オリジナル版「コンフィデンスマンJP」シリーズは大好きで、スピンオフのショートドラマ以外は観ています。
テレビシリーズ版の放送時からJPとつけたのはKRやCNを予定しているから、
という説明がありましたが、ようやくKRの登場となりました。
主要キャラクターの設定だけ使ってストーリーはオリジナルになるのでは、
と予想していたのですが、
今回見た第1話、第2話はJP第1話のリメイクとなっていました。
ヒロインのイラクを中心とした3人の詐欺師チームが、
黒社会の大物という裏の顔を持つ実業家から大金を奪おうと仕掛けていきます。
といってもキャラクターの印象は少し変更されています。
ヒロインのイラクは、長澤まさみが演じたダー子ほどエキセントリックで奇矯な性格ではなくて、わりと普通な感じでした。
一番イメージが違うのはJPでは小日向文世が演じたベテラン詐欺師リチャードで、
中年の渋いイケオジ・ジェームズになっています。
第1話、第2話での出番は少なめですが、小日向文世の飄々としたユーモラスさとはかなり異なった印象でした。
お人好しで囮キャラみたいに扱われる東出昌大が演じたボクちゃんに関しては、
それほどイメージの変わらないキャラクター、グホとして登場しています。
作風自体もJPが基本コメディだったのに対し、韓国ノワールのテイストが濃くなっていてややシリアスな印象です。
さすがに第2話のクライマックス、飛行機の場面はドタバタ調ですが。
JPの魅力だったはじけた感覚の部分が弱くなって感じられ、
個人的にはイマイチでした。
まあストーリーも作風も同じだったら、
JP見直したほうが良い、ということになってしまうので仕方ない部分もあります。
イラクの隠れ処となっているホテルの部屋やカジノはかなりゴージャスで、
JPより予算かけているんじゃないのか、という印象ではありました。
JPで江口洋介が演じたキャラクターとして「善徳女王」の悪役ミセン役で強い印象を残したチョン・ウンインがゲスト出演、今回もインパクトのある演技を見せています。
第2話エンディングではイラクが裏の顔を持っていそうなことが暗示されたり、
イラクの幼少時がホラータッチの演出で描かれたりするので、
別物として展開すると割り切って観た方が良いのかもしれません。
第3話は予告編を見るとJP第3話のリメイクのようです。
「コンフィデンスマンJP」の脚本を手掛けた古沢良太は、
自殺したアイドルの一周忌で集まった5人のファンが彼女の死の真相を検討していく「キサラギ」(2007)が出世作です。
個人的に古沢良太原作・脚本の隠れた名作と思っている映画に「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」(2015)があります。
売れない芸人としてひっそり暮らしている主人公(野村萬斎)が実はサイコメトラーで、
行方不明となった女性の捜索を依頼されたことから事件に巻き込まれていく、
という金子修介監督のミステリーでした。
低予算の小品で派手な見せ場はありませんが、
伏線の回収がきっちりしていて軽妙にテンポ良く進み、ラストまで楽しめました。