養老孟司「AIの壁(人間の知性を問いなおす)」(PHP新書・880円+税) | 野球少年のひとりごと

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本のことを中心に、関西学生野球や高校野球のことをつぶやいています。
また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

スカパーでの中継で、関西学生野球連盟の母校と立命の第2回戦(第1回戦は1-0で母校の勝利)を観戦する。先発の岩井くん(4年、高田商)が4回まで無失点、それを繋いだ荒谷くん(3年、佐賀北)も5、6回を無失点で切抜ける。5回まで相手投手の好投で無得点の母校の6回裏、1死より5番山田くん(3年、関大北陽)の左越本塁打で1点を先取。7回からはエースの金丸くん(4年、神港橘)が第1回戦(完封)に続き登板、3回を被安打0、与四死球0、奪三振3と立命打線を完璧に抑える。その間の8回裏、1死2塁のチャンスに4番富山くん(4年、大阪偕成)の2試合連続の本塁打(左中間への)で、3-0とリードを拡げる。結局、3-0での母校の勝利で2勝2敗勝点1と京大と並び3位に浮かび上がる。母校と優勝を争うと予想された近大が5位、立命が最下位と、リーグ戦が始まったばかりであるが思わぬ展開となっている。次の同志社戦、さらに関学戦と確実に勝利し、最終週の近大戦で優勝を決めたいところである。午後からは、いつも野菜をいただくTさんが筍(先日もいただいたばかり)とスナップ豌豆持参でやって来られる。書斎に通っていただき1時間ほど話する。現役時代にお勤めのJTBが近年稀に見るほどの好決算をしたことだとか、幹事としてお世話しているOB会(関西地区で700人ほどの会員)のことなど聞かせてくれる。いただいた筍は、女房、隣に住む次男夫婦一家と来週にやって来る長男夫婦一家のために、早速あく抜きなどをする予定。

 

本の話である。養老孟司のもので「AI」に関する2冊の著作、「AIの壁(人間の知性を問いなおす)」(PHP新書・880円+税)と「AI支配でヒトは死ぬ。(システムから外れ、自分の身体で考える)」(ビジネス社・1400円+税)のことを。刊行年は、それぞれ2020年、2021年。なお、「AIの壁(人間の知性を問いなおす)」は、羽生善治、井上智洋、岡本裕一郎、新井紀子らとの対論集であり、「AI支配でヒトは死ぬ。(システムから外れ、自分の身体で考える)」は、浜崎洋介を聞き手のインタビュー集である。どちらもたいへん刺激的である。

 

「AIの壁(人間の知性を問いなおす)」 人工知能の限界と日本の未来を4人の叡智と語り合う

 羽生善治 AIから見えてきた「人間の可能性」

 井上智洋 経済はAI化でどう変わるか

 岡本裕一郎 AIから人間を哲学する

 新井紀子 わからないことを面白がれるのが人間の脳

 人工知能(AI)技術の飛躍的発展により、近年「AIが人間の知能を超える」と喧伝されるようになった。しかし、そもそもAIとは何なのか、AIと人間の知性の違いはどこにあるのか―解剖学者養老孟司が、4名の知性と語り合う。AIの発展がめざましい棋界に身を置く棋士・羽生善治、経済学者でありAI技術にも精通する井上智洋、著書でテクノロジーと人間のあり方を考察してきた哲学者・岡本裕一郎、人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるのか。」を進めてきた数学者・新井紀子。AIの限界と日本の未来を語り合う、知的興奮に溢れる4つの議論。

 むしろAIが、理性中心社会からの脱却のために、いいターニングポイントを作ってくれればいいんですね。(中略)AI化で、野に遊び、田畑を耕しという、人間本来の暮らしに戻れる余白ができる。

(目 次)  

 第1章 AIから見えてきた「人間の可能性」……羽生善治×養老孟司

 第2章 経済はAI化でどう変わるか……井上智洋×養老孟司

 第3章 AIから人間を哲学する……岡本裕一郎×養老孟司

 第4章 わからないことを面白がれる人間の脳……新井紀子×養老孟司

 

   

 

「AI支配でヒトは死ぬ。」 仮想現実、グローバリズム、同一化の圧力……「令和の常識」は、おかしなことだらけ。流行に背を向け、地に足をつけて生きる自足のススメ!

 システム化の進んだ現代社会では、「脳」ばかりを肥大化させようとしてきました。するとどうなるか?/ヒトとしての調子が狂ってきます。ジレンマを抱えたヒトは最悪の場合、自らモノを考え、動くことを放棄して、死んだも同然の状況になってしまいます。(本文より要約抜粋)

(目 次)

 第一章 肥大化するシステムと、崩れ行く世間

 第二章 システムを超える「もの」「自然」「身体」「国語」の手触りについて

 第三章 「手入れという思想」~「バカの壁を超えるために」

 第四章 「不気味なもの」との付き合い方

 第五章 「自足」することと、「自立」すること

 第六章 「一元化」し得ない世界のなかで

 番外編 グローバリズムについて、コロナ禍を考えるために

 

   

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/