臥龍梅 | アンクルコアラのブログ

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「ひやおろし」が出回るようになり、日本酒の美味しい季節になって来た。

出荷時期から、「ひやおろし」を日本酒のボジョレーヌーボーになぞらえる向きもあるが、新酒を一夏蔵で熟成されたものが「ひやおろし」だから、酒としての性格は真逆である。

今年初めて味わう「ひやおろし」として選んだのは、静岡は清水の銘酒「臥龍梅」である。
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有名な酒だがこれまで飲んだことがなく、一度飲んでみたいと思っていたところ、新宿小田急の日本酒プロモーションで期間限定で出展されていたので早速「純米吟醸 秋あがり」を購入。

この「臥龍梅」と言う名前の由来は、徳川家康が少年時代、人質として今川氏に預けられていた頃、清水の清見寺にあった梅の木に接木をし、その梅が後年見事な花を咲き誇らせた故事によると言う。

臥龍とは、三国志で、雌伏していた諸葛孔明を表す言葉として出て来るが、まさに雌伏していた家康の分身として清水の人々に愛されているのだろう。多分作り話だろうが。

飲んでみると、淡白で料理に合わせやすい印象を持った。癖のない上品な味わいだが、私の好きな「而今」や「松の司」などと比べると、もう一味のインパクトに欠けるように感じられた。ただ家康らしからぬアクのなさは、食中酒としては悪くない。

ところで臥龍梅と言えば、先日のブラタモリで、仙台刑務所の敷地内にある名梅として臥龍梅が紹介されていた。

伊達政宗が豊臣秀吉の命を受けて朝鮮出兵した際、見事な梅があるのを見て、引き揚げる時に仙台に持ち帰った梅が大きく育ったものだという。

木の幹から枝が地を這うように伸びて、そこに花を付ける様子が龍に似ていることから「臥龍梅」と名付けられたが、本来は「チョウセンウメ」と言うそうだ。

清見寺の臥龍梅も、仙台と同じような由来かも知れないが、そこは清水に縁の深い家康に縁起を求める清水の人々の思いを理解したい。



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