(上下共、講談社テレビコミックス、2016.6.29)
『ウルトラセブン』(1967〜68)放映当時に
『講談社テレビコミックス ウルトラセブン』
(1967〜68、全6集)という雑誌が
刊行されていました。
先にこちらで紹介済みの
『現代コミクス ウルトラマン』の流れにある
セブンのコミカライズや
絵物語などで構成された
専門誌です。
下巻・巻末の解説によれば
毎号3話構成で
その内の1話は
やはり講談社から出ていた月刊誌
『ぼくら』に連載されていた
一峰大二版ウルトラセブンの
再録だったそうです。
一峰大二版以外の作品は
福元一義、伊東章夫、
そして中沢啓治の
3人によって描かれ
その一峰版以外の作品、
コミカライズと絵物語を
すべて復刻収録したのが
今回の講談社コミックスDX版です。
『講談社テレビコミックス』は
雑誌扱いなので
今回が初単行本化というわけ。
で、こちらも子どもの頃
読んでいた可能性があるのですが
下巻収録の「地底ロボットの巻」
(まんがは福元一義/智プロ)を読んで
当時、読んでいることを
はっきりと思い出しました。
「地底ロボットの巻」は
ユートムの回のコミカライズです。
(1968年3月発行の第4集に収録)
ユートムにさらわれたアンヌを
セブンが助けようとするのですが
2人ともカプセルに閉じ込められてしまい
硫酸で溶かされそうになるところ
セブンがアイスラッガーを使って
脱出するというシーンにあった
セブンの頭にアンヌが乗っているカット、
明確に記憶しています。
これも当時、買ったのではなく
貸本屋で借りて
読んだのだろうと思います。
『ウルトラセブン』のコミカライズは
先の一峰大二版と
もうひとつ、桑田次郎版が
よく知られていますけど
いずれも発表当時
コミックス化されず
ずいぶん後になって
朝日ソノラマから
サンコミックスとして出ました。
桑田版4冊、一峰版2冊で
1978年に刊行されています。
自分もそれで読んでますが
一峰版については
『ぼくら』に載った
「ザンパ星人と怪獣ペテロ登場の巻」を
子どもの頃に読んだ記憶があります。
『セブン』の後に
『キイハンター』の
絵物語が載っていたことまで
覚えていますけど
これも買ってもらったか
譲ってもらったかしたものでしょう。
ザンパ星人の回が載ったのは
1968(昭和43)年7月発行の
別冊だったようです。
あと
1967(昭和42)年11月発行の
『ぼくら』別冊に載った
「ゴドラ星人登場の巻」も
子どもの頃に
読んだ記憶があるのですが
これは何で読んだか記憶しておらず
もしかしたら
『講談社テレビコミックス』で
読んでいるのかもしれません。
絵柄は三者三様で
当時の子どもは、自分も含め
気にしなかったのかしら
と思うのですけど
脳内で補正してたのかもしれませんね。
ちなみに
アンヌ隊員に関しては
伊東版がベタ塗りロングヘアで
コミカルな描写もあり
いちばん、まんがっぽいタッチ。
福元版のアンヌは
最初の「クール星人の巻」のみ
セミロングで
以後、ショートヘアになりました。
いずれもベタ塗りしていないため
金髪美人に見えないこともなく
伊東版に比べて大人っぽい感じ。
中沢版のアンヌは
ほとんど描かれていないし
描かれていても
ヘルメットをかぶっているカットが
多いのですけど
「絵物語 ピット星人の巻」の
最終カットで
ベタ塗りボブヘアが見られます。
男性隊員は
オリジナルのドラマでは
ダンを始め、全員が短髪でしたけど
それに近いのは中沢版だけで
他は福元版、伊東版とも
フルハシ以外
それじゃメットがかぶれないだろ
というくらいのロングヘアに
描かれています。( ̄▽ ̄)
『サイボーグ009』の
島村ジョーみたい、といえば
ある一定世代の方には
お分かりいただけるかと。
競作のまま復刻されると
こんな楽しみ方も
できるわけですね。(^_^)
その他、
怪獣や星人の特殊能力なんかも
テレビでは観られないものが
描かれていたりして
これって基の脚本どおりなのかしらん
と、興味は尽きず
いろいろと楽しめる2冊なのでした。