(再録)大川周明 著/中島岳志 編・解説「頭山 満と近代日本」(春風社・2200円+税) | 野球少年のひとりごと

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(再録・2022.1.7既出)

日記を付け始めて(近年はパソコンを使って)57年になる。大学に入った年に何を考えたのか日記を付け始め、内容はいつの時代もその日の出来事を手短に記し、後は、本を買ったこととそれを読了したことの記録である。「読書ノート」はそれを基にしたものであるが、読み終わったものに、一応の評価として☆印で、「☆☆」は大変よかった、「☆」はよかったを付けた。無印は、格別の感想の生じなかったものである。年に1冊か2冊「☆☆☆」があって、これは特別によかったものである。因みに、昨年下半期(上半期のデータは、パソコンが突然潰れ消失した)で言えば「☆☆☆」が、宮田毬栄「忘れられた詩人の伝記(父・大木惇夫の軌跡)」、「☆☆」が、田尻賢誉「日大三高・小倉全由のセオリー」、東 理夫「アメリカは食べる。(アメリカ食文化の謎をめぐる旅)」、キャロル・スクレナカ「レイモンド・カーヴァー  作家としての人生」である。年末から取りかかっている「安岡章太郎集(全10巻)」も第5巻を今夜にも読了出来そうであるが、そこに収録の「舌出し天使」「海辺の光景」「遁走」の3作とも1974年(単行本で)に読んでいて今回が再読であるのにかかわらず、まったく読んだような気がしないくらいに忘れてしまっている。まあ、脳のどこかにかすり傷くらいは残しているのかも知れないし、とにかく当時に面白く読んだわけでそれで充分とも言えるが。

 

昨日に続き、大川周明に関するもので、大川周明 著/中島岳志 編・解説「頭山 満と近代日本」(春風社・2200円+税)と葦津珍彦「大アジア主義と頭山 満」(葦津事務所・2000円+税)の2冊のことを。大川周明 著/中島岳志 編・解説「頭山 満と近代日本」は、大川が昭和の右翼の巨人・頭山 満を論じたもので、それを保守思想などでは当代きっての気鋭の学者である、中島岳志があらためて編纂しそれに解説を加えている。頭山 満にはかねてより興味があり、関連のものを数冊保有しているがその中の1冊が本書で、大川周明が頭山 満をどのように捉えているか興味がある。

 

大川周明 著/中島岳志 編・解説「頭山 満と近代日本」 右翼からみた近代 革新右翼の理論家・大川周明が、伝統右翼の巨人・頭山 満を描く。明治維新、征韓論、西南戦争、大隈重信襲撃事件など、近代日本の重要局面に、頭山はどう動いたか。敗戦直前の緊迫した状況下で書かれた「幻の原稿」。 戦後の闇に消えていったもうひとつの近代史。

 オウム真理教による地下鉄サリン事件が起こり、戦後五十年という節目を迎えた1995年に、同時代の問題と真正面から向き合いたかった私にとって、大川周明は最も切実な「問題」だった(…)私は「宗教」と「ナショナリズム」について知りたかった。それまで自分が生きてきたなかで、最も理解しがたかった二つの思想を、何とか理解したかった。そして、それらに対して自分がどういうスタンスをとるべきかを、納得のいく形で定めたかった。その時、大川周明が最大の「問題」として、私の目前に現れた。(中島岳志「編者あとがき」より)

 

   

 

葦津珍彦「大アジア主義と頭山 満」 日本の神道家であり民族派の論客として著名であった葦津が、頭山 満の足跡を辿りながら彼の思想を論じたものである。「昭和を読もう」葦津珍彦の主張シリーズの1冊である本書、一読の価値があると思う。

 

   

 

写真は、貝塚港で撮影する。