映画感想 「小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜」(ネタバレあり) | 隅の老人の部屋

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命の恩人・小林さんがメイドマニアだったのでメイド姿で人間界にやって来た竜のトール、
序盤ではトールの人類に対する不穏な発言も目立ちましたが、
基本的にはほのぼのとした味わいが魅力のシリーズです。
最高のごちそうが自分の尻尾とかシュールな展開も楽しめました。

今回の劇場版では幼いドラゴンのカンナがメインで、
テレビ版ではシルエット的に竜の姿が出ただけだったカンナのお父さん・キムンカムイとの物語が描かれます。
これまで竜族については神々との戦いのエピソードが多かった気がしますが、
本作では竜内の種族間での抗争が中心となっていました。
悪人といえば失脚するパワハラ上司程度でしたが、
始めて本格的な悪役が登場するのも特徴になっています。

カンナのお父さん・キムンカムイが人間の姿で現れ、
”イタズラが過ぎて人間界に追い出された”程度の表現でスルーされていたカンナの事情が明らかになります。
カンナの行動は親の愛への渇望が原動力になっているのですが、
キムンカムイには理解できず、
その目的はカンナの持つ竜玉の力でした。
小林さんは薄情さに激怒しますが、
竜族としては普通のことなのかもしれません。
今回、登場する多数のドラゴンはみんな好戦的だけど純粋で正直な性格で、
その分騙されやすい存在として描かれます。
トールのお父さんは思慮深くて優しいキャラクターだったので、

ドラゴンとしての格が関わっているのかもしれません。

キムンカムイが力を欲するのはドラゴンの種族間で戦争が勃発しそうになっているためで、
その背後にはドラゴンに恨みを持つ者の策謀が蠢いています。
これまでも戦闘シーンはありましたが、今までにない迫力のある戦いが描かれて見せ場を盛り上げていました。

親子の情愛が通じ合うラストには感動させられました。
もしかしたら単純明快な性質のドラゴンたちは、人間と接することで性格が変化しやすいのかもしれません。
カンナと才川のの愛おしさも必見です。
クロエも加えた3人で世界を救うスピンオフとかも作ってほしいです。

原作は読んでいませんが、
もしかしたらダジャレで考えたタイトルが先行してストーリーは後からふくらませていったんじゃないかと思うことがあります。
今回もう一人の小林さんとして小林幸子が参戦しているのも笑えました。
本物の?小林さんは命がけの戦いに挑んだり、膨大な魔力の持ち主だったりして、テレビ版とは多少違うように感じましたが、これはこれで魅力的でした。

テレビ版ではちょっとしか出なかった妖精のおっさんが娘を連れて大活躍するのも楽しめました。