VAMOS MEXICO清算衝動再燃
マーケットは徐々に正常に戻ってきています。
月初には神田財務官による2回にわたる9兆円規模と推定される、為替介入でドル円は151円台までいったん押下げられたあと、再び150円台半ばまで戻すというジェットコースター相場にマーケット機能がスカタンになっていました。
ようやく為替介入の傷も癒えて、本来の安定した円安基調に回復したようです。
今週は特に大きなイベントや重要な経済指標がない中、先週同様安定した動きを見せると思います。安定した市場秩序では、金利差が効いてきます。今週も円ジリ安の展開となる可能性が高いとみています。ただし、スピードはゆっくりになりそうです。
そんな中、メキシコペソ円の堅調さが際立っています。
今週もスワップ稼ぎの買いポジション継続がメインストリームでゆっくりだが、9.5円に向かっていくのではないかと思います。
このメキシコペソの底堅さの背景にあるのは、ロンドン金属市場で銅価格が史上最高値を更新したことにつれて、銀価格も最上値を試す展開となるなか、銀の産出量で世界最大規模を誇るメキシコの通貨ペソに買いが入り、対米ドルでは一時16.5936ペソと4月15日以来の高値を付けたほか、対円では9.40円と2008年10月末以来の高値を付けました。
円安基調の復元はトルコリラ円にも影響して、対円で4.82円まで
上昇し、2月中旬の水準に戻している。このところのリラ円の回復により、筆者のリラ円の建玉も為替差損を金利がカバーできるものが徐々に増えてきました。最長では昨年6月8日に5.96円でロングした玉が、11,400円の為替差損に対し11,926円のスワップ益が上回りほぼ一年前の時点からロングした20本が黒字転換しています。
この二つの通貨をロングしている筆者口座の維持率も今朝の時点で遂に1500%を超えています。ここで清算するのが賢い選択なのかもしれませんが、好調メキシコは年末までは続くだろうし、トルコはこれからリベンジするところ。なにより目先の利に走れば、明日からの日銭が稼げなくなるので、ここはグッと辛抱する。
このほか別口座で運用しているNZドルは対円で2007年7月以来となる95.62円まで強含み。先週発表された1-3月期NZ卸売物価指数(PPI)が、予想比を上振れたこともNZドルの支えになっている。なお、22日にはNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)が政策金利を発表するが、市場では据え置き予想となっている。
ちなみに昨年12月24日に87円台でロングしたNZドル口座の維持率も1868%まで上昇し、こちらはいつ清算しても大丈夫です。
ドル円については、目先しばらくはFRBしだいの円安基調が維持されると観ています。
そこでインフレに関しては、まだまだ慎重な姿勢を維持しておいたほうがよいと考える。15日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)では、前年比での伸びが前月を下回ったが、この数字だけで
今後インフレが落ち着きを取り戻し、FRBが年内利下げに踏み切ると考えるのは気が早すぎるだろう。FRB高官はインフレ高止まりに対する警戒感を緩めておらず、今後もタカ派的なコメントが相次ぐ可能性が高いのではないか。少なくとも来月に発表される5月分の
雇用統計や市物価指標を見るまでは、インフレの高止まりに対する警戒感も残るのではないでしょうか。
いずれにしても、今週は先週同様にFOMCメンバーの発言が目白押し。市場が年2回の利下げを織込み始めている一方「利下げどころではない」との認識も広まりつつあるのも事実。
特に、今年の投票メンバーの発言に市場も反応しやすいとあって経済指標などではない、心理的な趨勢に左右されながら需給を反映した動きとなっていきそうです。