映画感想 「チェンソーマン レゼ篇」(ネタバレあり) | 隅の老人の部屋

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テレビアニメ版は観ましたが原作は読んでいません。
悪魔と契約した者たちが悪魔や魔人と熾烈な闘いを繰り広げるシリーズの劇場版です。

この作品の特徴は主人公デンジが正義の味方ではなく、
自らの欲望を最大の行動原理としているところで、
ダークヒーロー物の魅力を感じさせます。
テレビアニメ版主人公、デンジは借金の返済に追われ、体に二つあるものは〇玉まで売ったという状態で登場しました。

悪魔がはびこっているという世界観で、
悪魔を駆除する公共機関のほか民間のデビルハンターも多く存在します。
デンジはチェンソーの悪魔ポチタとともにデビルハンターで日銭を稼いでいましたが、
裏切りにあい殺されそうになりポチタと改めて契約して悪魔の心臓を得て復活しました。

その後、公安対魔特異4課のリーダー、マキマにスカウトされ、
安定した生活のため政府のデビルハンターとなります。
ミッションを受けるときも、
胸をさわらせるとかキスできるとか子供っぽい欲望が先行したりしていますが、
この二つが良い想い出とならなかったため、
マキマに操を捧げると誓ったりもしました。
デンジの独特な純粋さも作品の魅力の一つです。

これまでのところ最強の敵は銃の悪魔と呼ばれる存在で、
公安のメンバーには銃の悪魔を仇として狙う者もいます。
銃の悪魔はチェンソーの悪魔の心臓を狙っていて、
これが物語の最大の謎と思えます。
悪魔が人間と合体した魔人と呼ばれる存在もいて、
デンジとバディを組む血の悪魔と合体したパワーも魔人の一人です。

今回パワーは血を抜くということでオープニングとエンディングしか登場しません。
デンジは、交代要員としてサメの悪魔ビームとバディを組むことになりました。
ビームはなぜかチェンソーの悪魔の信奉者で、
悪魔たちの情報も持っているようなので、
そのあたりに理由があるのかもしれません。
サメ化したビームは、目がポチタと似ているので何か関係あるのかとも思えました。

序盤でデンジは、デートと称してマキマに連れまわされ、一日中映画をはしごして観続けます。
意外にも二人の映画も好みというか、感性が似ていることが分かりました。
デンジはチェンソーの悪魔と合体してから人の心が失われていっているのではないかと不安になっています。
今回はマキマがデンジの状態を確認しようとしたのではないかと感じました。

その後デンジはミステリアスな少女レゼと知り合います。
マキマを好きだと決めていたデンジは迷いますが、
レゼを好きな気持ちも抑えられず付き合い始めました。

同時に爆弾の悪魔と台風の悪魔が、チェンソーの悪魔の心臓を狙って攻撃を開始します。
これまでにない破壊力を持った悪魔たちで、
特に爆弾の悪魔は他の悪魔より上位と感じさせて、
後半たっぷり描かれる戦闘は迫力に満ちていました。

どれだけ破壊と殺戮を繰り返してもレゼを想う気持ちが変わらないところに、
デンジらしさが現れていると思います。
ラストではマキマの圧倒的な強さに驚かされました。

今回、チェンソーの悪魔の心臓が持つ謎については全く進展がありませんでしたが、
公安デビルハンターの一人、早川 アキとバディ、天使の悪魔との関係には変化があって、
これが残り寿命が少ないアキの運命に関わってくるのではないかと期待されます。

このところ主人公が悪魔、巨人、怪獣などと合体・変身して戦う人気作が増えていて、
個人的ですが永井豪の傑作「デビルマン」の流れを汲む作品として楽しんでいます。

余談ですがテレビシリーズ版の一番衝撃を受けたのは第7話のエンディングに使われ大ヒットした「ちゅ、多様性。」のサビ、ゲロチューがアニメ内容に即したものだと知らされたときでした。

今回は時間を間違えてものすごく早く映画館に着いてしまいました。
上映時間を確認しようとして予約したのが普通の上映なのに、
誤ってIMAXの時間を見てしまったためです。
時間を持て余して、集め始めたらキリがなくなるので普段は買わないグッズを衝動買いしてしまいました。
まあ大判のクリアファイルのおかげでJiNZ(ⅰはさかさま)のコラボチラシが傷つかずに持ち帰れたので良しとしましょう。