長い記事になりました。
グレーの小さい文字の部分は余談なので読み飛ばしていただいて大丈夫です。
また、体調不良のため記事にまとめるのが遅くなりましたので、記憶が間違っている部分がありましたら申し訳ございません。
お盆休み前半は何も用事がなくてキタラでコンサート三昧。風邪気味でしたが大変充実しました。
まず8日(木曜日)の夜はヴァイオリン三浦文彰、ピアノ辻井伸行、ARKフィルハーモニック。
この記事に書いています。
大盛況の素晴らしい演奏会で感動的でしたが、この日すでに風邪をひいていた私の体力は消耗の一途を辿りました。
でも次のコンサートまで2日休めるから、と高を括っていたのです。
金曜日は事前申請していた有給休暇。夫と私の平日休みがマッチするのは貴重なので、銀行行ったり、買い物したり。
翌日から3日間は夫が仕事で日中不在、ということは車がない、暑いから歩いて買物は嫌だ……てことで食料などなど買いだめしました。念の為に風邪薬もネ!
そうしたら、無理はしていないのに何だか風邪が悪化したような。続く土曜日も体調不良で、薬を飲んで休息していました。
8月11日(日曜日) 晴れ☀️蒸し暑い
待ちに待った亀井聖矢くんのコンサート。絶対に行かねば!という執念が天に通じたのか、いや薬の効果ですけど熱が下がりました。
凍らせたアクエリアスを持ち、地下鉄南北線にアクセスできるバス(1時間に1本)に乗ろうと家を出ました。
バス停についた時点で体調が悪化しちゃって、背後の自販機でスポーツドリンクを買うも立っていられず。
ベンチがないバス停なので周辺の店舗の幟を立てる台座?みたいなのにお尻を乗せて座り込みました。
そのうちにお腹が痛くなり「これはまずい。南北線行きに乗ったらしばらくトイレに行けないし、平岸駅のトイレの位置がわからない。東豊線行きならすぐ福住に着くしバス降りて目の前がトイレ」と考えているうちにバスが来ました。中島公園にアクセスしやすい南北線平岸駅行きにせっかく乗ったのに、泣く泣く東豊線福住駅で降りてバスターミナルのトイレに駆け込んで……。
とにかく風邪菌を身体から出せば良くなると過去の経験からわかってるつもりです。夫からうつされた風邪は咳鼻水で腹痛無いし……。一家全員同じ症状だから今の私の腹痛は一時的なものだ!と強く念じて東豊線に乗りました。
もう腹痛はないのですが消耗し過ぎ。南北線へ乗り換える長い長い通路、中島公園駅からキタラへの蒸し暑い道、耐えられそうもありませんでした。
ということで地下鉄乗り換えを諦め大通り駅からタクシーでキタラへ。
1550円もかかりましたが、どうにかたどり着きました。
亀井くんの表情も手元もよく見える前から10列目。
去年と同じ姿ですが、演奏は変わっていました。変わっていたというより深みが増したというのかな。
すぐに美しい極上のバッハを弾き始めました。
イタリア協奏曲というだけあって、映像でしか知らないイタリアの古い建物が心に浮かび、自分もその世界の住人になったように感じました。
一度引っ込んでからMC。亀井くんは今どきのピアニストなのでマイク持ってお話します。暖かいお客さん、大好きなホールと言ってくれて嬉しかった。
このホールの響きがバッハに合っていると言っていたと思います。他のピアニストさんも何名か似たようなお話されていた記憶があります。キタラに感謝。
私もちょっと咳をしてしまったのですが、亀井くんいわく咳のツボに入ってしまった方がいて、体調を気遣ってくださいました。
この日は咳している人が多かったように思います。札幌は夏風邪が流行っているのかもしれないですね。
続いてショパンのマズルカとポロネーズ。
めっちゃ弾き込んでらっしゃるんだろうと思いました。
ショパンの曲に亀井くんの色んな思考と感情と想いを詰め込んでる、けれど流されてはいない、正統派の演奏で聴衆の心を揺さぶります。
渾身の英雄ポロネーズで前半が終わりました。
私の体力が消耗していたせいでしょうか
……耳は英雄ポロネーズをしっかり聴いているのに目を明けていられませんでした。このまま昇天するかと、いや冗談です。
後半はショパンのバラード3番、4番。
……最近、某ピアニストさんのコンサートでショパンのバラード全曲聴いたなあ~って(笑)
亀井くんのバラードにはショパンだけじゃなく亀井くんの物語があるって思いつつ、この曲に自分の物語を思ってもいいのかな、とか。
バラードでは意識を保っていた私。それがこの日のメインディッシュと言うべき、プロコフィエフの『戦争ソナタ』で、気が遠くなりました。
私はプロコフィエフって、いつ何を聴いてもよく理解できません。でも、この時の演奏は理解できたほうなんです。
へーっ、すごっ、戦争ソナタだけど美しいんだな〜などと、予習してないのでビックリしながら聴いていました。プロコフィエフにではなく亀井くんの演奏にビックリしていたってことです。
昨年の演奏会では超絶技巧に圧倒されまくってましたが、今回はその先にある何かを見せてもらった気がします。
うわ〜って思ってるうちに体力が限界を迎えました。本当に申し訳ないけど戦争ソナタをBGMに夢の世界におりました。聴こえてるんで眠り込んでるわけでないのですけどね。
時々目を明けると目の前の亀井くんが大熱演してました。
そして大喝采が聴こえてハッと意識を取り戻したら、亀井くんが満足そうに立ってお辞儀。
こんなね、亀井くんと目が合っても不思議じゃない席で、意識遠のいてごめんなさい。眠いんじゃないの、体調がすぐれないんです、ごめんなさい。
アンコールはまずショパンのノクターン8番。こんな穏やかな曲だとじっくりしっかり聴けるのでした。
1曲で聴衆が満足するわけもなく、次は
リストのラ・カンパネラ。名刺代わりのようなカンパネラですが、これも去年より深みが増していて、鎮魂の鐘のようでした。暗いという意味ではありません。感情を解放して鎮め、人の魂を神の世界へ近づけるような。
悲しみも喜びもドイツでの学びも研鑽も、すべてが演奏に昇華される、1年でこんなに変わるんだとしみじみ。
鎮魂の鐘と書いたのは今年亀井くんがお父様を亡くされているからです。
ご飯食べたけど身になってないし、熱が高くなり、明日のコンサートは無理かなと諦めかけました。
私の執念が奏功したのかカロナールのおかげか、出掛ける時間には平熱になり腹痛も治まりました。
でも大事を取って乗り継ぎなしのバスで狸小路まで行き、タクシーでキタラへ行きました。大通りから乗るより少し安かったw
ぶどうクラシック2024ツアー 北海道デビュー公演!サントリーホール完売にした人気者ですが北海道での知名度はまだまだということで小ホール。
私の席は早めに購入したからなのか、かなり前の席で、ぶどうさんを良い距離で観察できました。YouTubeから貴公子が飛び出てきたかのような感じでした。
真っ黒い衣装、スパンコールの煌めきが素敵!髪は後ろでくくって、いつものように履いていた下駄を脱いで演奏されました。
コンサートは初だけど5年くらい前に遊びに来たことがあって北海道大好き、小樽大好き、など飽きさせないトークで楽しかったです。
曲の解説、何故これを弾くのかって自己紹介も織り交ぜて。
ベートーヴェン 悲愴ソナタ全楽章
曲への愛が溢れてました。
ショパン 英雄ポロネーズ
昨日も聴いた曲、これはぶどうさんにしか弾けない英ポロという感じ。
ベートーヴェン/リスト 運命第1楽章
カッコよかったです。8日に聴いたオーケストラの運命とは違いますね。
前半が終わってロビーに出ようと振り向いたら、ご年配の男女が多くてビックリしました。普段、地元オーケストラの演奏会でよくお見かけする年齢層。
そういえば私より前の席にもオジサマおじい様が何人もいて、それって熱心なファン層だしYouTubeも見てるんですって。(会場アンケートしてた)
圧倒的に多いのはマダム層ですけれどね。
皆様、クラシックをしっかり聴こう、楽しもうという方達だったのではないでしょうか。
後半はヘアスタイルをハーフアップに変えて白衣装。銀色のアクセサリーがとても素敵。
前半と正反対なので客席は一様に驚いてました。
シューベルト 魔王
ドラマチック、激しい嵐、メリハリが強く聴き応え満点。
照明が使われていました。
サン=サーンス 白鳥
白衣装にピッタリなイメージの曲。散りばめられた超絶技巧。
ショパン バラード1番
ぶどうさんのバラ1は、ぶどうさんそのものの物語なのかしら。最初から最後まで、私の人生のどの部分と重ねたら合うかな〜なんて思いながら聴きました。(そういう聴き方ってお話が演奏前にあったんです)
アンコールは
リスト 愛の夢
白衣装に合っている甘すぎない愛の夢
リスト ラ・カンパネラ
この鐘は鎮魂の鐘じゃなくて情熱と青春の嵐の鐘のようでした。
ブラーボ、大喝采、前の方のオジサマ達が大喜びしてて、ぶどうファンの熱意おそるべし。この方達がここまでぶどうさんにハマった経緯を知りたくなりました。
グッズ購入したらサイン貰えるんですが、私は風邪気味だし、にわかファンだし遠慮しました。
話すことも『大ホールはヴィンヤード式(葡萄棚)だから今度はそちらでお願いしますね』くらいしか思いつかないし(笑)
帰りに暑さでフラフラになるのではと心配でしたが、無事に帰宅して、また念のためにお薬飲んで休息しました。
翌日13日から3日間、夫が休みなので買物やお墓参りに行けるかな〜涼しい車に乗って。
な〜んて考えていましたが、その後のお話は別記事で。
長々とお読みいただきありがとうございました。