原題;TERROR VISION
製作年;1986
監督;テッド・ニコラウ
脚本;テッド・ニコラウ
音楽;リチャード・バンド、ドン・ペリー
出演;ダイアン・フランクリン、ゲリット・グレアム、チャド・アレン、メアリー・ウォロノフ
(ネタバレあり)
ブラックなギャグに満ちたチャールズ・バンド製作のSFホラー・コメディ。
プッターマン家では夫のスタンリーが衛星放送のアンテナを調整していた。
家族はエアロビ好きな母のラクエル、パンクな長女スージー(ダイアン・フランクリン)、いたずらっ子シャーマン(チャド・アレン)、そして軍隊ボケしているじいさん。
シャーマンはパーソナリティのメデューサが司会するホラー映画番組に夢中。
スージーが連れてきた恋人O.D.はヘビメタ兄ちゃん。
両親が出かけた後でじいさんがリモコンをいじったら、宇宙で電波に乗せられて追放された凶悪モンスターを受信してしまう。
じいさんとシャーマンがソファで寝込んでいるとモンスターが現われて双方ビックリ。
泥棒が入ったと思い込んだじいさんは武装を開始。
そこに衛星放送のアンテナの修理人ノートンがやって来て第一の犠牲になる。
モンスターは電波に乗ってテレビ受像機間を移動することができた。
次にじいさんも食われてしまう。じいさんは何故か緑色の体液を流す。
モンスターを見たシャーマンは警察に通報するが、いたずらと思われて相手にされない。
そこに両親がスピロとチェリーの夫婦を連れて帰ってきた。
シャーマンの言うことを信じないラクエルが彼を叱っている間に、スタンリーは客を案内。
屋内プールも完備したゴージャスな造りにスピロ夫妻も大喜び。
テレビに宇宙人が映って衛星放送の受信機を破壊してテレビを200年使わないよう警告するが、スタンリーはSF映画の放送と思って気にしない。
モンスターは食べた人間の顔を触手の先に再生して物マネする能力を持っていた。
ラクエルがじいさんの部屋の覗くと、モンスターがじいさんに成りすまして返事をする。
シャーマンが噓をついたと怒ったラクエルは、彼をじいさんの部屋に押し込んでドアに鎖を掛けてしまう。
シャーマンはおっかなびっくり部屋を見て回るが、モンスターはすでにじいさんの部屋から消えていた。
二組の夫婦はスワッピングの準備に夢中。
チェリーのドレスの下はビキニ、さっそくプールに入ってスタンリーを誘う。
そのころシャーマンは宇宙人の通信を見ていた。
宇宙人はプルーサーと名乗り、処理場のゴミを含んだ光線が太陽系に送られた可能性があると告げる。
シャーマンは、メデューサの番組の電話コーナーに連絡するが、やっぱり相手にされない。
一方、ラクエルはスピロに言い寄るが、彼は男色家だった。
室内プールにいるチェリーを見つけたスピロは自分も入っていく。チェリーはすでに餌食になっていた。スピロも食われてしまう。
スタンリーとラクエルも水中から現われたモンスターに襲われた。
悲鳴を聞いたシャーマンは再度警察に連絡するが、やっぱり相手にされない。
シャーマンは自分で闘おうとドアを爆破して部屋を脱出する。
そこにスージーとO.D.が帰ってきた。
スージーとシャーマンが両親の部屋を覗くとベッドには二組の夫婦がいた。その間からじいさんまで顔を出す。
家族の乱交ぶりにあきれ果てるスージー。
O.D.がテレビを見ているとモンスターが出現。シャーマンが銃撃しても、びくともしない。
O.D.に迫ったモンスターが突然おとなしくなった。
O.D.のメタル・ファッションが、宇宙で可愛がり餌をくれた飼い主を思い出させたのだ。
「E.T.」を思い出したO.D.は菓子を与えて成功。
三人はモンスターに食事を出したり音楽を聞かせたりしてコミュニケーションを図る。
スージーはモンスターを使って金儲けしようと発案。シャーマンの思いつきでメデューサに連絡を取るが、やっぱり相手にされない。
そこに警察の対するいたずら電話の件で警官がシャーマンを逮捕に来た。
一方、プルーサーの放送を見たモンスターが暴れだしてO.D.を食べてしまう。
シャーマンはモンスターを攻撃。
警官も犠牲になった。
本格的な戦闘態勢に入るシャーマン。
スージーとともに両親を救出しに行って、寝室で両親も犠牲になったことを知る。
シャーマンとスージーはテレビに夢中になっているモンスターに不意打ちをかけようとするが、粘液で滑ったため見つかってしまう。
二人がなんとか逃げ出すと、プルーサーが助けに来た。
モンスターはもともと宇宙人のペットだが、成長すると凶暴な生物に変化するので処分しなければならないのだ。
生きたまま捕まえることが出来れば犠牲者を遺伝子から再生して特殊な水槽の中で生き続けさせることが出来るという。
そこにこの家でパーティーが開かれていると勘違いしたメデューサがやって来た。
メデューサは武器を持ったプルーサーを敵と勘違い、後ろから近づいてヘルメットを割ってしまう。
プルーサーは減圧したため破裂してしまった。
壁を破ってモンスターが攻撃してくる。
モンスターはものすごい吸引力でシャーマンたちを吸い込んでいく。
朝になり表に停めた車で寝ていたマネージャーをメデューサが起こす。
車に乗り込み「スタジオまで飛ばして」と言うメデューサは、顔半分以外がモンスターだった。
スマートな出来栄えとは言い難いのですが、快調にギャグをとばし、楽しめる作品になっています。
オール無名キャストですが、それなりに出演作のある俳優を集めているので演技的にも悪くはありません。
ホラー映画番組のパーソナリティに助けを求める展開は「フライトナイト」(1985)のパロディ。
メデューサのキャラクターは、実在の人気パーソナリティ、エルヴァイラことカサンドラ・ピーターソンをモデルにしているのでしょう。
モンスターが食べた人間を再生する能力を持っているという設定は、「ザ・グリード」(1998)、「ヘル・ファイヤー」(2004)と時々使われています。
シリアスなモンスター・ホラーだとやや違和感があるのですが、本作はコメディなので気になりませんでした。