先週の火曜日(17日)、話の流れで、Charさん宅のキッチンをお借りして料理をすることに。


広いキッチン、大きなオーブン。こういう環境で料理できるというのは至福だ。

暫く家でちゃんとした料理をしていなかったから、なおさら楽しかった。


懸案だった2人の姫君のための料理も、カルボナーラのリクエストを頂き一安心。

子供向きの料理ってなかなか悩ましいもの。



さて、飲んだワイン。


□Pommery / Brut Millesime 1982

 
  
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色は年相応の濃い黄金。

泡もかなり弱くなっているが、マロンやモカがたっぷり出ていて、

酒質もまろやかで美味しい。まったりした熟成champagneの典型だといえる。


champagneにおける熟成したマロン香というのは、どうもデゴルジュ後暫くしないと強くは出ないそうだ。

最近champagneをネット販売しているところでも、デゴルジュの日付を情報として載せているところが増えてきて

それはそれで好ましいことだと思うのだけれど、某誌のように「デゴルジュ後1~5年が飲み頃」とかって

断定してしまうのはどうなんだろうなぁ。

そんなの人の好みによるんじゃないの、と僕は思う。




□E.Sauzet / Chevalier Montrachet 1997


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何時だって心のヒットチャート第一位はこのドメーヌだ。

(正確に言えばもうドメーヌでもないんだけど・・・)


そんな大好きなソゼの、最も好きなシュヴァリエの、今飲み頃な97。

・・・が、やや加熟気味か、同年のワインに比してやや濃い黄金色の液体は甘く、

厚みがあって間違いなくグラン・クリュなのだけれどシュヴァリエらしさがない。

ちょっとぽってりしてしまっている。

蜂蜜感もあって美味しいのだけれど、僕にはソゼらしさは余り感じられなかった。


予断だが、途中シェリーも出始め、落ちるかな?と思ったけれども落ちず。

偉大なワインって実に土俵際の踏ん張りが強い。粘り腰。


何か色々書いてしまったけれど、掛値なしに偉大なワインだ。

ソゼ好きの僕の為に、これを開けてくれたCharさんに改めて感謝。




もうちょい飲み足りないなー、ということで…


□Verget / Chablis Grand Cru "Vaudesir" 1996


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「たぶん96病(Premature Oxidization)にやられてるよ」とのことだったのけれど、ところがどっこい。

これがなかなかに素晴らしかった。


最初は酸が立っていた。96特有のアフターに来て頬がキュッとなる感じの酸だ。

しかし時間の経過とともにバランスが整い出し、味わいにも厚みが出てきて

シャブリらしい強靱なミネラルに支えられたカスタード、蜂蜜、バタースカッチなどリッチな印象に。


ちなみに1/3ほど残ったものを頂いて返り、翌日試したのだが・・・

これが更に良くなってきていた。

トロトロの蜂蜜に96の酸がよく合って、純粋で濃い蜂蜜レモンのよう。


タバコの葉みたいな澱がたくさん舞っていたが、全部飲んでしまったw



おまけに、Charさんが前日開けて典型的な96病だった、というこれを味見させていただく。


□Michelot / Meursault 1er "Les Narvaux" 1996


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色は薄いレモンイエロー。

Charさんは典型的な96病だったというが、僕には感じられず。

その旨を伝えると、Charさんも一口飲んで「昨日と前々違う!」と。

最初はそれなりに平坦だったのだけれど、段々とライチ、パッションフルーツ的な香が出てきてぐっと美味しくなった。


白フェチ師匠のCharさんのことだから、ほんとに昨日はあの独特の96病の感じだったのだろう。

しかし翌日(僕が飲んだ当日)は至って健全だった。

一体このワインに何が起きたのか。

もとい、この現象はこのワインだけの問題なのか。


僕が時々読ませていただいているブログ にあったのだけれど、

「特に白ワインに現れる現象で、熟成課程で一時期明らかに酸化した状態になるのに、

 更に熟成が進むと酸化の 特徴が焼失し、健全な古酒になる」という現象があるらしく、

これを『ポジティブな酸化』というらしい。


96病も実はその手の熟成だったりするのだろうか。

あの強烈な酸が収まるとは中々考え悪いけれど、現実にこういう現象もあるわけで…。

96病、まだまだ奥が深い。。。




厚かましくも、Charさん 御一家の家族旅行に同行させて頂くことに。

ワイン飲みーの、温泉入りーの、プールで泳ぎーの、寒空の下追いかけっこしーの、みかん狩りーの、よく遊んでよく飲んだ2日間。


宿は『ウェルネスの森 伊東』。

リゾートマンションを買い上げてホテルにしている、というだけあって、本当にマンションみたい。

設備も完璧で、薄型大画面TV、ホームシアターセット、Wii、マッサージチェア、システムキッチン、大型冷蔵庫などが揃っている。

是非長期滞在してみたい。



で、飲んだワイン。

【1日目】


□Fontaine Gagnard / Batard Montrachet 1997


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色は煌きのある薄いイエロー。

香をとった瞬間にグランクリュと解る、複雑味と広がりのあるアロマが広がる。

味わいにはしっかり樽が効いていてダイナマイツな感じなのだけれど、

果実が負けていないのでバランスが非常に良い。

蜂蜜、マロン、モカ、カフェオレ、バター、クリーム感。

どちらかというとエレガントなタイプの白を好む僕なのだけれど、

これは明確に美味しい。というか、これが嫌いな人は樽に対する偏見があるとしか思えない。

確かに樽はお化粧なんだけれど、美人が上手く化粧すれば、それは1+1を3にも4にもするのだろう。



■Jacky Truchot / Morey Saint Denis 1er "Clos Sorbes" VV 2003


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前回飲んだ時 、「意外と美味しいじゃん!」と思ったけれど…

結論からいうと、今回のボトルはその時のボトルに比べて固く、まだ飲み辛かった。

色調もまだ紫が支配的で、甘みの強い、焼けた葡萄のニュアンスがある。

前回は肉を頂きながらだったので気にならなかっただけかもしれないが

個人的にはトルショーの美点は此処には無いと思う。

あと5年は待ちたい…かな。




【2日目】

□Henri Clerc / Purigny Montrachet 1er "Les Combettes" 1997


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ちょうどアンリ・クレールのコンベットを買おうか検討していて、Charさんに「どうですかね?」と訊いてみたところ、なんと「持ってるけど、飲んでみる?」とのお言葉を!

ほんと何でも持ってるな・・・・さすが白フェチ師匠えっ


色は濃いけれど、まだ持ちそうな色調。

が、立ち上がりがなんだか不安定。

甘みは残しているが、骨格となる酸がやや不足気味か。

ただ果実味のたっぷり感、豊満さはコンベットのそれ。

状態に問題はなさそうだったけれど、ややピークアウトしていたかな?と思う。



■Chateau l'Evangile 1994 (Pomerol)


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今やすっかりブルゴーニュを偏愛している僕だけれど、嘗ては例外に漏れずボルドーに嵌っていた。

その頃もレヴァンジルをたくさん飲んだ記憶はない。

思うに、ボルドーらしさをカベルネに求めていたため、メルロー主体のワインにはそれほど興味がなかったのだろう。


が、久し振りに飲んだこのレヴァンジルが、吃驚するぐらい良かった。

はっきり言って超好みだ。飲み頃のものが安く手に入るなら、たくさん欲しい(←無理


シルキーさは間違いなくボルドーなのだけれど、カシスやアメリカンチェリーに混じり、赤系の果実が弾ける。

兎に角透明感があって、エレガント。

実にしっとりしていて落ち着いているのだけれど、引き込まれるような魅力がある。

フェミニンなボルドー、とはこのことだろう。

いやぁ、大人のオンナっていいなぁ…。


ちなみに、翌日もこのワインを少し頂く機会があったのだが、より透明感を増し、

輪郭がくっきりして魅力を増していた。

是非もう少し飲んでみたい。

でもボルドーはなぁ…飲み頃がなぁ。。。

溜息。








大好きなダンジェルヴィーユの88を飲ませて頂ける、ということで青山某所へ。


この段階では、こんなに素晴らしい会になるなんて思ってもみなかった。

僕が出たワイン会の中では1、2を争う素晴らしさ。

「大人のガチャポン」なブルゴーニュにして、全て場外ホームランという僥倖。

今思い出してみても頬が緩む。



まずは泡。ラ・ロマネさんご提供。


□Lenoble / CUVEE GENTILHOMME 1996 GRAND CRU BLANC DE BLANCS


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ルノーブルらしく、甘く柔らかな香。摩り下ろし林檎。

泡も非常に細かく、ルノーブルにしては激しい方だけれど、やっぱり柔らかい。

少しトースト香もあって、味わいも香も複雑。

エレガンスがある。

やっぱりルノーブルは美味しい。




続いて白。ここからが凄かった。


□J.F.Coche-Dury / Bourgogne Blanc 1992


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僕の持参ワイン。

コシュ・デュリといえども、92といえども、まぁそれなりかな・・・と思っていたけれど。

甘かった。


これがブルゴーニュのシャルドネだ!という高貴な、上品な、それでいて華やかで素晴らしい香。

素晴らしく上品で、どこまでも綺麗な造り。

もう、そうとしか表現の仕様がない。

決してカリフォルニアでは出せない世界が此処にある。

一流生産者の凡年の一級は軽く凌駕する美味しさ。

これでムルソーだったらどうなるんだろう…。


3時間後くらいにエステルが出てくるなど、まだ発展の余地も感じさせた。

温度が上がっても一向にダレず、崩れず、香も落ちない。

恐るべし、コシュ・デュリ。



□Joseph Drouhin / Beaune 1er Cru Clos des Mouches Blanc 1992


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Charさんの1本。

立ち上がりこそやや不安定で、飲む順番を間違えたかな?と思った。

ところが、これも甘かったw


時間の経過と共にどんどんバランスが整ってきて、味わいにも奥行きが出てきた。

まさに蜜蜂の飛ぶ、甘い花の香の漂う畑にいるよう。本当にそんなイメージが湧くのが凄い。

味わいも甘くハニー的で、僅かに残る苦味がいっそう蜂蜜感を増している。

綺麗でスマートな造りのコシュ・デュリとは対照的に、

パワーがあって享楽的に美味しい、素晴らしいワイン。

アフターも素晴らしく長い。


こちらも飲み終わるまでの4時間、ずっと落ちずに発展し続けた。

同じ92にして、コシュ・デュリと全くタイプは違うけれど、甲乙付けがたい素晴らしさ。

どちらも素晴らしく香るし、どこまでも複雑でピュアでエレガントだ。

こういうワインを飲んでしまうと、もう若いシャルドネは飲めない。




で、赤。



■Marquis D'angerville / Volnay 1er "Champans" 1988


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ラ・ロマネさんご提供。写真はCharさんご提供w

この日のメイン・・・のはずだったダンジェルヴィーユ。

しかし残念ながらお醤油が入ってしまっていた。

やはりダンジェルヴィーユは状態にかなりシビアなようだ、、、。



と、ここでロマネさんから代打が。

これが驚愕の・・・



■Comte Georges de Vogue / Chambolle-Musigny 1er " les Amoureuses" 2002


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このワインを持って来て頂いたときは、何かの間違いかとw

ご好意はとても嬉しかったのだけれど、固い固いヴォギュエ。

その02、ということで、正直「まだ10年は早いだろう…」等と思ってしまった。

やっぱりこれも甘かった(今回こればっかりw)


もう色からして素晴らしい。

見るからに凝縮した、照りのある、しかり澄んだバーガンディ・レッドの液体。

香りは干し葡萄や無花果等のドライフルーツをぎゅぅぅぅぅぅぅぅぅっと濃縮したイメージ。

液体に満ちる驚異的なエナジーが、中心の一点に向かって集中している。

干し葡萄とくれば黒く感じるかもしれないけれど、香はあくまでピュアな赤系果実で、どこまでも透明感があってドライ。

やっぱり若さは否めないのだけれど、現段階でも果てしなく妖艶。

引き込まれてしまう魅力がある。

味わいもフルーツの甘みがたっぷりしているのに、05のようなくどさがない。

そしてアフターは糸を引くようにずっと残る。

改めて02がここ15年でのベストのヴィンテージだと確信した。


シャンボール独特の冷たさをしっかり持ちながら、グラスの底からわきあがって絡み付いてくるような芳香。

漣一つ立っていないような水辺の静けさと、その奥にある満開のお花畑。

なんだか書いていて恥ずかしいけれど、本当にそんなイメージが浮かんでしまうのだ。


僕はブルゴーニュの魅力は二律背反性にあると思っている。

清純でありながら果てしなく淫蕩、凛としているのに弱く、厳格である反面包み込むような優しさを持つ。

このワインはまさに、そんな二律背反的要素を持っていた。

若いワインでここまで心を動かされるなんて、もうないと思っていたけれど…。


以前初めてヴォギュエで感動した 、と書いたけれど、このワインは(格的に当然ながら)遥かにその上を行く。

僕的には、ここ数年で飲んだ赤で1、2を争う。




コシュ・デュリ、ドルーアン、ヴォギュエはそれぞれ完成され過ぎていて、つまみが全く不要だった。

白の2本は、格的にはACブルと1級なのだけれど、先日の素晴らしかったコルシャル を凌駕していた、

といっても過言ではないだろう。

兎に角全てのワインが場外ホームラン。

何時も気紛れなブルゴーニュの女神が微笑んでくれたとしか思えない、幸せなワイン会だった。


ラ・ロマネさん、Charさん、本当に有難うございました。

翌日までまだ香りが残ってた気がする…ラブラブ!