自粛ムード | アンクルコアラのブログ

アンクルコアラのブログ

日本酒、ラグビー、美術展、日本古代史、その他ランダムに雑感を綴って行きます。気まぐれなので更新は不定期かも?

ACミランの本田圭佑が、自身のHPで熊本地震の被災者に対して見舞と励ましのメッセージを表明した。

自身は「微力」であり「出来ることは何もない」としながらも、「ただただ気にしている」と率直にコメントしている。

それで結んでいれば、実に殊勝で良いメッセージとなったのだが、本田らしい余計なコメントが付いていた。

それは、各地でイベントが中止になる等自粛ムードが広がっていることに苦言を呈するものである。

そして「こういう時だからこそ、各々が果たすべき役割を果たす行動が求められる」として、「自粛するのは被災者のためではなく、批判されたり商品が売れなくなったりするからだとしたら、それはあり得ない」と斬り捨てている。

この小気味良いコメントに、早速多くのネットユーザーから賛同の声が寄せられているという。

本田がいうことは尤もであり、反論するようなものではないが、何か引っかかるものがある。

先ず具体的に自粛して中止となったイベントとは何か?少し調べて見た。

九州各地で開催予定のプロ野球やサッカーJリーグの試合が中止となったのは、まだ激しい余震が続いている状況から、明らかに安全上の理由だ。

NHKをはじめとして、通常番組が放送延期となり、熊本地震関係の報道特別番組に変更されたが、これも地震が止まず事態が緊迫しているから止むを得ない。

鹿児島・鹿屋の航空ショーが中止になったのも安全上の理由からだ。

同様に民放で娯楽番組が放送自粛となったケースが一二あるようだが、それは放送局の判断の問題だ。放送局として大地震発生、なおも継続中の状況で放映の優先順位を見直すのは当たり前である。お笑い芸人やジャニーズ事務所の連中がはしゃぐバラエティ番組など、いつ放映されても何の問題もない。

私の見たところ、本田が言うような「批判を恐れた自粛」をしたのは東京ディズニーシー開園15周年記念イベントの、オープニングセレモニーを中止したことと、三代目J Soul Brothersが中止した、どうでも良いツイッター絵文字企画くらいである。

そう見て行くと、本田が言うような「批判を恐れ」「商品が売れなくなることを恐れ」自粛したケースが実際にどれだけあるのか?

安倍首相が情報番組への出演をキャンセルしたことも取り沙汰されているが、首相は緊急対策本部のヘッドなのだから、民放番組に出ているヒマはない筈だ。

要は企業や自治体、団体らが自粛しているのは、不要不急のイベントであり、本田の言うような「やるべきことよりも目先の計算を優先した、あり得ない自粛」は実際には殆ど無いのではないか?

そもそもイタリアに居る本田がどの程度日本の現状を知っているのか?どうせ取り巻きのスポーツ記者に乗せられて文化人気取りでコメントしたのだろう。

本田自身の言の通り、サッカー選手の果たすべき役割は、試合で良いプレーをすることであり、文化人気取りで薄っぺらいコメントを発することではない。



iPhoneからの投稿