子供のころ大好きだった海外ドラマにホラー物のシットコム「マンスターズ」(1964~)と「アダムスのお化け一家(アダムス・ファミリー)」(1964~)がありました。
ネットで調べると「アダムスのお化け一家」が先行して放送されて人気を博し、
それを追う形で「マンスターズ」が製作されたようです。
日本ではリメイク版「アダムス・ファミリー」(1991)がヒットして近年でもアニメ版やスピンオフ「ウェンズデー」(2022)が製作されている「アダムスのお化け一家」の方がカルト的人気作として認知されていますが、
アメリカ本国では「マンスターズ」も繰り返しリブートのテレビシリーズ、映画やアニメ版が作られげいる人気作です。
「スタンド・バイ・ミー」(1986)で知られるジェリー・オコンネルがハーマンを、「アリー・myラブ」(1998~)に出演していたポーシャ・デ・ロッシがリリーを演じたパイロット版のみで終わったバージョンもあって、監督は「Ⅹ-MEN」(2000)シリーズや「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)のブライアン・シンガーが担当したそうです。
マンスター家の構成は主人のハーマン(フランケンシュタインの怪物)、妻リリーとその祖父(吸血鬼、旧姓はドラキュラ)、息子のエディー(狼男、変身シーンがあったかどうかは覚えていません)、姪のマリリン(人間の女子大生)となっていて、
階段の裏にはペットの火を吹く竜がいます。
子供時代の私は両方のシリーズとも好きでしたが、どちらかというと「マンスターズ」がお気に入りでした。
「アダムスのお化け一家」がブラックユーモアの傾向がありやや年長者向けであったのに対し、
「マンスターズ」はキャラクターが分かりやすいユニバーサル・モンスターのパロディで、
ちょうど藤子不二雄のコミック「怪物くん」が連載されていたこともあって
子供にも受け入れやすい作品だったのだと思います。
ハーマン夫妻は家の装飾などが怪奇趣味で美醜の感覚も一般人とは大きく異なっていて
普通に美人の姪マリリンに対して生まれつき醜くてかわいそうだと同情心を抱いています。
外出するとハーマンの姿を見て逃げ出す人もいますが、適当に別の理由を思いついて自分が怖がられているなどとは考えません。
ハーマンは、無邪気で子供っぽく善良な性質の持ち主です。
映画版「怪物家族大暴れ」(MUNSTER, GO HOME、1966)も製作されていて、
遺産相続の通知が来てイギリスに渡るマンスター一家と、
旧マンスター邸に住んでいて財産乗っ取りを企む家族との騒動が描かれました。
余談ですが ハーマン役のフレッド・グウィンが1926年生まれ、リリー役のイヴォンヌ・デ・カーロが1922年生まれ、おじいちゃん役のアル・ルイスが1923年生まれとメインの3人が、実は同年代だったりします。
特にイヴォンヌ・デ・カーロは大作「十戒」(1956)に出演、クラーク・ゲーブル主演の異色作「南部の反逆者」(1957)ではヒロインを演ずるなど、
かなりの大物女優です。
晩年は「悪魔のチアリーダーズ」(1977)、「悪魔のいる渚/サイレントスクリーム」(1980)などB級ホラーへの出演が多くなっていました。