柔道が足りてない!

柔道が足りてない!

昨今、柔道人口の減少が深刻みたいなので、皆様にちょっとでも興味を持って頂けるような柔道ネタなど書いて行ければと存じます。

Amebaでブログを始めよう!

90kg級
増山 香補選手
初戦は、得意の背負投を覗かせておいてからの小外刈で一本勝ち。
続く2回戦、五輪王者ベカウリ選手(ジョージア)得意の接近戦から、抱分で試合序盤に「技あり」を先行されます。
徐々に間合いを確保し始めた試合中盤、膝付きの体落に行ったところを内股で切り返され、合わせ技「一本」で敗退となりました。


70kg級
新添 左季選手
準決勝、指導2つ受けた状況で、組手を両手で切り離してしまい、3つ目の指導で敗退。
3位決定戦は試合中盤に支釣込足で奪った「技あり」を守りきって銅メダルを確保しました。


田中 志歩選手
2021年の皇后杯王者、田中選手は、持ち前の思い切りの良い柔道で勝ち上がりましたが、迎えた準決勝、ゴールデンスコアに入ったところで掛けた肩車が「掛け逃げ」と判断され、3つ目の指導で敗退。
3位決定戦は、相手の大腰を踏ん張った際に膝を負傷して敗退。怪我の状態が心配されます。

100kg級
飯田 健太郎選手
初戦は、組手で徐々にペースを握り、最後は相手に3つ目の指導が入って勝利。
続く2回戦、内股「技あり」でリードを奪っておきながら、終始組手で優位に立っていたことで油断したのか、再び内股に行ったところを透かされ、逆転の内股透「一本」で敗退。
本人も相当ショックを受けていた様子でしたが、リードしている状況下ではリスクの低い技を使うなど、試合展開を想定した準備が足りていなかったのかな、と感じました。

78kg級
濱田 尚理選手
五輪では圧倒的な強さを見せた濱田選手ですが、準々決勝、内股に行った戻り際に内股返を合わされて一本負け。
敗者復活戦は大内刈で入っておいて内股のように極めて一本勝ちしますが、3位決定戦はリトヴィネンコ選手(ウクライナ)の電光石火の膝車で一本負け。
左軸足を濱田選手の右脚にぶつけておいて右足で濱田選手の左膝をブロックする見事な技で、相手の技術を褒めるべき一撃でした。


100kg超級
斉藤 立選手
初戦から強豪相手でしたが前に出続けて勝利を重ね、決勝まで勝ち上がりました。
しかし、徹底的に釣り手を嫌い、組まれる前に技を重ねるグランダ選手(キューバ)の作戦に嵌ってしまい、指導3で惜しくも優勝を逃しました。
組み合えば負けないところは示せたと思いますが、組ませてくれない相手への対策が課題と感じました。

78kg超級
冨田 若春選手
準々決勝までは盤石の勝ち上がりでしたが、準決勝、体格で上回るソウザ選手(ブラジル)の圧力で次第に消耗し、指導3を受けて敗退。
3位決定戦はキム・ハユン選手(韓国)に釣り手を絞られながらも払巻込で一本勝ちし、銅メダルを獲得しました。

混合団体
初戦ドミニカ共和国、準々決勝オランダ、準決勝ドイツとの対戦を、いずれも負けなしで勝ち上がり、決勝の相手はフランス。
取ったり取られたりの拮抗した展開でしたが、最後は新添選手が絞め技で一本勝ちし、東京五輪の雪辱を果たしました。
団体戦では、個人戦には出場しなかった原田 健士選手、田嶋 剛希選手、太田 彪雅選手らが特に存在感を示していました。

 

久々の更新となりましたが、先日閉幕した世界選手権の感想を述べようと存じます。

 

 

60kg級
東京五輪金メダリストの髙藤 直寿選手が力の差を見せて優勝。
技術的には既に完成されている上に、これまで以上に体幹の強さが増していて、相手の技にもバランスが崩れない印象でした。

48kg級
ディフェンディング・チャンピオンの角田 夏実選手、巴投からの腕挫十字固という必勝パターンで見事優勝。
近年の巴投はいわゆる「横巴」が主流で、左組の場合は右足を相手の下腹部に当てつつ横方向に投げる場合が多いのですが、角田選手の巴投は左足を相手の下腹部に当てつつ右足の甲で相手を跳ね上げるような独特の形。相手に研究されていても掛かるのは凄いと思いました。

一方、東京五輪銀メダリストの渡名喜 風南選手、2、3回戦は見事な一本で勝ち上がりましたが、迎えた準々決勝、相手に袖を押し込まれ、体を捻って腹ばいに落ちる際、脇固で相手の腕を極める形となってしまい、反則負け。残念な結果となってしまいました。

66kg級
下馬評通り、阿部 一二三選手と丸山 城志郎選手の決勝戦でした。
結果は、丸山選手の内股を阿部選手が小外掛で返して技有で決着。2019年GS大阪でも似たような形で決着しており、阿部選手が今までの対戦を通して丸山選手が内股に来るタイミングを掴んでいる印象を受けました。

52kg級
阿部 詩選手が順当に優勝。
時折見せる、釣り手で相手の背中越しに脇の辺りを抱え込むような独特の組手が効果的で印象に残りました。

73kg級
橋本 壮市選手、得意の「橋本スペシャル」(片手の袖釣込腰)が徹底警戒される中、苦しみながらも粘り強く決勝まで勝ち上がりましたが、ツェンドチル選手(モンゴル)に放った出足払に相手の小内刈がカチ合ってしまい、一本負けで涙を飲みました。

57kg級
舟久保 遥香選手、得意の寝技を駆使して決勝まで勝ち上がるも、ラファエル シウバ選手(ブラジル)の内股でポイントを奪われ、惜しくも銀メダル。

寝技にバリエーションが増えて進境が見られましたが、最終日の団体戦でも内股で投げられる場面が見られ、内股対策が課題と感じられました。

81kg級
東京五輪金メダリストの永瀬 貴規選手、タト グリガラシヴィリ選手(ジョージア)と消耗戦の末、3つ目の指導を受けて敗退。それでも敗者復活戦を勝ち上がり、三位決定戦は藤原選手に競り勝って三位を確保しました。

一方の藤原 崇太郎選手、前回王者マティアス カッセ選手(ベルギー)からリードを奪うも、残り時間僅かのところで逆転の一本負け。勿体無い試合を落としてしまいました。

63kg級
堀川 恵選手、柔道ファンの間では旧姓の津金選手の方が通りが良いかもしれません。
この大会は片袖からの大外刈が効果を発揮し、見事金メダルに上り詰めました。

東京五輪後、井上康生氏が柔道のブランディング戦略推進特別委員長に就任したという事で、是非とも今後「柔道を始めてみたい」という一般層が増える事を期待しております。

 

で、柔道を始めるとなると、やはり拘りたいのが「道場選び」と「柔道衣選び」かと存じます。

 

小生の場合、中学で柔道を始めて以来ずっとミズノで、実は多様な柔道衣について語れるほどの知識を持っていないため、以降は個人の勝手なイメージに基づいた内容であることを予めお断りさせて頂きます。

 

なお、個人的に柔道衣を購入する際には、ライナースポーツさんの通販サイトを利用させて頂いています。

 

 

 

まずはミズノ

 

やはりコスパが魅力と感じています。

もちろん最高級モデルだと、それなりに良い値段しますが、ある程度安価なモデルであってもそれほど見劣りしない品質を備えているため、小生のような裕福でない庶民にも優しい柔道衣メーカーです。

 

上記プラス長年着用してきた安心感もあって、小生は今のところミズノ派です。

 

 

 

そんなミズノと並んで人気なのが、九櫻(クサクラ)。

ミズノが幅広い層に人気なのに対して、九櫻は玄人受けするイメージがあります。

 

形競技専用のモデルもあったりして、選択肢も多様です。

 

余談ながら、小生が中学生の頃、所属していた部のキャプテンが着ていたのが九櫻だったのですが、薄っすらと水色掛かった柔道衣でカッコ良かったので、今でも覚えています。残念ながら、該当のモデルは現在では販売されていないようです。

 

ちなみに、正式には「ククラ」ではなく「ククラ」。

「であしらい」じゃなくて「であしらい」みたいな感じです。

 

 

 

ミズノ、九櫻の2強に続くのが、東洋

 

かつては非常に厚手の柔道衣として異彩を放っていた「鎧」の販売元として知られていますが、このモデルは生産終了となってしまった模様。

※ちなみに「鎧」の柔道衣を検索したところ、柔JAPANというメーカーに行き着きました。「鎧」ブランドは譲渡されたという事なんでしょうか?

 

今ではIJF規格に対応したモデルも多数揃っており、品質としても安心感があります。

 

 

 

一方、スタイリッシュなイメージなのが、アディダス

http://acsjapan.co.jp/

 

原沢選手やビロディド選手(ウクライナ)のスポンサーになるなど、宣伝も積極的に行っているようです。

 

肩のところに三本線が入っているデザインが特徴的ですが、三本線が入っていないモデルもあるようです。

 

 

 

以上は、道場でも多く見かける柔道衣のメーカーですが、これ以外にも国内だとミツボシ松勘高柳(「山嵐」ブランド)など、海外だとFighting FilmsGreen Hillといったメーカーもありますので、「人とは違う柔道衣を!」という方は、自分の好みに合うメーカーを探してみるのも良いかもしれません。
 
価格的には、小生のように裕福でない人間にはちょっと手が出せない感じですが、裾のところに赤のラインが入ったデザインがカッコ良く、柔道家の選択肢としてこういった柔道衣が出てくるのは喜ばしい事だと思います。
 

 

 

上記のような記事が出てしばらく経ちますが、現時点(2022/03/21)で、講道館がプーチン氏に何らかのアクションを起こしたという情報は入っていません。
 
個人的にも、やはりプーチン氏に六段を授与した講道館としては、この度のロシアによるウクライナ侵攻に関して何らかの声明を出すべきではないかと考えます。
 
何よりも、ウクライナ侵攻およびその判断を下したプーチン氏の行動は、講道館の「精力善用」「自他共栄」の理念とは明らかに相容れません。
やはり六段を授与した以上、「後は個人が何をしようが知りません」では、世間から無責任と言われても反論できないのではないでしょうか?
上記の記事では上村館長が「しかるべき手順を踏んでしっかり論議して対処」する旨を言及されていますが、煩いマスコミの追求を逃れるための空返事といった印象。
この件についてどのような手順を踏んで、どういった論議がされ、どう対処したのか、今後明かされる事は無い予感がします。
 
もしかしたら「プーチン氏を刺激してくれるな」といったお達しが出ているのかもしれませんが、講道館の段位の価値を守るためにも、何らかの処分を下して欲しいと思います。
 
 
 
蛇足ですが、日本国内で柔道を統括する組織としては全日本柔道連盟(全柔連)と講道館の2つがあります。

 

全柔連は、日本の柔道競技を統括する組織。会長は山下氏。

講道館は、柔道の普及を主目的とした組織。館長は上村氏。

 

ですので、今回の件で関係があるとすれば講道館という事になります。

柔道でよく「釣り手の手首を立てろ」と言いますが、何故、釣り手の手首を立てるのが良いとされるのか、考えてみたいと思います。

その前にまず、「釣り手の手首を立てる」というのは具体的にどのような状態なのでしょうか?

文字通りの意味で捉えると、手首を小指側、掌側、手の甲側、親指側のいずれにも倒さず、前腕と手の甲が一直線になるような状態の事を指すと思いますが、柔道では相手の前襟を握った釣り手の手首を橈屈(とうくつ)させる(親指方向に曲げる)ように力を加えた状態の事を指す場合が多いようです。

しかし、上記のように釣り手の手首を橈屈させただけでは、実はあまり効果はありません。

 


実際に柔道で手首を立てる動作を効果的に使おうとすると、手首を橈屈させる動作に加えて、肘を曲げて前腕を鉛直方向に起こすという動作もセットで行う必要があります。

つまり、柔道では暗黙的に「釣り手の手首を立てる」=「釣り手の手首を橈屈させる釣り手の肘を曲げて前腕を起こす」という意味合いで使われるケースが多いです。

但し、用語の曖昧さ故か、「釣り手の手首を立てる」が必ず上記の意味合いで使われるかというと、そうとも限りません。

文字通り、前腕と手の甲が一直線になる状態の事を指す人もいますし、グリップの方向(手相で言うと感情線の方向)を鉛直方向に向ける(「縦拳」にする)事を指す人もいますので、「釣り手の手首を立てろ」と言われた場合には、具体的にどういった状態の事を指しているのか一度確認しておいた方が良いでしょう。



それでは次に、何故このような形が良いとされるのか?についてですが、理由のひとつとしては釣り手を落とされ難くするためと考えられます。

釣り手の前腕が水平方向のまま素直に相手の襟を握ると、グリップの方向と襟の方向が一致し、襟はまっすぐなままなので、レールのように襟に沿って握りを下方向にずらされ易くなります。


ここで、釣り手の肘を曲げて前腕を起こし、橈屈させるように力を加えると、襟はグリップした部分でS字に折れ曲がるため、握りを下方向に落とすのが困難になります。


※余談ですが、釣り手の肘が伸びて前腕が水平方向のままであっても、かいなを返すようにしてグリップの方向を横にすることで、相手の襟をS字に捻って、釣り手を落とされ難くする方法もあります。


もうひとつの理由としては、技を掛ける瞬間に釣り手の手首を橈屈させて肘を曲げることにより相手を前方に引っ張り出して崩すことができるため、この組み手がより攻撃的な型であると認識されているという事が挙げられます。

 


さらに、ケンカ四つで相手の釣り手の上から襟を持った場合には、こちらの釣り手の肘を曲げることで、前腕や肘を使って相手の釣り手に上から圧を掛ける事もできます。


一方で、釣り手の肘を曲げると、それだけ相手との間合いが近くなるため、接近戦勝負となり、相手の技をモロに食らうリスクも高くなります。

 

また、相手との間合いを確保したり、力をいなしたりするために、敢えて肘を伸ばしたい場面もあると思いますので、状況に応じて臨機応変に使用するのが良さそうです。