山田風太郎「風眼抄」(中公文庫・648円+税) | 野球少年のひとりごと

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また、父・洋画家「仲村一男」の作品を毎日紹介しています。

朝起きたときから何となく二度寝をしたいくらいに体調が悪く、昼食後に、書斎のリクライニングシートで朝刊を読んだ後もいつものように読書をはじめる気がせず、結局、寝室で1時間半ほど昼寝をする。その後、体調はほぼ戻ったので、冷たい珈琲でパリジャンを囓りながらパソコンに向かっている。このところは3匹の猫たち(メラ、ロク、グレイの1歳の誕生日を迎えた、わが家にやって来て8カ月半の雄の兄弟。他に、15歳半になる先住猫チビ=小型の雌がいる)に早朝に餌をやっても、わりとすぐに寝直しているので猫による睡眠不足は解消しつつあるが、おそらく本格的な春の訪れの前の気温の変化についていけていない気がする。現役の頃も春先は苦手で、大好きな夏(高校野球の地方大会もはじまるし)やコートの着用できる冬(特に、活気ある歳末が好きで)と比べると、体調を損ねることも多かったように思う。何であれ、メリハリのつかないことが好みではないのは、性格に由来するのかもしれないが。ただ、加齢とともに寒い冬は苦手になり年明けから早く暖かい季節にならないかと願ったり、真夏に出かける(毎年、球場通いしたのにかかわらず)のも避ける(これは、球場などで熱中症になって迷惑をかけることを恐れて)ようになってきた。現役を退いて(61歳で郊外にある当地に引っ越しし、そこに念願の書斎を設けたことで)どこかへ出かけるよりは書斎で、とにかく、いちばんやりたかった読書だけに集中できる幸せが実現できたことが、すべてに勝る。猫たちのことは、女房のブログ「コーラスガールのひとりごと」でご確認ください。

 

本の話である。山田風太郎のエッセイから、「風眼抄」(中公文庫・648円+税)と、彼を敬愛する鹿島茂が、山田風太郎のことを語った文字通りの「鹿島茂が語る 山田風太郎」(角川文庫・552円+税)の2冊のことを。

 

「風眼抄」 奇想天外な物語で読者を酔わせる著者が描く、小説の周辺。少年の日の風景、戦中戦後の青春、親しい友のこと、さらには卓越した日本文学論など。明晰かつ飄逸な筆致で記す。忘れえぬエッセイ集。

 

   

 

「鹿島茂が語る山田風太郎」 NHK教育テレビで放送された「私のこだわり人物伝」 奇想天外!風太郎ワールドへの招待。 

一大ブームを巻き起こした「忍法帖」シリーズから、晩年精神を傾けた「明治もの」まで幅広いジャンルで奔放自在な飛躍を見せた山田風太郎。「大学院生の頃、日本の現代小説にほとんど興味を失った私が唯一読むことができたのが風太郎だった」と語る鹿島 茂が、小説という大ウソで読者を魅了した風太郎の真髄に迫る。風太郎作品から「東京南町奉行」「伝馬町から今晩は」も収録。巻頭に山田風太郎のポートレートや書斎風景、1万冊の蔵書で満たされた書庫などのグラビアが収録されていて大変楽しいものになっている。

 

   

 

「イタリア」&「フランス」で描いた水彩によるスケッチから

「洋画家 仲村一男」のホームページ

 http://www.nakamura-kazuo.jp/