ロック自叙伝 その68
バークレーコミュニティシアターば、高校のキャンパス内にある施設だが3000人は余裕で入れそうだ。
ZZTOPのグルーピーが消えても、会場は超満員になり隣の 公園まで聴衆が溢れているらしい。
「早めに来てよかったわね。」「ZZTOPも観れたし。」
場内は照明が落されセッティングが続いている。
「ほんまにジミヘンなんやろか?」
Marshall ampが唸り始めると場内にざわめきが起こる。
バンドのメンバーらしい人影が機材にプラグドしたと同時に照明がつき、いきなりアーミングしたフィードバックが響いた。
ジミヘンが”Stone Free”のテーマを歌い始めた。ギターカッティングは意外にも
プレーンなトーンでシャキシャキしている。シャキシャキむすめ。
バンドの音に比べてジミヘンの声量がヘビーなのに驚いた。
バンドはベーシストのビリー・コックスとドラマーのミッチ・ミッチェルの The Cry of Love Tour と同じセットだった。
”StoneFree”は、 Mitch Mitchell のジャズの影響を受けたドラミングアプローチによる、強いリズミカルな要素を持ったアップテンポのジャズロックだ。
Mitchは、「ヘンドリックスのボーカルとギターのパートをドラマティックな方法で強調し、リズミカルな強調の塗りつぶしで変化を加えている。」と語っている。
Mitchは、引き続きスネアビートを強調し、カウベルで四分音符を追加した。
Billy の独特のベースラインもリズムギターと同様のハーモニックサポート効果を提供している。
三人が三様の表現力と才能をぶちまけている。
ボーカルのセクションは、12小節ブルーズの頭8小節だけを使用するブルーズ進行のバリエーション。
この曲はJimi がハーモニックノートを弾くことで始まるが、彼のほとんどの曲とは異なり、レギュラーチューニングで弾いている。
「この音は何なんやろ?」
エンディングの数小節に聴いたことのない意味不明の効果音が流れた。
「オクタヴィアかもしれない。」
ジミの開発とされるエフェクターのことか。
この曲は、Jimi の落ち着きのないライフスタイルを反映した「ゆったりとした空想のない生活を称賛する歌詞からカウンターカルチャーの国歌」と評されている。