『江戸川乱歩異人館』10
(集英社 ヤングジャンプコミックスGJ、2015.2.24)

山口譲司の
乱歩コミカライズ・シリーズも
巻を重ねて10冊目となりました。

今回収録されているのは
「防空壕」をベースとした「熱男」、
「指環」をベースとした
「曲男【まがりおとこ】」、
連作「畸形の天女」の
乱歩が執筆した第1回をベースとした
「戯女【たわむれおんな】」、
「石榴」をベースとした
「虐男【ぎゃくおとこ】」の第3回まで
が収録されています。

「熱男」だけ
振り仮名が付いてませんが
「あつおとこ」とでも
読ませたいのでしょうか。


「防空壕」は
オチまでよく覚えている話ですが
実際に描かれると
このオチはかなり引きますね。(((゜д゜;)))


「曲男」は
そもそも原作が
いわゆるエログロではないですし
コミカライズにあたって
原作にはないオチを付けているので
ミステリコミックとしては上乗。

かえって
物足りない人もいるかな?(苦笑)

ちなみに
光文社文庫版全集の表記は
「指輪」ではなく「指環」です。
念のため。


「戯女」は
1960~70年代の映画
たとえばATGみたいな雰囲気で
いわれなければ
乱歩原作だと
気づかないかもしれませんね。

畸形の天女こと北野ふみ子が
なかなか不気味可愛い。

作画が安定していないところが
畸形の天女らしい
とかいったら
作者に悪いかしらん。(^^ゞ


で、「虐男」ですが
いよいよ次の巻で
エロが炸裂する感じ。┐( ̄▽ ̄)┌

イケメンの江戸川乱歩が登場して
自分が関わった事件を語る
というのは
原作にはない設定で
(原作は事件に関わった警察官の一人称)
コミカライズなりのオチと
関わってくるのかもしれません。

ただ、乱歩を登場させたこと
被害者の妻と出会わせたこと
その妻の肌に縄目の跡があること
等々があって
『陰獣』を連想させたりもします。

映画『D坂の殺人事件』
観て、間もないので
そちらの印象も混ざってきたり。

それにしても
10年前のイケメン乱歩
かなり若い感じなのに
住んでいる家が
平屋とはいえ邸宅な感じ。

これ、違和感あるなあ。(^▽^;)


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