『2CELLOS』について
感想を書いた際
なんの註釈もなしに
「マイケル・ナイマンや
 ハウシュカの楽曲なんかを
 連想させられる」
と書きました。

ナイマンについては
何度かこちらのブログで
取り上げましたが
『ピアノ・レッスン』のサントラとか)
ハウシュカについては
今まで取り上げたことがなく
いい機会なので
紹介しておこうというわけでして。


そのそもハウシュカという
アーティスト(後に書くとおり
正確にはプロジェクト名ですが)を
現代音楽にうとい自分が
知ったきっかけは
昨2014年の3月に
下北沢の mona records で
Ticori's fairground が出演する
ランチライブに行った際です。

各アーティストが出演する
前後にかかっていた曲が気になって
勇気をふるって
PAの方に聞いたところ
ハウシュカと
ペンギン・カフェ・オーケストラだと
教えられたということが
あったのでした。

mona records で聴いたとき
アーティストを確認しようと思ったのは
マイケル・ナイマンではないかと
思ったからなのですが
見事に外れました。(^^ゞ


手許不如意だったので
すぐには買えなかったのですが
教えてもらった名前で検索したりして
情報を収集し
少しずつ買い揃えていきました。

とはいえ
ペンギン・カフェ・オーケストラの方は
いまだに、ベスト盤しか
買えていないんですが
ハウシュカの方は
あっという間に揃ったのでした。


Wikipedia によれば
ハウシュカというのは
アーティスト名ではなく
プロジェクト名のようです。

ドイツ生まれのピアニスト
フォルカー・ベルテルマンが
クラシック音楽をベースとした
実験音楽を行なうときの名義が
ハウシュカ Hauschka 。

2004年の Substantial から始まって
現在までに11枚のアルバムを出していますが
そのうち日本盤が出ているのは5枚。

最初に買ったのが
今回紹介する『異国の風景』
Foreign Landscape です。

『異国の風景』
(windbell four 101-2、2010.10.16)

本盤は、例によって日本盤のみ
未発表の音源6曲を収めた
ボーナス・ディスクが付いてくる
ということだったで
そちらを購入。

結論から申しておきますと
ボーナス・ディスクの曲は
いずれも魅力に欠ける気がしました。

でも、本盤の12曲は
どれも聴いていて飽きません。


ハウシュカという名前が
日本でどれだけ知名度があるのか
あいにくと
この分野にうとい自分には
分かりません。

ただ、『異国の風景』は
個人的には好きなアルバムです。

というか
お気に入りの1枚になりました。


フォルカー・ベルテルマンは
プリペアド・ピアノの奏者としても
知られていて
『異国の風景』にも
プリペアド・ピアノ奏者として
参加しています。

プリペアド・ピアノというのは
ピアノの弦の間に
いろいろなものを挟んで
普通のピアノとは違う音色が
出るようにしたもので
「4分33秒」で有名なジョン・ケージが
1940年に発明(?)したものです。

『異国の風景』に収録されているものでは
たとえば「mount hood」



YouTube に映像版がありましたので
貼り付けておきましたが
自分も今回、この記事のために
検索して見つけて
初めて観たのですが
びっくり。

ジーンという感じの音を
どうやって出しているのだろう
と思ってましたが
まさかピンポン球を使っているとは……


本盤ではそれ以外に
ヴァイオリンやヴィオラ、
チェロの弦楽器に加え
クラリネット、トロンボーンといった
管楽器も参加していて
ちょっとしたアンサンブル音楽を
聴かせているのですね。

たとえば「kamogawa」

これはもちろん
京都の鴨川をふまえたものですが
それがこんな曲になってます。



これなんて実に
自分がイメージするところの
ナイマン風な感じ。


この「kamogawa」からも分かる通り
ハウシュカの曲調は
オスティナートを駆使した
ミニマル・ミュージック風のものが多い。

というか
ミニマル・ミュージック
そのものかも知れないのですが
現代音楽は
マイケル・ナイマンなど
一部を除いては知らないから
何ともいえません。

スティーヴ・ライヒとか
アルヴォ・ペルトぐらいは
聴かないと
何も語れないのでしょうけど……(´・ω・`)


まあ、それはともかく
ミニマル・ミュージック系は
割と自分の好みに合うようで
それはオスティナートと
通じるところがあるから
ということはバロック音楽と
通じるところがあるからですが
要するにハウシュカの音楽も
そういう流れにあるようで
当方のツボにピッタリなのでした。

少なくとも『異国の風景』は
そうなんですよね。


ふだんはPAの人に
かけている曲を聞く、なんてことは
しないのですけど
このときばかりは
聞いてラッキーでした。

きっと、聞かずにはいられない
今、聞かないと損をする、という
カンのようなものが働いたんでしょう(苦笑)

ただ、購入するのが遅れたので
(同じ年の2ヵ月後くらいです)
あのとき聴いたのはこれだ!
というふうに
確定はできないのが
残念無念なのですけど。


もっとも
mona records で流れたのは
『異国の風景』収録の楽曲ではなく
『ファーンドルフ』(2008)に
収録されているやつかも
知れないのですけどね。

これがいちばん有名というか
いちばん売れたようですから。

というわけで
機会があれば、そのうちに
『ファーンドルフ』も
紹介したいと思います。


長文深謝。


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