池内 紀「姫路回想譚(ある戦後史の断面)」(青土社・2000円+税) | 野球少年のひとりごと

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昼前に、娘の運転する車で近所のレストランまで出かけ、校区(二つの校区に跨がる)の民生委員のOB・OG会(7年前に退任の)に出席した。当時の会長であるNさんが体調不良で欠席の他は、男性7人、女性8人の合計15人が出席する。豪勢といってよい(質量とも)料理とデザート(フルーツパフェ)で、私など食べきれないほどのことであった。年齢的には、66歳から82歳までのメンバーの中では77歳の私がちょうど真ん中あたりである。談論風発というよりは些か喧しいくらいの元気よさで、あっという間に3時間が過ぎ、来年の同じ日の開催(このレストランでの)も決まった。

 

本の話である。昨日に続き池内 紀のもので、「姫路回想譚(ある戦後史の断面)」(青土社・2000円+税)、「作家の生き方」(集英社文庫・495円+税)の2冊のことを。

 

「姫路回想譚(ある戦後史の断面)」 池内少年が暮した姫路市・新在家村。バブル期の開発により村が高級住宅街へと変貌を遂げるよりもずっと前。大きな仏壇がある家の座敷には、天皇・皇后の写真と戦死した息子たちの写真が掲げられ、戦時の記憶がそのまま漂っている、そんな時代。歴史になる過程で取りこぼされてしまう、一つひとつの、あるいは一人ひとりのアウラがすくいとる。私的体験と時代が交叉るす唯一無二の回想録。

 

   

 

「作家の生きかた」 借金、病気、酒好き、ホラ吹き……。優れた文学者たちは、普通なら非難される人生のマイナス要素をプラスに逆転させ、自己の世界を表現していった。著者は太宰、芥川、井伏など、自身の愛する作家たち20人を「生きかたの名人」と呼び、作品をひもときながら、その人生を探る。

 

   

 

フランスで描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/