江戸川乱歩の
「妻に失恋した男」に基づく映画
『失恋殺人』(2010)を撮った
窪田将治監督が
再び乱歩の映画化に挑んだ作品。
同じ原作に基づく
実相寺昭雄監督の映画
『D坂の殺人事件』(1998)以来
16年ぶりの映画化なのだとか
(公開年で数えれば17年ぶり)
『週刊ポスト』のグラビアで話題をまいた
「謎の美女」こと祥子(しょうこ)が
体当たりの演技を見せるとか
いろいろフックがあるようですが
自分的にはあくまでも
乱歩作品の映画化ということで
観にいきました。

いろいろと思い出のある
渋谷ユーロスペース2での
2週間限定レイトショー公開
ということですが
ちょうど時間的に
『ニコルの塔』のオンエアと
重なるため
土日ぐらいしか行く機会がない。
(うちにはラジオを
タイマー録音する機械が
ありませぬもので)
土日だと
終電はともかく
終バスを逃すのは必定なのですが
先週を逃した以上
もう、昨日か今日しかない
しかも今日(日曜日)は
午後用事があって都合が悪い
というわけで
昨日(土曜日)行ってきた次第です。
ところが昨日の回では
緊急トークショーなるものが
上演後に設けられていて
(ぜんぜん知りませんでした)
窪田監督と河合龍之介が登壇したため
結局、映画が終った22:55から
さらに23:15まで居残るはめに
なったとさ。( ̄▽ ̄)
河合龍之介って
『恋する!? キャバ嬢』とか
『執事喫茶にお帰りなさいませ』に出てて
奈央ちゃんとも共演してる
ということに気づいたのは
自宅に帰って検索してからなのでした。
トークショー後は
女性客とのツーショット撮影に
気さくに応じていましたが
自分はそそくさと帰途につきました。
公式サイトで確認したところ
河合龍之介が演じたのは
郷田三郎です。
このキャラ名だけで
乱歩ファンなら分かると思いますが
本映画は「D坂の殺人事件」だけでなく
「屋根裏の散歩者」のネタも入ってます。
「陰獣」も引用されている感じですね。
だいたい「D坂の殺人事件」といいながら
坂の途中に古本屋がある
という映像イメージは
トンとありませんもの。
原作にあるような
密室殺人も錯覚トリックも
出てきません。
蕎麦屋の主人と古本屋の女将が
ある種の関係を持っているとか
古本屋の女将がM属性だとか
明智小五郎が出てくるとか
そういうところが踏まえられているだけで
後は別もの。
R15指定らしい映像が満載です。
監督は
ミステリ映画を撮るつもりは
ないのでしょう。
トークショーでの発言を聞く限り
今、映画を撮るということは
「人間の本質」を描くということだ
というようなことを
話していましたから。
明智の説明(推理のきっかけ)も
よく分からない。
公開は今週の金曜日までですが
もし観にいかれる場合
乱歩ミステリのファンは
そのつもりで観にいってください。
明智を演じたのは
『失恋殺人』同様
草野康太ですが
「D坂の殺人事件」の
書生っぽの明智というより
「心理試験」の
売り出し中の名探偵というイメージ。
文代夫人は大谷英子に代わってます。
『失恋殺人』の方を観ていないので
比較してどうこういえませんが
大谷英子演じる文代は
最初、妹かと思ってしまいました。f^_^;
ちなみに撮影の場所は
千葉県の佐原市(現・香取市)と
埼玉県深谷市の深谷シネマで
後者が古本屋と
郷田のアパートの屋根裏に
使われたそうです。
蕎麦屋の主人の
死体が発見されたシーンでは
香取市の皆さんが
モブで出演されてたみたいで。
古本屋の本は
美術の人が作ったそうですが
自分の見間違えでなければ
棚の本は
背表紙ではなく
小口の方が表を向いているカットもあり
ちょっと誤魔化してた感じなのが
微笑ましいといえば微笑ましい。
あと、本をめぐる事柄では
佐原で撮ったシーンで
蕎麦屋の主人の死体発見現場を
郷田三郎が
古本屋に売るための本を持って
通りすがるというのがありましたが
雨が降っているのに
本をむき出しで持っているのが
たとえ、たいした降りではないとはいえ
自分が本好きなだけに
違和感がありました。
その他にも
古本の束を、あんな荒縄で
縛るかい! とか思ったり。
古本愛w の足りなさが
気になった次第です。
ちなみに劇中の古本屋
緊縛趣味関連本や
猟奇事件関連本だけでなく
張り形まで売っていましたから
今で言うところの
アダルト・ショップだと考えると
分かりやすいですね。
そういう翻案の仕方自体は
面白いですけど
乱歩作品ってどうしても
そういうイメージを
喚起するのかなあ、と
ちょっと淋しくなったことでした( ´(ェ)`)

「妻に失恋した男」に基づく映画
『失恋殺人』(2010)を撮った
窪田将治監督が
再び乱歩の映画化に挑んだ作品。
同じ原作に基づく
実相寺昭雄監督の映画
『D坂の殺人事件』(1998)以来
16年ぶりの映画化なのだとか
(公開年で数えれば17年ぶり)
『週刊ポスト』のグラビアで話題をまいた
「謎の美女」こと祥子(しょうこ)が
体当たりの演技を見せるとか
いろいろフックがあるようですが
自分的にはあくまでも
乱歩作品の映画化ということで
観にいきました。

いろいろと思い出のある
渋谷ユーロスペース2での
2週間限定レイトショー公開
ということですが
ちょうど時間的に
『ニコルの塔』のオンエアと
重なるため
土日ぐらいしか行く機会がない。
(うちにはラジオを
タイマー録音する機械が
ありませぬもので)
土日だと
終電はともかく
終バスを逃すのは必定なのですが
先週を逃した以上
もう、昨日か今日しかない
しかも今日(日曜日)は
午後用事があって都合が悪い
というわけで
昨日(土曜日)行ってきた次第です。
ところが昨日の回では
緊急トークショーなるものが
上演後に設けられていて
(ぜんぜん知りませんでした)
窪田監督と河合龍之介が登壇したため
結局、映画が終った22:55から
さらに23:15まで居残るはめに
なったとさ。( ̄▽ ̄)
河合龍之介って
『恋する!? キャバ嬢』とか
『執事喫茶にお帰りなさいませ』に出てて
奈央ちゃんとも共演してる
ということに気づいたのは
自宅に帰って検索してからなのでした。
トークショー後は
女性客とのツーショット撮影に
気さくに応じていましたが
自分はそそくさと帰途につきました。
公式サイトで確認したところ
河合龍之介が演じたのは
郷田三郎です。
このキャラ名だけで
乱歩ファンなら分かると思いますが
本映画は「D坂の殺人事件」だけでなく
「屋根裏の散歩者」のネタも入ってます。
「陰獣」も引用されている感じですね。
だいたい「D坂の殺人事件」といいながら
坂の途中に古本屋がある
という映像イメージは
トンとありませんもの。
原作にあるような
密室殺人も錯覚トリックも
出てきません。
蕎麦屋の主人と古本屋の女将が
ある種の関係を持っているとか
古本屋の女将がM属性だとか
明智小五郎が出てくるとか
そういうところが踏まえられているだけで
後は別もの。
R15指定らしい映像が満載です。
監督は
ミステリ映画を撮るつもりは
ないのでしょう。
トークショーでの発言を聞く限り
今、映画を撮るということは
「人間の本質」を描くということだ
というようなことを
話していましたから。
明智の説明(推理のきっかけ)も
よく分からない。
公開は今週の金曜日までですが
もし観にいかれる場合
乱歩ミステリのファンは
そのつもりで観にいってください。
明智を演じたのは
『失恋殺人』同様
草野康太ですが
「D坂の殺人事件」の
書生っぽの明智というより
「心理試験」の
売り出し中の名探偵というイメージ。
文代夫人は大谷英子に代わってます。
『失恋殺人』の方を観ていないので
比較してどうこういえませんが
大谷英子演じる文代は
最初、妹かと思ってしまいました。f^_^;
ちなみに撮影の場所は
千葉県の佐原市(現・香取市)と
埼玉県深谷市の深谷シネマで
後者が古本屋と
郷田のアパートの屋根裏に
使われたそうです。
蕎麦屋の主人の
死体が発見されたシーンでは
香取市の皆さんが
モブで出演されてたみたいで。
古本屋の本は
美術の人が作ったそうですが
自分の見間違えでなければ
棚の本は
背表紙ではなく
小口の方が表を向いているカットもあり
ちょっと誤魔化してた感じなのが
微笑ましいといえば微笑ましい。
あと、本をめぐる事柄では
佐原で撮ったシーンで
蕎麦屋の主人の死体発見現場を
郷田三郎が
古本屋に売るための本を持って
通りすがるというのがありましたが
雨が降っているのに
本をむき出しで持っているのが
たとえ、たいした降りではないとはいえ
自分が本好きなだけに
違和感がありました。
その他にも
古本の束を、あんな荒縄で
縛るかい! とか思ったり。
古本愛w の足りなさが
気になった次第です。
ちなみに劇中の古本屋
緊縛趣味関連本や
猟奇事件関連本だけでなく
張り形まで売っていましたから
今で言うところの
アダルト・ショップだと考えると
分かりやすいですね。
そういう翻案の仕方自体は
面白いですけど
乱歩作品ってどうしても
そういうイメージを
喚起するのかなあ、と
ちょっと淋しくなったことでした( ´(ェ)`)
