$圏外の日乘-『深夜徘徊』
(エアーズ発売、
 バンダイ・ミュージックエンタテインメント販売
 AYCM-556、1997.2.21)

『Set me Free』
『bambi garden』の間にリリースされた
マキシシングルです。


エアーズから発売された経緯は
よく分かりません。

CDのタスキには
マキシシングルとありますけど
ミニアルバムといった方が
いいのではないかしらん。

何曲以上だとミニアルバムで
何曲以下だとマキシシングルなのか
よく知りませんけどね(^^ゞ


Wikipedia のディスコグラフィだと
判断に迷ったのか
シングルとアルバムの
両方にあがっていますけどね。

その Wiki の記事で知って
どっちなんだーと思って
Amazon で検索したところ
中古での在庫を見つけたので
最近、即買いした1枚です。


1曲目の「深夜徘徊」は
「僕」という一人称で歌われる
(これは珍しいのではないかと思う)
テンポのいい、印象的な曲です。

「コンビニ天国」男の子版というか(笑)
女の子だとコンビニで楽しんじゃうけど
男の子は神様に不満を漏らすというあたり
いかにも男の子だなあという感じ。

♪ねえ 全知全能の神さま 本当にあんたいるなら
というサビの部分が好きなんですけど
神が人間を創造したのであり
もし全知全能であるならば
人間自身が自分で自らの問題を解決するように
創造したのではないかという
(例えば『内田樹による内田樹』を通して理解する)
レヴィナスの議論を思い出しました。

人間は、本当に神によって創造されたものなら
そう簡単に神に頼るのではなく
自ら解決する力を持った被造物であるはず
っていうことです。

だから、そう言うな、ということではなく
神様にそう言いたくなる気持ちは分かるので
曲自体は、いい感じで聴けるんですけどね。


2曲目の「ルーシー」は
1コーラスのサビ、
♪笑って泣いてその後は? ねえ
の「ねえ」を「ねーえ、ね、ね、ね、ね、ね」
と歌うあたりの感じが、何となく好き。


「Hello」は、本CD中
いちばん、おんぷちゃんテイストが
強く感じられる曲です。

♪今日と昨日どこが変わるの
 TV何も教えてくんない
 それならまたベッドもぐり込んじゃえ

というサビの部分が
歌詞も歌い方も好きです。


最後の「朝にのこされた星」は
宍戸留美作詞。
作曲・編曲は
『プンスカ』
『Set me Free』でお馴染みの
上田禎です。

宍戸さんが好きっぽい
スローなバラード・タイプの1曲。

それまでの3曲が
ぱーっとした明朗な感じの曲だったので
やや違和感がありますが
これを最後にしたのは
やっぱり「優しい歌が好きだった」
『アイドル・ミラクルバイブルシリーズ』の言葉)
からかなあ
なんて想像するのも楽し。


全体の印象としては
ソニー時代の
アイドル・テイストも残しながら
それとは違う方向を目指して
それこそ「徘徊」している中の1枚
というところかなあ。

このCDでの発声が
いちばん素の声に近いのかもしれません。

こちらに収録の曲に関しては
後にアルバムに再収録されることも
DL販売されることもなく
(YouYube で聴ける曲もありますが)
中古CDで聴くしかないみたいで
その意味ではレアですが
ちょっと残念かも知れませんね。