(リマスター版)
三ツ城古墳(東広島市西条 )2020年2月5日
宇摩巡礼途中ですが、予備デジカメをチェックしているとコロナ前の落穂を発見しました。データ喪失の懸念もあり、緊急落穂拾いといたします。
時は4年前の2月初旬。新型コロナが中国から世界に拡散し始めた時期、九州巡礼を早めに切り上げて帰る途中です。
朝一で、柳井茶臼山の復元前方後円墳で朝陽を拝んで、一路2号線を西へ広島市を越え西条バイパスを通過する際、左手高架下に大型古墳と思しき輝きを認めました。
瞬間、閃きを覚え、次のランプを降り、最寄りのローソンでPCをチェックすれば、三ツ城古墳とあり国指定史跡とあります。市街地を旋回して裏山の尾根坂を少し登れば、住宅地の中に大きな三ツ城近隣公園という古墳公園が現れました。
そもそもバイパスは丘陵地を走っていて、公園はバイパスで切り取られた先端部分にあります。公園管理棟前に停めれば、目の前には巨大な前方部が鎮座します。
早速、階段を上ります。3段築成の墳丘上には円筒埴輪が巡らせた
墳頂は50m以上の広さがあり強化ガラスの三角屋根が三つ並び、中にはそろぞれ石棺が埋葬されています。ここからの眺めは素晴らしく、二つの円墳の先には西条バイパスが走り、返りみつれば西条盆地の市街地が広がります。
箱式石棺3基のうち1号埋葬施設には大王夫妻が、2号、3号棟には
側室が埋葬されたのでしょうか。
珍宝類には須恵器の中でも初期のTK73型式が出土することから、5世紀前半の築造と推測されています。
平成5年度に復元工事が行なわれ、三ツ城近隣公園として開放。
斜面は葺石で覆われ、1800体とされる埴輪で飾付けられています。
古墳の周りには芝生広場やベンチがあり、ご近所の団地から若いお母さんたちが子供たちを遊ばせています。
学校がおわった小学生たちが芝部の斜面を段ボールで滑ります。ここが昔の人のお墓とは思えない和やかな雰囲気こそ古墳の本来の姿です。
いにしえの祖先を気張らずに崇拝できる空間。それが本当の古墳ではないでしょうか。