯についても
「ハリディとバルタン/恋の物語」
と題したコラムで
紹介されています。
情報は古くなっているでしょうけど
むしろこちらの方が貴重というか
興味深いかも。
ジョニー・アリディは
日本では、歌手として
ブレイクしていないため
当時の認識の範囲内とはいえ
(むしろ範囲内だからこそ)
プロフィールも貴重。
プロフィール自体は
今では Wikipedia で
簡単に読めますけど
「パリの恋人」と呼ばれていたとか
そういう同時代の雰囲気などが
今回の盤からはうかがえて
そこらへんが興味を引くところなのです。
アリディをハリディと表記しているのも
単にフランス語の慣習を
知らないだけではなかったことが
今回のプロフィールを読むと分かります。
前回、揶揄っぽく書いたのを
ちょっと反省してみたり。(^^ゞ
c/w の「本当の友達」が
なぜカップリングに選ばれたのか、
映画の中で歌われているから
なのかどうかは
ちょっと分かりません。
原題は
L'ami des mauvais jours
というこの曲、
フランスで出たアルバムに
収録されていないみたいですけど
L'homme en noir(1964)という
コンパクト盤に入っているようです。
コンパクト盤の情報は
以下のページで知りました。
http://music-boy.com/newpage161.htm
このページはすごい。
シルヴィ・バルタンの
レコード・ジャケットが
邦盤だけでなく
フランス盤、
さらにはスペイン盤まで含めて
ずらっとアップされています。
見ていくと
『アイドルを探せ』の
カップリングの異なる異装版が
もう1枚あることが分かりまして
ジャケのデザインともども
愕然としてしまいました。
それはともかく
「ジョニーはどこに」は
比較的、簡単に入手可能な
CDのベスト盤にも
入ったりしてますが
「本当の友達」は(自分の知るかぎり)
収録されていないことが多い。
その意味では
貴重な1枚といえるでしょうか。
もっとも
コンパクト盤にも入っていることですし
以前、ちょっとふれた
日本でのライブ盤まで復刻した
40枚にもなんなんとする
紙ジャケ仕様のCDのどれかには
収録されているかも知れませんけど。
それにしても
そろそろどこかが企画して
『アイドルを探せ』と
『ジョニーはどこに』を収録した
DVDか Blu-ray の2枚組BOXなどを
出してくれないものでしょうかねえ。
シルヴィ・バルタン主演の
Patate(1964)と
『甘い媚薬』L'ange noir(1994)を
合わせて収録した
バルタン映画ボックス4枚組
なんてのも
いいと思うんだけどなあ。