『現代コミクス版 ウルトラマン』

(左・上巻、復刊ドットコム、2017.7.25

 右・下巻、復刊ドットコム、2017.8.25)

 

その昔、現代芸術社という出版社から

『現代コミクス ウルトラマン』

(1966〜67、全14冊)という

『ウルトラマン』(1966〜67)の

コミカライズを中心とした雑誌が

刊行されていました。

 

そこに収録されたコミカライズから

テレビアニメ『遊星少年パピイ』

(1965〜66)の

メインキャラクターデザインを担当した

井上英沖の作品のみを集めて復刻したのが

『現代コミクス版 ウルトラマン』全2巻です。

 

 

ウルトラ関連のコミカライズが出ると

なるべく買うようにしているのですが

特に、この『現代コミクス』版は

子どもの頃、

貸本屋で借りて読んだ記憶があって

懐かしさもひとしお。

 

貸本屋で借りて読んだ

という記憶はあるものの

それがいつごろのことで

どういう媒体で誰が描いたものか

という点については

まったく記憶になく。

 

まあ、

子どもの頃のことですから

あたりまえなんですけどね。(^^ゞ

 

それが、本のオビにもある通り

51年ぶりに復刻されたわけですが

初出年度からすると

月遅れか年度遅れで

借りていたのかもしれません。

 

そういう経緯もあり

改めて読んでみると

他のコミカライズとは

また違った感慨を覚える次第です。

 

 

金田益実の解説にもあるように

初代ウルトラマンのコミカライズといえば

一峰大二版と楳図かずお版が

よく知られています。

 

自分も子どもの頃

楳図かずお版は『週刊少年マガジン』で

メフィラス星人の回(の最終回)を

読んだ記憶がありますし

一峰大二版は

秋田書店のサンデーコミックス版を

読みふけったものでした。

 

 

ちなみに

楳図かずお版で読んだのが

メフィラス星人の回の

最終回だけなのは

たまたまその号を買っているからで

当時、自分は小学校入学前で

気軽に週刊誌を毎号、

しかも連載中の1作品を目当てに

買えるわけもありませんでした。

 

その号も、

親か、あるいは祖母に

買ってもらったものか

誰かのお下がりで

もらったものでしょうね。

 

今では

いろんなバージョンのコミックスが出ていて

簡単に読める楳図かずお版ですけど

最初にまとめられたのは

初出からずいぶん経ってからのことで

確か朝日ソノラマから出た

サンコミックス版(1978。全3巻)が

最初ではなかったかと思います。

(自分が読んだのは、さらに後年の

1984年に出たサンワイドコミックス版)

 

それもあって

コミックスになっている一峰大二版を

何度も何度も読み返しました。

 

というか

それ以外に選択肢は

なかったわけです。

 

 

その一峰大二版や

楳図かずお版に比べると

井上英沖版は

絵柄がリアルさからは程遠いし

正直、好みのタッチではありません。

 

ただ、当時使用された

オリジナルの脚本から

描き起こしているためなのか

テレビの台詞が

そのまま出てくるだけでなく

テレビの内容を補完するような

台詞や設定もあり

その点では興味が尽きず

好個の資料になっているとも

いえるでしょう。

 

時代色ひとつとってみても

好個の風俗資料といえるわけで

いろんな意味でやっぱり

買っておく必要のある

1冊(2冊)なのでした。

 

充実した書誌を載せている解説も

すばらしい。(^_^)

 

 

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