子供の頃は多岐のジャンルにわたって多くの海外ドラマがテレビで放送されていた記憶があります。
単純に大きく先行してテレビ放送を開始したアメリカに豊富な作品があったためと考えていましたが
(WikによるとNTSC方式でアメリカが1941年、日本が1953年にテレビ放送開始)
今回Wikiを調べたら1958年に日本の映画会社主要6社がテレビ会社に対する作品販売や所属俳優の派遣を完全に停止したためアメリカ製の番組が大量に輸入され、
1961年の新東宝倒産を機に緩和されたものの1970年頃までこの傾向が続いたとありました。
テレビの普及により斜陽産業と化した日本の映画界が対抗策として行ったのだろうと思います。
その頃はゴールデンの時間帯にも多くの海外ドラマが放送されて人気を集めていました。
「ドクターⅩ」に登場する猫の名前にも使用された医療ドラマ「ベン・ケーシー」(1961~)は最高視聴率50.6%だったそうです。
このドラマは冒頭にシンボルマークが描かれるとともに「男、女、誕生、死亡、そして無限」というナレーションが流され、
当時は医者ものコントの頭でも、このナレーションがよく使われていたという記憶があります。
このナレーションが流れれば特に説明がなくても視聴者には医者ものだとわかるからでしょう。
ちなみに「ドクターⅩ」のもう1匹の猫ギャノンも「外科医ギャノン」(1969~)から引用されています。
そんな中でアメリカも日常生活を見ることのできるホームコメディーも多く放送され人気を博しました。
戦時中、長らく触れることのできなかったアメリカの家庭は明るさに満ちていて庶民の憧れの的だったのだと思います。
私も「パパは何でも知っている」(1954~)「うちのママは世界一」(1956~)「ビーバーちゃん」(1957~)「ニューヨークパパ」(1966~)などを見ていました。
どの番組だったか覚えていませんが、家の中に不審者が入り込んでいるらしいというようなエピソードがあって、最後は引っ越してから主人公の住人たちも気づいていない部屋があったという展開になり、アメリカの家スゲーと思った記憶があります。
こちらはたしか「ビーバーちゃん」だったと思いますが、親に内緒でワニの赤ちゃんを買って育てていたらどんどん大きくなって子供の手には負えなくなるというエピソードも印象に残っています。
ドラマではワニを見つけた父親が引き取り先を見つけてくれるという展開だったように思いますが、
アメリカには手に負えなくなって捨てられたペットのワニが下水道で成長して棲みついているという話があります。
かなり以前にニューヨークで警察官が下水道からワニを保護するという写真を見た記憶もあるのですが、
どうやらこの話は一種の都市伝説らしいので今でいうフェイクニュースの合成写真だったのかもしれません。
この都市伝説をもとに動物パニック「アリゲーター」(1980)が製作されていて、
脚本がジョン・セイルズ、監督が「クジョー」のルイス・ティーグということもあって当時作られたワニ映画の中ではわりと楽しめる作品でした。
滝俊介(溝口舜亮)版のドラマ「江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎」(1970)のエピソード「白昼夢 殺人金魚」もこの都市伝説がヒントとなっていると思います。
トイレに流した金魚が下水道で巨大化していて、犯人を飲み込んで窮地に陥った明智小五郎を救うというトンでも展開だったと記憶してます。
このエピソードはなぜか本放送ではお蔵入りとなり、もう一つの未放送エピソード「白昼夢 殺人狂想曲」とともに後日別途放送されました。