ロック自叙伝 その190
ポールマッカートニーがレスポールカスタムをさかさまに構えて
key B♭のブルーノートスケールを奏でる。
リンダがオルガンでB♭E♭B♭B♭のコードを流しながら、何やら
怪しげな笛を吹いている。相変わらずドラムは単調なビートを繰り
返し、デニーレーンが怪鳥のような叫びをあげる。
最後に Ahhhhh Ahhhhh Ahhhhh コーラスに続きポールの
ブルーノートで終わった。
ようやくこれがポールの70年のソロアルバム「 McCartney 」の最後の曲「Kreen-Akrore」だと気が付いた。
ポールがギターを肩から外しながら語り始めた。 俺には良く解ら
ないが、Nancyが訳してくれた。
「この曲はブラジルのジャングルに住むクリーン・アクローレ・
インディアンの映画がテレビで流れていて、彼らの実生活と白人が彼らの生活様式を白人の生活様式に変えようとしている様子が描かれていたので、翌日の昼食後、私はドラムを叩きました。その背後にはあるアイデア。彼らの狩りの感覚をつかむことでした。 」
「Kreen Akrore」はブラジルインディオに捧げたインストゥル
メンタルナンバー。これを聴いた俺ははっきりと感じた。
「これは単なるリハーサルなどではない。」