丸山清光「東京六大学野球人国記」(鳥影社・2700円+税) | 野球少年のひとりごと

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本のことを中心に、関西学生野球や高校野球のことをつぶやいています。
また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

朝から月参りで、岸和田の西方寺さんが参ってくれる。いつものように法然上人の「一枚起請文」を含む「浄土宗日常勤行集」を唱えていただく。私たち夫婦も経文を見ながらであるが唱和する。このところ老猫のチビ(6月で16歳になる小型の白の雌猫、目がブルーのため生まれつき耳が聞こえない)の夜鳴きが激しくなってきて睡眠不足気味で、朝もゆっくり起き出すことが増えているので、今日のように坊さんが来る準備をするようなことで早起きすると午前中がとても長く感じる。10時半からは、楽しみにしていた関西学生野球連盟第8節1回戦・母校と近大のゲームをスカパーで観戦する。予想通りというかエース金丸くん(4年、神港橘)の登板はなしで、スタンドにWBCジャパンの井端監督や多数のスカウトの姿が見えたが、肩すかしであった。先日のゲームで腰を痛めたことが大事になっていなければよいが。ゲームは単調な攻撃(散発の3安打、3四球)のくり返しで終ってみれば、10三振を屈しての完封負け。これで4勝5敗(勝点2)で、現在4位。優勝が関係なくなったこともあるのだろうと思うが、リーグ戦初出場の選手の姿も見ることができた。菊川くん(3 年・今治⻄)ははじめての先発出場だと思うし、代打で出場の市原くん(3年・ 三重)もはじめての選手登録(ベンチ入り)で早速打席に立ったわけだ。秋のリーグ戦に向けて、下級生も含む競争の中で強力な打線の編成を期待したいところ。

 

本の話である。今日アマゾンから届いたのは、丸山清光「東京六大学野球人国記(激動の明治、大正、昭和を乗り越え1世紀)」(鳥影社・2700円+税)である。わたしの東京六大学野球への興味は、小学4年から地元強豪校(大阪大会でベスト8以上の常連)府立岸和田高校野球部の練習見学に通い始めた頃に遡る。当時、土曜日曜は練習試合を見るためにに毎週、平日もわりとしょっちゅう練習を見学に出かけた。練習試合ともなると百人以上の地元のおじさん達が、平日の練習にも付近の商店主などが10人以上やってきて見学していたが、中で子供はひとりだけ。おじさん達にも選手達にも顔を覚えられて、ちょっとしたマスコット扱いであった。夏の大阪大会ともなると電車を乗り継いで球場(当時まだあった、大阪球場や日生球場、藤井寺球場、中モズ球場などへ)まで出かける始末で、いま考えても変わった子供だったと思う。

 

話を戻して東京六大学への興味であるが、その頃からお小遣いを貯めて毎月「ベースボールマガジン」と「野球界」の2冊の月刊誌を購入し始めた。東京六大学の全盛の時代で、誌面の1/4くらいを六大学の記事で満たされていて、隅から隅まで熱心に読んだ。特に、合宿所訪問などは興味深くてそこに登場する選手の名前を順番に覚えていった。立教の長島茂雄や杉浦忠、本屋敷錦吾、早稲田の森徹、明治の近藤和彦、法政の山本一義などで。さらに、長島茂雄は千葉県の佐倉一高、杉浦忠は愛知県の挙母高校、本屋敷錦吾は兵庫県の芦屋高校など、出身校などはすべて覚えおそらく身長体重まで把握していた。(そのくらいの熱量で勉強していればもう少し変わった人生を歩んでいたかも知れないが、それはそれでプラスになったのだと思うが)当時大阪でも強豪として知られた岸和田高校から毎年のように慶応に進む選手がいて、彼らが夏休みに帰省した折にグラウンドに現われてユニフォーム姿で後輩などに指導するのをまるでスター選手を見るようにまぶしく眺めた。それがわたしの大学野球にかんする原点と言える。

 

丸山清光「東京六大学野球人国記(激動の明治、大正、昭和を乗り越え1世紀)」 1世紀に及ぶ聖地・神宮球場を舞台とした人間ドラマ 6校の創世記からのメンバー表ほか膨大な記録も満載

 明大のエースだった丸山さんは、法大の“怪物“江川卓投手と1975年度の六大学リーグ戦のベストナインを争い、春季と秋季でタイトルを分け合った。コントロールのよい下手投げの記憶に残る名投手だった。昨今の丸山さんは、“記録蒐集の鬼“との評判を取る。足で稼いだエピソードもふんだんに書き綴った本書は、創設百年を迎える東京六大学に「エンサイクロペディア」と呼ぶにふさわしい。(「Number」「早稲田スポーツ」元編集長・斎藤禎氏推薦)

 第1章 野球部創設から5校リーグまで~黎明期~

     1878(明治11)年~1924(大正13)年

 第2章 六大学野球開幕から大戦へ~激動期~

     1925(大正14)年~1945(昭和20)年

 第3章 敗戦から高度成長期へ~絶頂期~

     1946(昭和21)年~1964(昭和39)年

 第4章 高度成長期から昭和末期へ~成長期~

     1965(昭和40)年 ~1988(昭和63)年

 第5章 平成から令和へ~新時代・安定期~

     1989(平成元)年~2025(令和7)年

 

   

 

スペイン、イタリー、フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/