(再録)「鷹の会」のこと | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

(再録・2013.8.24既出)

1956年、父が属した独立美術の中堅会員(審査員)中間冊夫、高橋忠弥、山本正、青柳暢夫、斉藤長三、中村善種、杢田たけを、山田栄二、横地康國、仲村一男の10名が集まって「鷹の会」というグループを結成し数年にわたり活動した。東京の銀座松屋を拠点に、関西では高島屋で展覧会を開催した。当時の新聞や雑誌の記事によると、独立美術を飛び出し新しい公募団体を作りたいと豊富を述べるメンバーまでいたようであるが(それを受けて新聞記事では、もし実現すれば当時の人気公募団体であった『自由美術』に勝るとも劣らない公募団体ができる、とまで書かれた)、それぞれが大変個性が強くある意味一国一城の主ばかり、最後はメンバーどうしでの将来をめぐる激しい論争などもあって瓦解したようである。ただ、後年の画壇での活躍は周知の通りであり、例えばメンバーの多くが武蔵野美大、日大芸術学部、京都芸大などで教鞭をとることで後進を育て、高橋忠弥や中間冊夫など数名が国際形象展などで、杢田たけが現代美術のほうで活躍したりとひとつの時代を画したことは確かだ。そのメンバーもすべていまはない。

 

独立美術協会=わが国の洋画公募団体としたら最もレベルの高い団体として定評がある。毎年秋に、上野の東京都立美術館で独立美術協会主催の「独立展」が開催される。戦後の具象美術全盛期には林 武、児島善三郎、高畠達四郎、鳥海青児、海老原喜之助、須田国太郎、野口弥太郎、小林和作など錚々たるメンバーを輩出した。父などはその次の世代にあたる。父も1956年に会員になり1982年に亡くなるまで審査員を務めた。
 

 

 

「魚」

606×727ミリ(1965)

「洋画家 仲村一男」のホームページ
 http://www.nakamura-kazuo.jp